【シゴトを知ろう】テーマパークスタッフ 編
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高校生なら誰もが大好きであろう「テーマパーク(遊園地)」。そこで働く人たちのことを「テーマパークスタッフ」といいます。
テーマパークスタッフの仕事は、アトラクションの誘導、食事・グッズの販売、清掃などさまざまです。今回は東京・浅草にある遊園地「浅草花やしき」で主にスタッフの指導・配置を行っている今村達郎さんに、お話を伺いました。
この記事をまとめると
- 今村さんは、主にアルバイトスタッフの指導や管理を行っている
- 高校時代のバイトでは、まず自分が楽しむことの大切さを学んだ
- 英語を勉強して、海外のお客様にも大事なことを伝えられるようにしたい
「また来るよ」……1年後、本当に来てくれたお客様もいる
Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい
私は、浅草にある遊園地「花やしき」で運営を担当しています。主な仕事は、アルバイトスタッフの指導や管理です。アトラクションの運転方法のアドバイスを行ったり、スタッフの配置を考えたり、シフトや休憩時間の調整をしたりしています。
また、アトラクションに不具合があった際のメンテナンスチームへの連絡や、案内所や電話でお客様からご質問があった場合の対応も、私の仕事です。
<ある一日のスケジュール(早番時)>
08:45 出社 全体朝礼で話す連絡事項をまとめる
09:15 始業・社員朝礼 スタッフの出欠をチェックし、欠勤を穴埋めする
09:25 アルバイトとの全体朝礼
09:30 アトラクションの運転確認
10:00 開園
10:30~11:00 アルバイトへの休憩の指示
午後 事務作業、現場のチェック、アトラクションのヘルプなど
17:30ごろ アトラクションの最終運転の時間をアナウンス
18:00 閉園
18:15 終業
※10月末~3月末の期間は、お客様にイルミネーションを楽しんでいただく「ルミヤシキ」を行っているため、終業は21:15です。
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
お客様に「ありがとう。また来るよ」と仰っていただけたときに、一番やりがいを感じます。以前、とても印象的な出来事がありました。夏休みに来てくれたお客様で、小学4年生のハーフの女の子のお客様がいたんです。その子と仲良くなって、会話を交わす中で「私は普段フランスに住んでいるから、1年に1回、夏休みのときだけ日本に来るんだ」と教えてくれました。その夏は4回も花やしきに遊びに来てくれて、最終日には「また来るよ」と仰ってくださいました。
そして1年後の夏休み、本当にその子が遊びに来てくださったんです! しかも、「お兄ちゃん、また来たよ」と声をかけてくれて……、あのときは「自分のことを覚えていてくれたんだ」と感激しましたね。
Q3. 仕事で大変なこと・つらいと感じることはありますか?
アルバイトの当日欠勤があると、現場でアトラクションを動かすスタッフの穴埋めをしなければいけません。また全体朝礼では、細かな連絡事項を分かりやすく説明する必要があるので、そのときも大変さを感じます。
「安全」のために周囲を見て、適切な判断・行動を心がけている
Q4. どのようなきっかけ・経緯でテーマパークスタッフに就きましたか?
私は高校卒業後、フリーターをしていて、もともとは花やしきにもアルバイトとして勤めていました。1年8ヶ月ほどバイトをしていて、あるとき、上司から「社員になって、一緒にがんばってみないか?」と言ってもらえたことをきっかけとして、正社員になることを決めました。
Q5. アルバイトをしていたときは何を学びましたか?
高校のときから、「接客業」が好きで、スーパーのレジや、東京スカイツリーのカメラマンのアルバイトをしていました。そこでは、「まず自分が楽しみ、それを表情に出す」ことによって、お客様にも楽しんでもらえるんだということを学びました。
花やしきでのアルバイト時代に学んだのは、「周囲を見て行動する」ことです。この仕事は、お客様に楽しんでもらうことはもちろん、事故がないように「安全第一」で動かなければいけません。周りを見ていれば、とっさに適切な判断・行動がとれるようになります。このことは、社員になった今も心がけています。
Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?
自分は肌が弱いので、手が荒れることを理由に断念してしまったのですが、高校のときは、「理容師」になりたかったんです。「接客業」という点では、今の仕事とつながっていますよね。
つらいことも多いけど、とてもやりがいのある魅力的な仕事
Q7. どういう人がテーマパークスタッフに向いていると思いますか?
落ち着いて状況判断ができる人、相手のことを思いやれる人、子どもが大好きな人には向いていると思います。子どもは連続でアトラクションに乗りに来たり、こちらに話しかけたりしてきます。そんなとき、ないがしろにせずに、快くご案内できるかどうかが大切です。
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
遊園地のスタッフは、つらいことも多いですが、とてもやりがいのある魅力的な仕事です。高校生のうちから勉強をしておいたほうがいいことは、「英語」です。お客様には、海外の方も多くいらっしゃいます。スタッフが英語で説明をすることができないと、外国人のお客様が、絶叫系のアトラクションだと知らずに乗ってしまって、怖い思いをされてしまうこともあるかもしれません。ですので、最低限、お客様に大事なことを伝えられるレベルの英語力は、身につけておいたほうがいいと思っています。
今村さんのお話からは、お客様に対する優しい思いやりを持っていらっしゃることが分かりました。お客様の休日を、より一層楽しいものにするテーマパークスタッフの仕事。この記事で興味を持った人は、仕事内容について詳しく調べてみてくださいね。
【profile】浅草花やしき 遊園地事業部 遊園地チーム 運営担当 今村達郎
【取材協力】浅草花やしき
http://www.hanayashiki.net/
この記事のテーマ
「旅行・ホテル・ブライダル・観光」を解説
ゲストに非日常的なサービスや空間を提供し、心身のリフレッシュを手伝うとともに、心に残る思い出となるように努めることが、旅行・ホテル・ブライダル・観光の仕事に求められる役割です。接客技術やサービス精神を磨くことが不可欠。また外国からの観光客をもてなすための語学修得も必要になります。
この記事で取り上げた
「テーマパークスタッフ」
はこんな仕事です
アトラクションの誘導や食事・グッズの販売、清掃など、テーマパークを運営する上で必要となるさまざまな業務を担当する。笑顔と接客マナーは当然のこと、清潔で夢のある園内の空間をつくり、来場者に楽しんでもらえるように努めるのも仕事の一つだ。客と直接関わる業務以外にも、設備や装置の点検など「裏方」と呼ばれる仕事もある。裏方は表には出ないが、客の安全に関わる仕事が多く責任は大きい。いずれもテーマパークで働く以上、客が楽しめることを第一に心がけることが大切だ。
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