【シゴトを知ろう】仏壇・仏具職人 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】仏壇・仏具職人 ~番外編~

2017.01.04

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】仏壇・仏具職人 ~番外編~

自然の恵み豊かな沖縄で、感性のまま、ありのまま、自由に生きる仏壇・仏具職人の照屋翔士(てるやしょうじ)さん。職人になるのに必要なことや業界の常識、職人の未来まで、「番外編」としてまとめてご紹介します。

この記事をまとめると

  • 仕事は自分のペースで。3時に起床し一仕事した後は、お昼まで子どもと遊べる!?
  • 職人に大事なのは没頭し、継続できる力。飲み込みが早いと飽きてしまうことも
  • ぶっちゃけどうなの? 職人の未来

伝統工芸を学ぶ学校は全国各地にある

――仏壇・仏具職人ならではの業界用語を教えてください

漆を塗る前の木材を「木地(きじ)」と言います。
また、沖縄仏具の文様付けの技法には、主に「堆錦(ついきん)」「螺鈿(らでん)」「沈金(ちんきん)」があります。

沖縄漆器伝統の加飾技法である「堆錦」は、立体的な文様が特徴です。漆と顔料を練り合わせ、お餅くらいの硬さになったものを薄く伸ばして、型にはめるか、または切り取って文様を作り、それを剥がしてシールを貼るように、漆器に文様を付けていきます。
「螺鈿」とは、青貝の殻の内側の真珠色の光を放つ部分を切り出して、漆器の表面にはめこんで装飾したものです。
そして「沈金」は、漆器の表面に刃物で文様を彫り、この痕に金箔や金粉を押し込む加飾方法です。


――職人になるには、どうすればいいのでしょうか?

一般的には、伝統工芸士を養成する学校で学ぶことから始まり、その後職人に弟子入りしたり、仏壇・仏具を扱う会社や工房に就職してノウハウを学びます。
伝統工芸士を養成する施設は、京都府をはじめ全国各地にあり、県によっては無料で学ぶことができますので調べてみたらいいと思います。

私が勤める会社の職人にも、漆器で有名な石川県輪島市にいったん修行に行って、技術を身に付けてから沖縄に戻って、工房に勤めた人がいます。
職人は、一般企業のように求人サイトに掲載があるわけではありません。気になる工房があれば、自分から足を運んで話を聞いてみましょう。どこも後継者不足の問題があるので、話くらいは聞いてもらえるのではないでしょうか?


――職人さんは、みなさん伝統工芸士なのですか?

伝統工芸士は、伝統工芸品などを製造する職人の技術・知識を認定する資格で、知識・実技などの試験に合格することが必要です。
その試験内容や受験資格は、各産地組合によって異なります。例えば富山県南砺(なんと)市の井波彫刻では20年以上の実務経験を有する者でなければ受験できないなど、取得までの道のりは長く厳しいものです。

ちなみに、私をはじめ私が勤める会社の職人は伝統工芸士でありません。おそらく肩書きに興味がない人が多いからだと思いますが、取得を目指す人もいません。

「好き」という気持ちこそが才能!

お子さんと長い時間一緒に過ごせる暮らし。「もう、メロメロです」と照屋さん

お子さんと長い時間一緒に過ごせる暮らし。「もう、メロメロです」と照屋さん

――一般の人に驚かれる業界の常識はありますか?

ライフスタイルには驚かれますね。私は朝3時に起きて作業をし、6時から正午までの間は子供の世話の時間に当てています。ものづくりをしてる人は、自分の時間を作ることができるのでいいかもしれません。
職人が少ないので、みなさん仲がいいことも自慢です。
また、漆はほとんどの人がかぶれるので、みなさん漆を使った作業の翌日は痒そうにしています(笑)。


――職人に向いているのはどんな性格? 業界の方はどんなタイプの方が多いですか?

職人として一番大事なのは、そのことに没頭し継続できるかどうかです。私は今、70歳になるおじいちゃんおばあちゃんと一緒に仕事をしています。飲み込みが早い人は、飽きてすぐ辞めてしまうことも多く、長続きしなかったりします。
業界には「仏具職人になりたい!」という志を持って入ったというよりも、漆器を作っていく流れの中で仏壇・仏具の世界にたどり着いた、という方が多いようです。

私自身はフットワークが軽く、感性の赴くままに生きています。ワクワクすることが好きで、「楽しそうなことはやってみよう!」が信条です。


――業界内で働くにあたって、特に意識することはありますか?

ものづくりは期限厳守の世界ですので、時間の組み立て方は意識します。納期から逆算して作業量を算出し、期日までに確実に納品します。

合間にはよく勉強もします。本を読んだり、絵画や演劇、映画を見に行ったり。自然も芸術的な観点が養われると思います。
また、実際に人に会うようにしていますね。話をする中で、一緒に何かやっていこうという仲間が見つかることもありますよ。

3Dプリンターで仏壇を作る日が来る!?

堆錦という技術でできた文様に金箔を押すのが照屋さんの仕事

堆錦という技術でできた文様に金箔を押すのが照屋さんの仕事

――業界内ではどんな人が出世していますか?

職人技は見て盗むことから始まりますが、オリジナリティは少しずつ入れていかないといけません。そして、自分で売り込んでいくことができる人が名を残します。
例えば沖縄だったら、「沖展」という美術と工芸の公募展に積極的に出展することで、多くの方に見てもらえる機会が増えます。全国規模でも美術の公募展があって、最優秀賞などを受賞することで「次の人間国宝の候補だ」と、定期的に買ってくれる人が出てくると聞いたことがありますよ。


――職人の未来はどうなると思いますか?

職人の世界も変わってきています。職人というと、何年もの下積み時代が必要といったイメージを持たれることもあるかと思いますが、沖縄ではそのような風習はなくなりつつあり、得意分野があればその方にお任せしています。

残念ながら漆器の国内での売り上げは下降傾向にありますが、海外では日本の職人技の美しさが見直されていて、海外で売ろうという考えに至った人の中にはたくさんもうけている人もいます。

沖縄の話ではありませんが、漆器の木地を3Dプリンターで作リ始めた方もいるようです。もしかしたら今後は、人間が作るものより3Dプリンターで作る方が品質が高くなって、主流になるのかもしれません。
これからの職人は、手仕事による伝統的な技法にプラスして最新技術を取り込んだり、社会のニーズを見抜くセンスを持った人が残っていくと思います。


コストや効率が重要視される昨今、手仕事による伝統的な技法と機械がどのように共存していくか、いかに社会のニーズに見合った物を作れるか、という今後の課題を少しだけですが垣間見ることができました。

仏壇・仏具職人としての第一歩は、自分が好きな仏壇を見つけること。職人の世界は分業制なので、スケッチの能力やセンスが重要になる工程もあれば、継続力や集中力が大切となる工程もあるようです。
全国の仏壇・仏具で使用されている工芸技術を調べてみて、興味を持てる職人技を発見したら、まずは工房に足を運んでみましょう! その際は、事前の連絡も忘れずに。 


【profile】照屋仏具センター 照屋翔士(てるやしょうじ)

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「仏壇・仏具職人」
はこんな仕事です

日本の伝統工芸の一つである仏壇や仏具。その製造工程は分業化され、それぞれ専門の職人が手掛けている。たとえば、京都伝統の京仏壇の場合、外郭を木材でつくる「木地師」、装飾となる動物や花を彫る「彫師」、金具をつくる「錺屋(かざりや)」、外郭に漆を塗る「塗師(ぬし)」。また、金銀粉で絵を描く「蒔絵師」など熟練の技を持つ職人が何人も関わっている。仏壇・仏具職人になるには、伝統工芸の専門学校で学んでから職人に弟子入りしたり、工房で働いて技術を身に付けるのが一般的。手先が器用な人はいっそう適性がある。

「仏壇・仏具職人」について詳しく見る