【シゴトを知ろう】エアロビック・インストラクター 編
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エアロビクスというと高校生の皆さんには馴染みが薄いかもしれませんが、実は今流行中のラテンなどの音楽に合わせて踊る「ズンバ」やダイエットDVDで話題になった「コアリズム」などの人気のダンスエクササイズは、全てエアロビクスが源泉になっているそうです。そんなエアロビを何と小学2年生の頃に始め、今はフリーランスのエアロビック・インストラクターとして活動されている鳥巣愛佳さんにお話を伺いました。
この記事をまとめると
- エアロビクスは子どもから大人まで楽しめるエクササイズ
- たくさんの大人と接して「事例」を増やそう
- 夢や目標は途中で変わってもいい
「エアロビのお姉さん」と呼んでほしい
Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい
フリーランスのエアロビック・インストラクターとして、スポーツクラブなどと契約して、一般の方にエアロビクスを教えています。今は子どもたちに教えることが多いので、親しみやすい存在になりたくて、あえて「先生」ではなく「エアロビのお姉さん」と呼んでもらっています(笑)。その他に大人向けのエアロビクス教室の主宰もしています。また、エアロビクスを競技として発展させた競技エアロビックの選手育成の活動にも携わっています。
<一日のスケジュール>
9:00〜12:00 レッスン
12:00〜14:00 移動、昼食
14:00〜16:00 レッスン
17:00〜18:30 レッスン
18:30〜20:00 自主練習をして帰宅
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいを感じるのはどんなところですか?
子どもたちは成長スピードがすごく早いので、1週間会わないだけでも動きが変わったり、質問内容にも変化が見られたりします。そんな彼らの成長を見られることに一番やりがいを感じます。習い事の先生って子どもたちにとって必ずしも必要な存在ではないと思うのですが、そんな中で私を選んでくれて、1時間という短い時間でも楽しんで帰ってくれることがうれしいです。
Q3. 逆に仕事で大変さを感じるのはどんなところですか?
今は楽しい気持ちが先行していますが、強いて言えば、生徒の親御さんとの接し方には気を遣っています。親御さんは期待して預けてくださっているので、その子にとって何が良いのかを常に追求してプログラムを考えていかないといけません。そのプレッシャーや労力はなかなか大変です。精神面ではそういう苦労がありますが、物理的に一番大変なのは電車移動です。1日何レッスンもするので、替えのウエアやタオルなどの荷物が多いんです。重さに耐えきれず、最近とうとうスーツケースを買いました(笑)。
小学2年生で競技エアロビックを始めた
Q4. どのようなきっかけでエアロビック・インストラクターの仕事に就いたのでしょうか
幼い頃にアイドルのダンスを見て憧れ、ヒップホップダンスなどを習い始めたのですが、それだけでは物足りなくなり、小学2年生の時に薦められて競技エアロビックを始めました。その時に教えてくれた先生への憧れもあり、大人になって今度はこの競技の魅力を人に伝えていくことをしたいなと思いました。
Q5. 大学ではどんなことを学びましたか?
商学部で経営のことを学びました。学部を選んだ時点では自営業の道は考えていませんでした。ただ、将来的にフィットネスに関わる仕事はしたいと考えていたので、ビジネスの視点も必要だろうと思って商学部を選びました。
Q6. 高校生の時抱いていた夢や体験したことが、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
高校生の頃はキャビンアテンダントになりたいと思っていました。今思えば、一つの場所に留まらない自由さにも憧れていたのかなと思います。今の仕事も毎日いろんな現場へ行き、いろんな人に出会える仕事なので、共通点があるなと思います。
競技エアロビックに打ち込んだ経験も大きかったです。みんなが部活をやる中、たった1人でエアロビをやるのは辛い時もありました。でも当時から競技生活と並行して後輩の指導をしていたのですが、そのことをきっかけに、教えることが自分のモチベーションになることに気づきました。今につながる貴重な体験でした。
いろんな大人のことを知ってほしい
Q7. どういう人がエアロビック・インストラクターに向いていると思いますか?
教えることにやりがいを感じられる人が向いています。明るく元気であることも最低条件。お客様は「健康になりたい」「元気をもらいたい」と思って来られます。インストラクターのテンションが低いとそれがダイレクトに伝わってしまいます。また、穴を開けられない仕事なので、体調管理をしっかりできる人でないといけません。
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
いろんな大人のことを知ってください。1人の大人がどういう人生を歩んできて、どこに目を向けて生きているのか。私は競技エアロビックの活動を通してたくさんの大人と接する機会があり、その中で「先生」という仕事に憧れや興味を抱いたことが今につながっています。参考にできる大人の事例が自分の中にたくさんないと、やりたいことや目標は見つかりづらいのかなと思います。やりたいことがぼんやりでもわかってきたら、きっと打ち込めるものも見つかると思います。
それと、夢や目標は途中で変わってもいいと思います。私も高校生の頃はキャビンアテンダントになりたいと言っていたけれど、今は全然違う仕事をしています。ぼんやりしたまま進むより、何か目標があれば日々は輝きます。まずはそれを見つけてください。
鳥巣さんは大学を卒業してフリーランスのインストラクターになったばかりですが、とてもしっかりした考えをお持ちの方でした。高校時代から何かに打ち込む経験をしていると、社会人になってからもそれが自信となって表情などにも表れるのかもしれません。まずは鳥巣さんのようにたくさんの大人と接して、将来の参考となる事例を探してみることから始めると良いかもしれませんね。
【profile】エアロビック・インストラクター 鳥巣愛佳
HP:http://www.aikatorisu.net
この記事のテーマ
「健康・スポーツ」を解説
スポーツ選手のトレーニングやコンディション管理に関わる仕事と、インストラクターなどの運動指導者として心身の健康管理やスポーツの有用性を広く一般に伝える仕事に大別できます。特に一般向けは、高齢化の進展や生活習慣病の蔓延が社会問題化する中、食生活や睡眠も含めて指導できる者への需要が高まっています。授業は目指す職業により異なります。
この記事で取り上げた
「エアロビック・インストラクター」
はこんな仕事です
エアロビックとは、アメリカで提唱された運動処方理論「エアロビクス」が起源。その後エアロビックダンスやエクササイズと派生し、体系化したものが音楽を使って手軽にできる有酸素運動として発展した。現在は世界80カ国で行われているとされ、国際大会なども開かれている。インストラクターは主に、スポーツクラブなどで、年齢や性別、レベルに応じたエアロビックの指導にあたる。民間資格は複数あるが必須ではなく、スポーツクラブなどでの専属契約や、フリーでかけ持ちするケースも多い。
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