【シゴトを知ろう】仏壇・仏具職人 編

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【シゴトを知ろう】仏壇・仏具職人 編

2017.01.04

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】仏壇・仏具職人 編

ご先祖様や亡くなった親族を祭り、仏様を拝むためにある仏壇。日本の仏教には多くの宗派があって、仏壇の材質や形、仏壇に祭る仏具の種類などは宗派によってさまざまだといわれています。
今回は、仏壇に安置するお位牌を作る職人として活躍されている照屋翔士(てるやしょうじ)さんにお話を伺いました。

この記事をまとめると

  • 職人技が求められる仏壇・仏具作り。扱う金箔の厚さは、1万分の1mm!
  • おばあちゃんの一言をきっかけに、音楽から伝統工芸の世界へ
  • 反対されたミュージシャンになる夢。チャレンジしたからこそ、今がある

職人の世界は分業制。プロが集まって一つのものを作り上げる

Q1. 仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい

沖縄にある仏壇や仏具を作る会社で、お位牌(※1)を作る職人をしています。ご先祖様を大切にする民俗信仰に厚い沖縄では、先祖代々の名前を刻めるようになっているので、他の地域よりも少しサイズが大きめなのが特徴です。
お位牌を作る工程は12あり、作業工程ごとに専門の職人が分業で行っています。一つのお位牌を作るのに10名ほどが関わりながら、およそ3〜5カ月間かけて作り上げます。

木材の外郭を作り文様を彫刻する「木地師(きじし)」、漆を塗る「塗師(ぬし)」、そして沖縄独特の文様をつける技術を持った職人などがいて、私は「箔押師(はくおしし)」として、文様に金箔を押す工程を担当しています。金箔を貼ることを私たちの世界では「押す」と言います。
沖縄独特の「堆錦(ついきん)」(※2)という技法で作られた立体的な文様に塗料を塗って、0.1ミクロン(1ミクロンは1,000分の1mm)という薄い金箔を一枚一枚押してはめ込みます。また、組み立てられたものの最終チェックも行います。

<一日のスケジュール>
03:00 起床~制作(自宅で作業、合間に調べものなど)
06:00 子どもの世話
13:00 制作(自宅で作業、合間に調べものなど)
16:00 作業終了


※1 お位牌(いはい):亡くなった人の霊を祭るため、仏壇に安置される木の板。戒名や亡くなった年月日などが記されている。

※2 堆錦(ついきん):立体的な文様が特徴な沖縄漆器伝統の加飾技法の一つ。


Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?

文様の金箔が美しく輝くには、均等に金箔を押す精密さが必要で、塗料が乾ききる一歩手前を見計らって貼り付けします。それがうまくできて「いい仕事」ができたときはうれしいです。
私は現在、自宅で作業をしています。期限までにきちんと納品できれば、自由に生活スタイルを計画できますので、子どもたちと一緒に過ごす時間が多く持てることもうれしいですね。


Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?

工芸の技術は、分かる人が見れば分かるのだと思いますが、私が今勤めている会社は漆器づくりの中でも仏壇・仏具に特化しているという特徴があるため、なかなか評価をいただきづらい面があります。
また、自宅で作っているため、お客さんと直接関わる機会がなく、反応が見えないことが残念です。反応が見えるとやりがいにつながりますからね。

学生時代の夢はミュージシャン! 共通点は「どうやって自分を表現するか」

沖縄のお位牌。沖縄ではご先祖様を大切にし、お位牌を大事にする

沖縄のお位牌。沖縄ではご先祖様を大切にし、お位牌を大事にする

Q4. どのようなきっかけ・経緯でこの仕事に就きましたか?

私がこの世界に入ったのは21歳の時です。もともとはミュージシャンを志していて、18歳の頃に上京して、アルバイトをしながらライブをして過ごしていました。
3年ほどたったある時、体調を崩して沖縄に療養のために帰省した際に、今の会社で営業職に就いていた祖母から「やることがないのならやってみないか?」と誘われたことがきっかけです。ものづくりは好きだったので、おもしろそうかなと思いました。


Q5. 専門学校では何を学びましたか?

高校を卒業した後は東京の音楽の専門学校に通っていましたが、バンドをやることが決まってからは行かなくなりました。
沖縄に帰ってからは、県が運営する沖縄の伝統工芸について無料で学ぶことのできる学校に1年間ほど通って、漆器製造の全体の流れと漆の特性について勉強しました。その後、今いる会社に入りました。


Q6. 高校生のとき抱いていた夢が、現在の仕事につながっていると感じることはありますか?

中学生の頃から「将来はミュージシャンとして売れてやる!」と思っていました。その頃は職人になるとは考えていませんでしたが、音楽も物作りも「これを作るにあたって自分をどう表現していこうか」という姿勢は変わりません。
最近は、熟練した技術を身に付ける「職人」という立場を超え、新しく物事を起こしていきたいという気持ちも高まっています。

何かに没頭した経験は、他のことにも応用が利く

Q7. どういう人が仏壇・仏具職人に向いていると思いますか?

地味にコツコツと積み重ねられるタイプの人が向いていると思いますね。


Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします

「やりたいことがあるなら、やれ!」ということです。みなさん、好きなことには没頭し、集中できますよね。その集中の「方法」は、他のことにも応用が利くものです。
好きなことをとことんやろうとすると、周りから「それでいいの?」と言われてしまうことがあると思うけれど、気にせず突き進んでほしいです。

私もミュージシャンという夢に向かってチャレンジした時、周りから反対しかされませんでした。でも、今でも素直に「やってよかった」と思っていますよ。何事も後で後悔しないようにしましょう!
また、そこで出会った人や知識は、後の人生に何かしらの形でつながってゆくものです。今の妻と出会えたのも、音楽のつながりなんですよ。


「個人的には、仏壇という文化自体が若者のライフスタイルに合わなくなってきているのかなと感じることも。形にこだわらずに、考えていきたいですね」とおっしゃっていた照屋さん。伝統を継承するだけではなく、工夫して発展させていくことにも意欲を持たれているようでした。
木材の加工や漆器が好きな人はもちろん、日本の文化を愛する人や伝統を受け継ぎ、守っていくことに興味のある人は、職人として生きる道について考えてみてはいかがでしょうか。


【profile】照屋仏具センター 照屋翔士(てるやしょうじ)

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「仏壇・仏具職人」
はこんな仕事です

日本の伝統工芸の一つである仏壇や仏具。その製造工程は分業化され、それぞれ専門の職人が手掛けている。たとえば、京都伝統の京仏壇の場合、外郭を木材でつくる「木地師」、装飾となる動物や花を彫る「彫師」、金具をつくる「錺屋(かざりや)」、外郭に漆を塗る「塗師(ぬし)」。また、金銀粉で絵を描く「蒔絵師」など熟練の技を持つ職人が何人も関わっている。仏壇・仏具職人になるには、伝統工芸の専門学校で学んでから職人に弟子入りしたり、工房で働いて技術を身に付けるのが一般的。手先が器用な人はいっそう適性がある。

「仏壇・仏具職人」について詳しく見る