【シゴトを知ろう】書道家 ~番外編~

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【シゴトを知ろう】書道家 ~番外編~

2016.12.05

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】書道家 ~番外編~

礼儀や伝統が重んじられるイメージの書道の世界。実際には、どんな人が書道家として活躍しているのでしょうか? 若手書道家としてまい進している西村裕紀也さんに、書道家が普段気を付けていることや書道界にまつわるお話などを教えていただきました。

この記事をまとめると

  • 書く言葉、文字の背景や歴史もきちんと勉強することも、書道には欠かせない
  • 書道はスポーツに似ている!? 書道家は意外と汗をかき、力を使う仕事だった
  • 書道家にとって何物にも代え難い喜びは、「書けなかったものが書けるようになること」

字が下手でも筆文字初心者でも、書道は楽しめる

――書道家として普段から気を付けていることはありますか?

私が専門としている「かな」は、平安時代以降の歌や句を題材にすることが多いので、その歌、句が詠まれた歴史的な背景などは積極的に勉強するようにしています。知識や方法論などで理論武装することも、多少は必要だと考えているので。

また、生徒に教える際はあまり派手な格好はしないように心掛けています。甚平は書道家としてのユニフォームのような感覚で着ています。もちろん動きやすいからというのもありますが、生徒への視覚的な影響を最小限にしたいからなんです。


――書道を習いにくるのは、やはり字が下手な方が多いのでしょうか?

必ずしもそうではありませんが、字にコンプレックスを持った方は多いですね。また、初心者の方も多いです。そういう方は変な癖がついていないので、かえって教えやすくグングン伸びます。
私の稽古では毎回、芳名帳(※)に自分の名前や住所を書いてもらうようにしています。芸術書ももちろん素晴らしいですが、普段の字をきっちりと書けるようになってほしいと思っているので。

※芳名帳(ほうめいちょう):結婚式などの受付で、出席者の氏名や住所を記載するための帳簿。

書道は、意外にもラフでハードな世界!?

紙を床に置いて書道をする西村さん。想像以上にカジュアルなスタイル

紙を床に置いて書道をする西村さん。想像以上にカジュアルなスタイル

――書道家のみなさんは、いつも畳の上で正座をして書くのでしょうか?

いえ、実はそんなことはないんです。一般の方が思い描くようなかしこまったスタイルばかりではありません。立って書くこともありますし、筆の持ち方もさまざまです。

また、意外だと言われることが多いのですが、書道はスポーツに通じるところもあります。
厳かにスラスラと書いているように見えても、かなり力を入れて書いていますし、グッと力をためるので奥歯がボロボロになる人もいます。呼吸を止める瞬間、吐く瞬間があって、ぜいぜいと息が上がったり大汗をかいたりもするんですよ。


――書道家の方の趣味は、やはり書道なんですか?

そうですね。書道に通ずる詩歌や漢詩、それから歴史好きな人が多いかもしれません。
また、私の知る限りでは音楽好きな人が多いです。書道には音楽と共通性があるのだと思います。書道における言葉は、音楽における楽譜なのではないかと思っています。
同じ楽譜をどう演奏するかは人によって異なるように、書道でも同じ言葉をどう表現するかはさまざまです。どんな紙にどんな墨で書くのかなども、その人の感性によります。それが書道のおもしろさなんです。

知名度や収入だけでは測れない充実感こそ、書道家の醍醐味

書道と音楽には通じるものがあると話す西村さん。英文の歌詞を筆で書くこともある

書道と音楽には通じるものがあると話す西村さん。英文の歌詞を筆で書くこともある

――書道家は上下関係が厳しい印象ですが、横のつながりなどはありますか?

若手同士が集まることはあります。若手と言っても、昭和30年以降の生まれが書道界では若手だったりするのですが……(笑)。
集まるとお酒も飲んで世間話もしますが、話題の中心はやはり書道のことが多いですね。お互いの作品の批評をしたりもします。制作になると自分の世界にこもりがちなので、同士とそれぞれの書道感を語り合うことは、いい刺激になっています。


――書道家にとっての「出世」とはどのようなことを指すのでしょうか?

団体に属している場合は、受賞を重ねて役職に就くというのが分かりやすいキャリアパスかもしれません。団体に属さないフリーの場合は、メディアにいかにたくさん出るかということが一つの指標になるでしょうね。
また、指導者としてはたくさんの生徒を持ち、その中からいい書道家が育っていくことはうれしいことです。

ただ、役職や知名度、金銭とは別の軸として、書けなかったものが書けるようになったときのよろこびは、何物にも代え難いと思っています。
一つの作品を作るのに半年くらいかけることもありますが、「これはいけた」と自分でも納得ができ、かつ、先生にも褒められたときは、涙が出るくらいうれしいです。そうした瞬間のために、これから先も書き続けるんでしょうね。



書道の世界に対して敷居の高さを感じていた人も、西村さんのお話を聞いて親しみさえ抱いたのではないでしょうか。日本古来の文化を受け継いでいくという誇りと、それゆえの厳しさはありながらも、新しいことにも柔軟性を持って取り組んでいこうという懐の深さを感じずにはいられません。
私たちの日常と切り離すことのできない文字を扱う書道の世界。肩の力を抜いて、気軽にのぞいてみてはいかがでしょうか。

【profile】書道家 西村裕紀也

写真提供:(2枚目)清水かおり

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「書道家」
はこんな仕事です

歌人や高僧など達筆家が高く評価されてきた通り、書とは毛筆で文字の美しさや力強さ、精神を巧みに表現する世界。書道家は作品出展だけでなく、審査員として活躍する人も多い。和風書体ロゴ、招待状の筆耕など商業書道の仕事もある。各書道団体の検定や日本書写技能検定協会が行う「毛筆書写技能検定試験」があり、日本書家協会が行う「全国書道教師資格認定試験」で師範に合格し、書道教師の資格を得ると教室で教えることも可能。年齢層の厚い世界だが、最近は書道パフォーマンス甲子園なども注目され、アートとして新しい表現に挑む書道家もいる。

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