【シゴトを知ろう】コンサート・ステージスタッフ 〜番外編〜
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「【シゴトを知ろう】コンサートスタッフ 編」では、コンサートスタッフの一員、ムービングプログラマーとして働く平安山良伍さんに仕事の魅力や厳しいところ、現在の仕事に就いたきっかけを教えていただきました。
今回は番外編として、仕事ならではの「あるある」なことも含めてより詳しく伺いました。
この記事をまとめると
- 「なんでこんなときに!」というタイミングでムービング卓がフリーズすることがある
- 「それ殺しといて!」「けつさわって!」という業界用語がある
- 初めて歌舞伎の現場のプログラミング・本番に就いたことは今でも忘れられない経験
「なんでこんなときに!」というタイミングでムービング卓がフリーズすることがある
――ご自分が初めて観たコンサートを教えてください。そのときはどう感じましたか? また、これまで自分の仕事以外で記憶に残っているコンサートの照明の演出があれば教えてください。
僕が照明を意識してみるようになったのは、2005年の「GLAY DOME TOUR 2005 "WHITE ROAD" in TOKYO DOME」のDVDを人に勧められて見たのがきっかけでした。その映像を見て「この動く機材はなんだろう?」と思い、調べてムービングライトという機材があることを知りました。DVDで見ただけなのですがムービングライトを知ったきっかけなのでものすごく印象に残っています。
――ムービングプログラマーという仕事ならではの、仕事上の「あるある」なことがあれば、どんなことでも結構ですので教えてください。
(プログラミングの)打ち込みが間に合っていなくて夜中に打ち込みをしているときや、時間のない現場で調整しているときなどに、「なんでこんなときに!」っていうタイミングでムービング卓がフリーズしちゃうことですかね(笑)。だいたいバックアップを隣で走らせていたりするので本番に影響したことはないのですが、それまでに打ち込んだデータが飛ぶと焦りますね(笑)。よくあることでは無いのですが、意外と他のムービングプログラマーのみなさんもこういった経験は一度はあるのではないかと思います。
――ライブ中にアーティストがステージ上から「照明さん、全部暗くして」など、声を掛けて演出を変えるような場面を何回か見たことがあるのですが、そうした急な対応をすることには慣れているのでしょうか?
アーティストからの振りもありますが、機材トラブルで、次のシーンでサス(舞台上のバトンに吊ったライト)としてつかないといけないムービングライトがトラブルでつかないときは、何かでフォローしないと暗転になってしまう場合もあるので本番中は常に気は張っています。
新入社員がびっくりした業界用語「それ殺しといて!」「けつさわって!」とは!?
――コンサートの現場のことで、お客さんがあまり知らないであろうトリビア的なことがあったら教えてください。
あまりピンとこないのですが、今年入った社員に聞いたら「それ殺しといて!」「それ生かしといて!」「けつさわって!」という用語にはびっくりしたようです(笑)。「殺しといて」はネジをきつく締めて、「生かしといて」は電源を入れておいて、「けつさわって」はソースフォーという機材の光軸調整のネジを触って光軸を調整しろという意味なのですが、入社した当初は分からない用語が多すぎたと新入社員は言っていました。
――規模が大きいイベントの現場で最も気を付けていることはどんなことでしょうか?
安全面ですかね。徹夜での高所作業があるので事故が起きないよう気をつけています。
初めて歌舞伎の現場のプログラミング・本番に就いたことは今でも忘れられない経験
――最後に、お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。
コンサートではないのですが、2014年に初めて歌舞伎の現場のプログラミング・本番についたことは今でも忘れられません。今まで古典の歌舞伎を見たこともないまま現場について、台詞が現代語ではないのにびっくりして、歌舞伎の用語も分からないことだらけで会社の先輩・劇場の方に教えてもらいつつ、その時は覚えることが多くいっぱいいっぱいでしたがとてもいい経験ができた現場でした。まさか自分が歌舞伎の現場につけるとは思っていなかったので(笑)。
2011年に現在の会社に入り、経験を積んできた平安山さん。コンサートに限らず、色々な現場でその手腕を発揮しているようです。平安山さんがGLAYのDVDからムービングライトを知ったように、みなさんも興味を持ったものについて調べながら、自分がやりたいことを探してみるといいかもしれませんね。
【profile】ムービングプログラマー 平安山良伍
【取材協力】株式会社クリエイティブ・アート・スィンク(C.A.T.)
http://cat-group.co.jp/
この記事のテーマ
「音楽・イベント」を解説
エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。
この記事で取り上げた
「コンサート・ステージスタッフ」
はこんな仕事です
ホール、スタジアム、野外広場などの会場で、舞台・照明・音響関連の設営から本番、撤収までを手掛ける仕事。音楽ジャンルや会場付きかによっても異なるが、主に舞台クルーは背景の装飾やスモークマシンなど特殊効果機材の配置や操作を行い、照明クルーはプランに基づく機器のセッティング、ピンスポットやムービングライトなどのオペレーション、音響(PAエンジニア)はマイクやスピーカー、モニター、ケーブルなど機材の調整やミキシングを行う。いずれも専門によって分業化されている。
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