【シゴトを知ろう】リフレクソロジスト 〜番外編〜
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「【シゴトを知ろう】リフレクソロジスト 編」では、ご自宅でリフレクソロジーサロン&スクール「ふ和り」を開業されている奥村秀美さんにリフレクソロジストのお仕事内容や魅力について伺いました。
こちらの番外編では、リフレクソロジストならではの「あるある」や、お仕事の知られざる一面などについてお話を伺います。
この記事をまとめると
- リフレクソロジストは、食べ物や栄養に関することを学んでいる人が多い
- 施術の邪魔になるので爪を伸ばすことはできない
- リフレクソロジーの元になるようなことは紀元前から行われていたらしい
身体を作る食べ物や栄養について勉強している人が多い
――リフレクソロジストは、健康管理に関心がある人が多いと聞きました。実際はどんな方が多いですか?
私たちの身体を作っているのは食べ物です。そのためリフレクソロジストは更に深く栄養の勉強をされている人も多いと思います。
私はもともと冷え症だったのですが、友人に練習台になってもらい足を触ったとたん、手が冷たすぎて「キャー」と叫ばれたことがありました。また、私の普段の食事内容を見た恩師に、「あなた身体を冷やす食べ物ばかりじゃない!」と言われました。このままではいけないと思い、それ以来、身体が冷えないように食事内容や温度に気を遣うようになりましたね。
私がきちんと健康を管理して、温かい手で優しいトリートメントするからこそ、リフレクソロジーでお客様を癒してさしあげることができるのだと思います。これは、リフレクソロジストだけでなく、すべてのセラピストにいえることだと思います。
――お仕事とリンクする、休みの日にありがちな「あるある」があれば教えてください。
リフレクソロジストは、お客様の肌に指を当てていく職業ですから、爪を伸ばすことはできません。最近は綺麗なネイルをされている方がたくさんいますし、それを見るとやってみたいなと羨ましく思うことがあります。しかし、リフレクソロジストである限り爪を伸ばすことは厳禁で、常に爪が肌に当たらないように、自分の頬に爪を立てても当たらないくらい短く爪の先が滑らかになるようにやすりで削っています。
そのせいで、休みの日だけというわけではありませんが、シールやテープを剥がせませんし、何か細かい小さなものを指先で掴もうと思っても掴めなくてイライラすることがあります。きっとこのイライラは私だけが感じていることではないと思います(笑)。
リフレクソロジーは紀元前から存在した!?
――では、意外と知られていない、リフレクソロジーやリフレクソロジストのトリビアを教えてください。
リフレクソロジーの歴史はとても古いということを皆さんはご存知でしょうか? 一番古い記録では紀元前2000~3000年頃のエジプトの王家の谷の壁画に、人の手や足を触っているリフレクソロジーのようなことをしている人の絵が描かれています。
現代のリフレクソロジーの基礎を築いた人が、アメリカ人のウィリアム・フィッツジェラルド博士です。博士は手術した患者の中にまったく痛みを訴えないか、ほとんど痛みを訴えない人がいることに気が付き、観察すると手術用の椅子の肘掛の角に手指の腹を押し続けていたということが分かりました。
その事実から身体のある部位を圧迫すると離れたほかの部位にも効果が及ぶという『ゾーンセラピー』を発見し、それを基に研究が重ねられた結果、ユナイス・イングハム女史が足裏に人体の臓器や器官を描いたフットチャートが生まれたのです。これが、足の反射区に刺激を与えれば全身にさまざまな効果をあげられる、という現代のリフレクソロジーにつながっていくことになったそうです。
――リフレクソロジーには西洋式と東洋式があると伺いました。それぞれどんな特徴があるのでしょうか?
「足の裏には臓器の反射区があり、そこを刺激することによって対応する臓器が活性化される」という考えに違いはありませんが、決定的に違うのはトリートメントに対する考え方です。
西洋式では「痛みもストレスになる」という考えの基に心地よくリラックスできるように圧力をかけすぎない施術で、指の腹のみでオイルやパウダークリームを使用します。そして、東洋式は「良薬口に苦し」ということわざがあるように、痛いものほどよく効くと考えるため一般に加える圧力が強く、指の関節や棒、ローラーを使用することもあり、肌に直接か、あるいはクリームなどを使ってトリートメントしているようです。
笑顔で「ありがとう」と言ってもらえることが一番の達成感
――最後に、お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。
私は、リフレクソロジーの学校のアシスタント講師として、最近まで生徒の方たちに技術のサポートをしてきました。自分が施術するのとは大違いで、人に教えることはとても難しく、自分のボキャブラリーのなさや説明力のなさをもどかしく感じていました。それでも私のアドバイスを真剣に聞き、みなさんそれぞれ別のお仕事をされているにも関わらず、試験合格に向け一生懸命努力されているのを見て、「私ももっと頑張ろう!」といい刺激を受けました。これからもリフレクソロジーを学びたいと考えている人たちのサポートを続けていきたいと思います。
そうしてリフレクソロジストが増え、リフレクソロジーを知り笑顔になる人が増えれば、素晴らしいことだと思います。リフレクソロジーを通してたくさんの人に出会えたことは私にとって財産だといえます。そして、笑顔でありがとうと言ってもらえたときが、この仕事をしていて一番達成感を感じるときで、うれしさを噛み締める瞬間ですね。
リフレクソロジーやリフレクソロジストに興味が湧いた人は、一度施術を受けてみると、もっとリフレクソロジーについて知ることができると思います。健康や美容に関わるプロの技を知ることができる、いい機会になるかもしれませんよ。
【Profile】リフレクソロジーサロン&スクール「ふ和り」 奥村秀美
この記事のテーマ
「エステ・ネイル・リラクゼーション」を解説
ネイリストやエステティシャンといった美容のスペシャリスト、アロマテラピストなどリラクゼーションのスペシャリストとして活躍する仕事です。いずれも高いホスピタリティや接客能力が求められるだけでなく、自ら学び続け、新しい技術やトレンドを取り込む好奇心やセンスが必要となります。
この記事で取り上げた
「リフレクソロジスト」
はこんな仕事です
リフレクソロジーとは、足の裏にあるツボを押して血液やリンパの流れを促進し、健康状態を改善する技術。この施術を行う技術者が、リフレクソロジストである。足には、身体の各器官や内臓に対応する反射区という場所があり、ここを刺激することで、全身の疲れやストレスを軽減することができる。比較的強めの刺激を与える東洋式と、東洋式ほど強い刺激を与えない西洋式に大別され、それぞれさらに細分化されている。高齢化社会を迎え、病気にかからない「予防医学」が重視される中で、注目度の高い仕事である。
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