【シゴトを知ろう】指揮者 編

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【シゴトを知ろう】指揮者 編

2016.11.16

提供元:マイナビ進学編集部

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【シゴトを知ろう】指揮者 編

オーケストラで、指揮棒を振る「指揮者」。テレビなどで見かけて、カッコイイと思う反面、「指揮者がいることに、どういう意味があるの?」と不思議に感じている人もいるかもしれません。

そこで、今回は「名古屋フィルハーモニー交響楽団」の指揮者であり、また、「神奈川フィルハーモニー管弦楽団」では常任指揮者として活躍している川瀬 賢太郎さんにお仕事内容や魅力について伺いました。

この記事をまとめると

  • 演奏後、お客様が喜んでくださったときは、今までの苦労が報われる
  • 卒園アルバムの「将来の夢」には、「指揮者」と書いた
  • 指揮者の仕事では、「違う意見をおもしろい」と思えるかどうかが大事

指揮者は、レストランの「料理長」のようなもの

Q1. 仕事概要を教えて下さい
 
まず「指揮者」の仕事は、例えるならレストランの「料理長」のようなものです。「今日は、こういうお客様がいらっしゃるから、こんな料理をお出ししよう」「味付けはこうしよう」というように、音楽全体の方向性を決めていきます。その上で、「オーケストラのプレイヤー(演奏者)」という料理人を先導し、まとめあげていきます。プレイヤーの腕を生かし、戦術を考えるという意味では、「サッカーの監督」にも似ている仕事かもしれません。

実際に、指揮をするのは「リハーサル」と「コンサートの本番」です。リハーサルは大体3日間かけて行われるので、帰宅した後はその日の演奏を振り返り、副指揮者と打ち合わせをして、傾向と対策を練り、本番へと生かします。また、リハーサルや本番がないときは、ひたすら楽譜を読み込んでいます。
 
 
Q2. 仕事の楽しさ・やりがいは何ですか?
 
指揮者の仕事では、「楽譜を読み込む」時間が、1年を通して1番長いです。つまり、指揮者は1人っきりでいる時間のほうが長いんです。でも、実際にオーケストラで指揮をするときには、音楽を語り合える仲間たちがいて、本番になればお客様も来てくださいます。1人の状態から、だんだん人数が増えてくるんですね。孤独な指揮者からすると、人と時間を共有できることは、何事にも代えがたく、幸せに感じます。また演奏後、お客様が喜んでくださったときは、今までの苦労が報われる瞬間です。
 
 
Q3. 仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?
 
僕たちが演奏している楽曲の作曲者、ベートーヴェンやモーツァルトは既にこの世にいません。そのため、どういう意図で曲を作ったのかを聞くことができないのです。自分のイマジネーションを働かせて、曲の解釈をしなければいけないのは、おもしろいところでもあり、苦労するところでもあります。

また、オーケストラは大所帯で、一人ひとりの考え方が違います。例えば、「モーツァルトの楽曲」に対するイメージも一人ひとり違うわけです。時には、オーケストラの半分以上が自分とは違う解釈をしているということもあるかもしれません。それでも、指揮者はオーケストラを一つの方向にまとめあげていかなければいけないんです。そこで、「この人の言うことだったら、聞いてもいいかな」と思ってもらえるように配慮する必要があります。ただ良いことを言っているだけでは、人は付いてきてくれないので、非常に気を遣います。

大学で「よく考える」ことを学んだから、指揮者になれた

Q4. どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?
 
僕は幼稚園のころには、もう指揮者になりたかったらしく、卒園アルバムの「将来の夢」の欄にも「指揮者になりたい」と書いていました。父がクラシック好きで、家ではCD・レコードが常にかかっている状態だったので、クラシックは生活の一部で、当たり前のものとして存在していました。だから、僕自身もクラシックは好きでした。もし、「勉強」として音楽に出会っていたら、僕は指揮者になっていなかったかもしれません。

小さいころはピアノを習っていて、高校は「芸術コース」のある学校に進学しました。指揮科はなかったので、そこでは「クラリネット」を専攻(専門的に学ぶこと)していました。高校の途中からは、音楽大学の先生に指揮を習い始めて、その後、音楽大学で指揮を専攻し、今に至ります。
 
 
Q5. 大学では何を学びましたか?
 
大学では、「よく考える」ことを学びました。指揮の授業では、先生に「良い」「悪い」と言われるのですが、具体的にどこがいいか・どこが悪いかは、絶対に教えてもらえませんでした。一見、不親切にも思われるかもしれませんが、僕はそうではないと考えています。結局、社会に出たら自分で物事を考えなければいけません。自分が何を考えていて、どういう人間なのか、ということについても突き詰めなければいけません。僕は4年間、ひたすら考え通しました。だから、指揮者になれたのだと思います。

また、経験がないなりに「コンサートをすることによって、どういう効果がもたらされるのか」「将来的に、何につながっていくのか」といったことを考えられて、ビジョンを持てていたことが、僕が29歳で常任指揮者になれた理由だと考えています。これも、大学のときに「よく考える」ことを学んだおかげです。
 
 
Q6. 高校生のときにはどんな夢を抱いていましたか?
 
もちろん、高校生のときには指揮者になりたかったです。そのころから、本格的に指揮を習い始めていました。

音楽と「良い友達関係」を築いていくことが大事

Q7. どういう人がこの仕事に向いていると思いますか?
 
オーケストラは、シンプルにいえば「社会の縮図」みたいなものです。一人ひとり、違った考えを持っています。そして、みんな「良い音楽をつくろう」としているが故に、時には考え方が対立してしまうこともあるわけです。そうなったときに、「自分と考え方が違う。だから、キライだ」と思うのか、「自分と考え方が違う。だからこそ、おもしろい」と思うのか。僕は「だからこそ、おもしろい」と思える人しか、指揮者になれないと考えています。
 
 
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
 
音楽の勉強をするのはもちろん素晴らしいことですが、それだけではなくて、「高校生の年齢でしかできないこと」を大事にしてほしいと思います。例えば、「初めて恋愛をするときの胸がうずくような気持ち」といった、その年代でしか味わえない感覚を大切にしてほしいです。将来、音楽家になったときに、感情の引き出しは必ず武器になります。

私にとって、音楽は友達です。みなさんにとっての音楽も、人生においていつもそばにいてくれる親友であってほしいと思います。音楽の道を目指すと苦しいこともありますが、そんな中でも音楽と絆を深めていき、「いい友だち関係」を築いていってほしいです。
 


指揮者は、オーケストラにおいて非常に重要な役割を果たしていることが分かりました。全く違う考えを持った人たちを、同じ方向性へとまとめあげなければいけない指揮者はとても大変な仕事ですが、やりがいのある仕事でもあります。将来、指揮者になろうと思っている人は、ぜひ音楽と「いい友だち関係」を築いてくださいね。

【profile】川瀬賢太郎
【取材協力】神奈川フィルハーモニー管弦楽団
http://www.kanaphil.or.jp/

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「指揮者」
はこんな仕事です

合唱団やオーケストラの公演で、テンポやタイミングなどを指示してメンバーをまとめる。楽器をマスターしていることはもちろん、オーケストラであるならば壇上に上がる全ての楽器や演奏者の状態を把握していなければならない。音楽史や音楽理論も踏まえて、譜面に書かれた音楽を自分がどのように観客に伝えたいのかを考慮。テンポや音に関しては正確さが求められるが、曲としての表現は指揮者が担っている。メンバーとのコミュニケーションを図り信頼されることで、自分の表現したい音楽を伝えることができる。教養や人柄を磨くことも怠れない。

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