【シゴトを知ろう】潜水士 編

  • ようこそ、ゲストさん
  • ログイン
  • メンバー登録(無料)
  • エリア設定
  • 保護者・先生の方へ
MENU
閉じる
  • ようこそ、ゲスト さん

    メンバー登録(無料)

  • 適学・適職診断無料!

    診断を受ける

  • エリア設定

現在4校がカートに入っています。

一度に最大30校までまとめて資料請求することができます。

閉じる

「マイナビ進学」サイトが別タブでが開きます。

【シゴトを知ろう】潜水士 編

2016.12.19

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】潜水士 編

海の中に建っている建造物を見て、「これって、どうやって造られているんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか? 実は、あのような建築物の基礎(建造物を安全に支えるための下部構造)の部分は、「潜水士」と呼ばれる職業の人たちが作っています。

今回、神奈川県平塚市に本社がある「株式会社 渋谷潜水工業」の代表で、潜水士として活躍中の渋谷正信さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 潜水士は、海洋工事といった水の中における仕事を行っている
  • 潜水士になったのは、レジャーでダイビングを楽しんだことがきっかけ
  • 自然環境への思いやりがなくてはできない仕事

海という難しい環境の中で、ミリ単位の作業精度が求められる仕事

Q1. 仕事概要を教えて下さい
 
ダイバー(潜水士)は、水の中におけるさまざまな仕事を行います。メインの業務は「海洋工事」です。水中で溶接したり、金属素材などを切断したり、測量したり、調査したりして、工事の作業を進めていきます。

当社では、東京湾アクアライン(※)の各施設の建設に携わりました。海ほたる(※)の基礎は、ほとんど我々ダイバーが作ったんです。ほかにもレインボーブリッジや、港、桟橋、防波堤、発電施設(洋上風力発電、潮力発電、波力発電)といった、水辺のあらゆる建造物の建設に努めています。

※「東京湾アクアライン」……神奈川県川崎市と千葉県木更津市をつなぐ高速道路。東京湾にかかっている。
※「海ほたる」……東京湾アクアラインの上にあるパーキングエリア。
 
 
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
私は自分の技能・知力・体力を駆使して、難しい仕事に取り組むときほど、やりがいを感じます。洋上風力発電の建設においては、水中で2~3cmの高低差の土台をならしました。その上に、直径25メートル、重さは1,500トンというベースが乗るんです。当然、土台がキレイにならされていなかったら傾いてしまうので、作業においてはミリ単位の精度が求められます。おそらく、発注者(工事を依頼する人)も「ビル1つ分の大きさのベースが、本当にきちんと海の中に立つのだろうか?」と不安だったと思うのですが、きちんとまっすぐ立ったんですね。感動しました。

海に潜っての作業は、誰にでもできることではありません。ダイバーにしかできないことなんです。私はそのことに対して誇りを持っています。
 
 
Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?
 
水中は、やっと自分の手元が見えるくらい水の透明度が低かったり、波があって揺れていたり、声が届かないためにコミュニケーションが取りづらかったりします。つまり、陸上より不利な状況で作業をしなければいけないということです。

以前、ダムの壁に20~30個穴をあけて、長さ10メートル×10メートルのL字型の鉄の塊を取り付ける作業しました。また、鉄の塊はクレーンで運ばれてくるのですが、こちらは「上に上げてもらいたい」と思っているのに、下に降りてくることもあるんですよ。そういうときは、恐怖を感じます。陸上であれば他の人も見ていますし、みんなで「そっちじゃないよ」と声や仕草で知らせることもできるんですけどね。難しい環境で、ダイバー1人で作業をしなければいけないのは、この仕事の大変なところですね。

ダイバーは「多能工」。様々な勉強をする必要がある

Q4. どのようなきっかけ・経緯で潜水士に就きましたか?
 
小さいころから水が好きだったので、「水中でできる仕事がしたい」と思っていました。ダイバーとは関係のない会社に勤めていたこともあったのですが、レジャーでダイビングを楽しむうちに、水中の仕事への憧れを思い出して、23、24歳のときにダイバーになるための専門学校に進学することにしたんです。


Q5. 専門学校では何を学びましたか?
 
専門学校では、潜水の方法や、ダイビングのための装備・道具などについて理解し、実際に水に潜る実習も行いました。ただ作業の技術に関しては、専門学校ではなく、研修を受けることのできるセンターに通って学んだんです。そこでは、船の運転や溶接の練習をしました。

ダイバーは、「多能工」なんですよ。複数の異なる作業ができるようにならなければいけないので、さまざまな勉強が必要になります。私も、潜水士の他に30~40個の資格を持っています。
 
 
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
 
実家が漁師だったこともあって、高校生のときは、漠然と「船乗りになりたい」と考えていました。今も昔も、水は好きですね。

潜水士は、「海の心」を分からなければいけない

Q7. どういう人が潜水士に向いていると思いますか?
 
海・自然が好きで、大切に思える人です。20世紀までの海洋工事は、環境への影響を考えずに行われてきました。そのため、環境破壊を引き起こし、生物の絶滅や減少を起こす事態にまで発展してしまったのです。

潜水士の仕事は、技術・知識も大事ですが、「感受性の豊かさ」も必要になります。発注者の要求にだけ耳を傾けるのではなく、海の美しさを知り、他の生命を思いやるという意識を持ち、「海の心」が分かるようにならなければいけないと、私は考えています。
 
 
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
 
これからは、海や自然を大切にしながら仕事ができるダイバーが必要になると思います。今までは、環境破壊されている状況に目を向けられない人や、海の大切さがわからない人もダイバーをやってきてしまいました。実は、自分もそうだったと思うんです。周囲から「渋谷は腕がいい」と言われて、誇りを持っていましたが、自然環境から見ると、昔の私は「腕のいい破壊者」に過ぎませんでした。ダイナマイトをしかけて、爆破作業を行って、その結果、環境がどうなっていくのかということまでには考えが及んでいませんでした。

これからの潜水士の仕事は、自然環境への思いやりがなくてはできません。高校生の方々には、このことを「大事な基本」として、知っておいていただきたいと思っています。
 
 

環境保全の重要性は、あらゆる場所で唱えられていますが、「潜水士」の仕事においても、そのことは意識していかなければいけませんね。潜水士を目指している人は、技術・知識を身に着けるだけではなく、自然を大切に思う気持ちを忘れないようにしましょう。
 
 
【profile】株式会社 渋谷潜水工業 代表 渋谷正信
【取材協力】株式会社 渋谷潜水工業
http://www.shibuya-diving.co.jp/index.php

この記事のテーマ
自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説

陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。

「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「潜水士」
はこんな仕事です

潜水士は海や河川、ダムといった水中に潜り、調査や自然災害および海難事故などの被害防止と復旧など、さまざまな作業を行う。この作業を仕事とする人を「職業潜水士」という。趣味で潜水を行う場合には免許は必要なく、「職業潜水士」として働くには国家試験である「潜水士試験」に合格しなければならない。試験に実技はなく、潜水士が危険を伴う職種であることの自覚を確認するためと、水中作業によって起こる減圧症などの危険から身を守るための知識・技術を身に付けることが目的である。

「潜水士」について詳しく見る