【シゴトを知ろう】味噌職人 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】味噌職人 ~番外編~

2016.12.08

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】味噌職人 ~番外編~

味噌職人・井上千重(ちえ)さんへのインタビュー番外編。最近は若い世代の親子連れが味噌作り体験に訪れるなど、手作り味噌に注目が集まっているんだとか。
「スーパーの棚に並んでいる味噌と、手作り味噌には決定的な違いがある!?」など、味噌作りの裏側について伺いました。

この記事をまとめると

  • 冷蔵コーナーにある味噌と常温の陳列棚にある味噌、その違いは「糀」にある
  • 糀の大敵は雑菌! 着るものは清潔に。汗をかいたらすぐに着替える
  • 味噌や糀に興味を持つきっかけはさまざま。作る過程を知ることは、食の安心・安全につながる

味噌って、本来は賞味期限が無いもの!?

初めは米味噌、麦味噌の2種類。現在では9種類の味噌を扱っている

初めは米味噌、麦味噌の2種類。現在では9種類の味噌を扱っている

――一般の人はあまり知らない、味噌に関する常識ってありますか?

本来、味噌には「賞味期限」は無いということですかね。
もちろん、一般のスーパーで売られているような味噌の場合は別です。常温の棚に陳列できる味噌の多くには、それなりの賞味期限というものが発生します。

私たちが作っている無添加で天然醸造の味噌は、「酵母がそのまま生きている」状態です。なので、常温で陳列してしまうと酵母の働きがそのまま続くため、味噌を入れている袋や容器が発酵の際に出るガスでいっぱいになってしまうので、冷蔵の棚に陳列していただくことで発酵を抑えるようにしているんです。

食品衛生法という法律があるので「賞味期限」は設定させていただいていますが、本来酵母が生きて活動し続けている味噌であれば、発酵食品ですから、賞味期限というのはそこまで厳密に気にしなくてもいいんです。


――スーパーで味噌が並んでいる棚って、ほとんどが常温ですよね?

酵母が生きている味噌で、常温の棚に陳列できるものもあります。そういったものは、パッケージが膨張しないように「吸気口」が設けられていて、発酵する際に出るガスをパッケージから逃がすようにしています。

ただ、常温の棚に並んでいる多くは、加熱殺菌することで雑菌だけではなく糀自体も駄目にしてしまったり、酒精といわれるアルコールを添加することで酵母の活動を止めてしまったりして発酵しないものとなっているので、賞味期限が発生するんです。

本当に安心・安全なものを作ろうとすると、時間も手間もお金もかかるものです。その中で、安く大量に味噌を流通させることができているのにはそれなりの理由があるという部分は、多くの方が知っておいた方がいいのかなと思います。

「糀」の力で花粉症が改善?

――仕事をされる上で制限されることってあるんでしょうか?

糀や味噌の仕込みでは動くことが多いので、動きやすい服装というのは大前提ですね。
また、糀には雑菌が大敵なので、服装は常にきれいにしておく必要があります。人がかく汗には雑菌が含まれているので、汗をかいたらすぐに着替えることができるようにしないといけない点は、ある意味では制限かもしれません。


――作業している中で感じる「糀」の力ってありますか?

糀が直接関係しているのかは、詳しく調べていないので分からないですけど。軽い風邪とかだと、作業しているうちに症状が軽くなって、あっという間に治ってしまいますね。
あと、前に働いていた人で、花粉症がものすごくひどかった人がいたんです。その人は、「作業をしていると症状が軽くなる」と言っていました。実際、作業している間は花粉症の症状もほとんど出ない感じで。もしかすると、これも糀の力なのかなとは思いました(笑)。

「本当の味噌の味」を子どもたちに味わってもらいたい

――無添加や天然醸造の味噌の需要が増していると実感されることはありますか?

自分で味噌を作りたいというお客様は非常に増えていますね。そのための専用キットも販売させていただいています。
ただ、味噌を作るには、大豆を長時間煮なくてはいけないという手間もかかるので、初めて作るという方には直接お店に来ていただいて、こちらで煮たものをご用意させていただくという形で味噌作りをしていただいています。

最近は美容やダイエットなどで甘酒が注目されていたり、塩糀やしょうゆ糀を使った料理も広まったことで、糀を買いたいというお客様も多くいらっしゃいます。

味噌作りの体験には、お子様連れの方も多くいらっしゃいます。特に若いご夫婦の場合は、お子さんが生まれて初めて、食について考えるようになるという方も多いですね。
やはり、お子さんが口にするものだから、どのように作られるのか知った上で、より安心・安全なものを食べさせてあげたいという想いの親御さんが増えているんじゃないでしょうか。


――「食の安全」という意味でも注目されているんですね。

私自身も子どもができたときに感じたことでしたが、一般に流通しているものってなかなか作る過程を自分の目で確かめるということはしませんよね? そこを信用し過ぎてしまうことには怖さというのもあって。
「発酵の力でできた本当の味噌の味」というのを子どもたちには味わってほしいと思っているので、近所の幼稚園や保育園の子たちに定期的に来てもらうことで、味噌がどうやって作られるのかを知ってもらえればと取り組んでいます。


味噌は発酵食品なので、本来は賞味期限がないというお話は意外でした。
「自分たちが口にするものがどのように作られているのか?」という部分を改めて調べてみるというのも、将来の仕事選びの参考になるかもしれません。もし、伝統食品や食の安心・安全といったことに関心があるのなら、味噌作りを経験し、自分で作った味噌を味わってみるのもいいかもしれませんね。


【profile】有限会社 井上糀店 店主 井上千重(ちえ)
手作り味噌と糀の専門店「井上糀店」 
http://www.komemiso.com/

この記事のテーマ
食・栄養・調理・製菓」を解説

料理や菓子などの調理技術や、栄養や衛生などに関する基礎知識を身につけます。職種に応じた実技を段階的に学ぶほか、栄養士などの職種を希望する場合は、資格取得のための学習も必須です。飲食サービスに関わる仕事を目指す場合は、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、酒や食材に関する幅広い知識も求められます。

「食・栄養・調理・製菓」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「味噌職人」
はこんな仕事です

味噌汁などに使われる調味料、味噌をつくるのが仕事。主な原料は米、大豆、麦と3種類あり、それぞれ製法も異なる。仕込みに麹と塩を混ぜ、発酵・熟成させる工程の一つひとつが仕上がりを決定付けるため、気配りや熟練の勘を要する。一人でやる作業ではなく、職人同士が協力し合う分業体制のため、協調性やコミュニケーション能力も求められる。働き先としては、機械化された製造を管理するメーカーや、素材と向き合い手づくりにこだわる蔵元などが一般的だ。

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