【シゴトを知ろう】レコーディングプロデューサー 〜番外編〜
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「【シゴトを知ろう】レコーディングプロデューサー 編」では、レコーディングプロデューサーの仕事について、株式会社 スペースエイジの川戸良徳さんにお話を伺いました。
ミュージシャンはレコーディングでは長い期間スタジオに籠ることもありますが、そんなときにはプロデューサーはどんなことをしているのでしょうか? そこで今回は、レコーディングプロデューサーならではの仕事の「あるある」的なことから、どんなときに達成感を感じるのかなど、より詳しくお話を聞かせてもらいました。
この記事をまとめると
- 行き詰まることがあったら、性格的なことも考えて接する
- “鳥肌が立った瞬間”を何よりも最優先している
- 苦労して作った作品をお客さんがライヴで楽しんでいる姿に一番達成感を感じる
行き詰まることがあったら、性格的なことも考えて接する
――レコーディングプロデューサーはミュージシャンのレコーディング中はずっとスタジオにこもりきりになることも多いと聞きますが、ミュージシャンが行き詰まったときなどはどんな接し方、立ち振る舞いをしているのでしょうか。
私は客観的な意見やアドバイスをすることもありますが、それは場合やアーティストによります。もし行き詰まっていても、放っておいてほしい人もいますから、その人の性格的なことも考えて接しています。
――長時間のレコーディング中、食事はどうしているのでしょう。
深夜から朝方までレコーディングしていることもあり、近くに開いている飲食店がないことも多いですから、時間を合わせて休憩をして出前を取って食べたり、コンビニでおにぎりやお菓子を買い込んで食べながら作業することが多いですね。気分転換の一つとして食事タイムにすることもあります。
一番いい環境でレコーディングに臨めるようにしてあげたい
――川戸さんがレコーディングでもっとも気を遣っていることは何ですか?
締め切りというものがどうしても発生してしまうのですが、アーティストが納得できる作品を作り上げること、それを最優先します。
また、気持ちよくやれる環境を作ってあげたいなと思っています。それは音もそうだし、集中できるかどうかということもそうだし。それぞれのアーティストが作品を作る上で一番いい環境でレコーディングに臨めるようにしてあげたいなと思っています。
――気分転換やストレス解消としてやっていることがあれば教えてください。
休日は映画を観に行くことが多いです。映画を観ているときって仕事のことを忘れられるんですよね。映画館で作品に入り込むことで非日常に身を置けるので。
――レコーディングプロデューサーならではの、仕事上の「あるある」なことがあれば教えてください。
休みの日に買い物していたり旅行先にいてもCDショップに入って、自分が担当しているアーティストの作品がどういう紹介のされ方をしているのか、ついついチェックしてしまいがちですね。
苦労して作った作品をお客さんがライブで楽しんでいる姿に一番達成感を感じる
――最後に、お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。
レコーディング中に鳥肌が立つ瞬間があるんですよ。私の担当しているアーティストは、基本的にバンドで一斉に演奏する「一発録り」が多いんですけど、奇跡の瞬間とか、背筋がビリビリくる瞬間があって。感動して泣いてしまったり。この仕事の醍醐味っていうのはそういうところかもしれないですね。
そこで私がいつも考えているのが、自分が目の前で感動したことを持ち帰るにはどうしたらいいんだろうっていうことなんです。レコーディングスタジオにみんなを呼んで聴かせるわけにはいかないですから(笑)。マスタリングやミックス、音質についてもどうやったら感動を伝えられるのかをいつも研究しているというか、考えています。それが人に伝わったときは達成感がありますね。それと、ライブのときにスタッフとして一番後ろからステージとお客さんの様子を見ているときにグッときたり。苦労して作った作品を聴いてくれてお客さんがライブで楽しんでくれている姿を見るときが、一番達成感がありますね。
自分が感動した気持ちをそのままリスナーに伝えたい。そんな熱い気持ちが、川戸さんの仕事の原動力になっているようです。みなさんも、CDや配信音源を聴くときに、レコーディングしたときのアーティストや関わっている人たちの気持ちも考えながら聴くと、より音楽が好きになるかもしれませんね。
【profile】プロデューサー 川戸良徳
【取材協力】株式会社 スペースエイジ 東京支社
この記事のテーマ
「音楽・イベント」を解説
エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。
この記事で取り上げた
「レコーディングプロデューサー」
はこんな仕事です
CD・ネット配信・レコード用の音楽を制作する際に、企画、宣伝、販売、作詞家・作曲家・演奏者などのスタッフ人選、ジャケットデザイン、印刷、プレス、制作費管理など、全ての責任者であり、プロデュースを担当するのがレコーディングプロデューサー。音楽大学や音楽専門学校を卒業し、レコード会社や音楽制作プロダクションに就職して、アシスタントプロデューサーとして経験を積み、プロデューサーにステップアップする道が一般的。音楽の専門知識はもちろん、ミュージシャンの実力、将来性、商品価値などを把握し、市場を見据えて「売れる曲」を提案できる能力が必要とされる。
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