「今ある職の多くはなくなっていく」――工学博士・坂村健さん

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「今ある職の多くはなくなっていく」――工学博士・坂村健さん

2016.11.21

提供元:マイナビ進学編集部

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「今ある職の多くはなくなっていく」――工学博士・坂村健さん

この記事をまとめると

  • 倫理学の思考実験である「トロッコ問題」とAIの関係について会場の大学生と一緒に考える
  • 「人工知能の発達により人間の職業・生活は大きく変わる」
  • 「どんな分野においても、まずはコンピュータとネットのことを知らないとできない」

家電製品や車など、あらゆるモノにコンピュータが仕込まれている現在。それによっていつでもどこでも、また誰でも情報を扱える時代になってきているといえるでしょう。

10月11日に実施された、現役大学生とAIやテクノロジーに関連した著名人が徹底討論する「FMフェスティバル2016」。3限目の授業を担当したのは工学博士・坂村健さん。「IoT(さまざまな物がインターネットに接続され、情報交換することで互いに制御する仕組み)」が非常に重要だという坂村さんが、集まった学生と人工知能(AI)がある未来について語り合いました。

AIだから合理的判断ができるということではない

「線路を走っているトロッコが突然制御不能になり、このまま進めば前方にいる5人の作業員が轢かれて死んでしまう。この時、ポイント切り替えで別の線路にいる人1人を殺すか、橋の上の太った男性1人を線路に落とせば5人は助かる。もしこの状況でAIならどうすべきか?」。

坂村さんは倫理学の思考実験である「トロッコ問題」の1つを学生たちに投げかけます。

会場からは5人が助かるなら1人は死んでも仕方ない、という意見も出ながらも、人をAIが能動的に「落とす」ことには反対という人も多くいました。坂村さんはこれに対して「統計上では、自分がやらなければいけないときも、ポイント切り替えならいいが、突き落としはやりたくないという人が多い。人の判断も結果でなく、自分の関与の度合いで変わる程度のものだ。AIだから合理的判断ができるということではない」と話しました。

専門家ですら予測ができない、これからのAIと人間の未来

講義を行なう坂村さん

講義を行なう坂村さん

学生に対してAIに関する質問をした後、「今から十数年で社会が大きく変わる、それだけは間違いない」と坂村さんは会場に訴えます。ただ、どう変わっていくのか、それは情報通信の専門家でもわからないとも。確かなこととしては「今ある職の多くはなくなっていく」と言います。

そこでの坂村さんの意見は「そこまでいくならもうAIに全部やってもらうのもありだと思う」というもの。「AIは給料をもらっても消費をしないから経済は回らない。仕事をAIに任せて、人間は何もせず好きなことだけして暮らす、という未来もあるかもしれない」というのです。
そして坂村さんが「それは幸せなことだと思う?」と会場に問いかけると、結果はYESとNOで半分。「これは答えの出ない問い」とした上で、「堅実的な仕事を全部AIがやってくれて人間が暇になったら、僕は人間にイノベーションで暇を潰してほしい。中世の貴族が暇つぶしとして芸術や科学を開花させたように、日々いろんなことにチャレンジしてみたらいいと思う」と坂村さんの見解を話してくれました。

「どんな分野にでもコンピュータとネットのことを知らないと」

授業を終えた坂村さんに感想を伺いました。

――今回、学生の意見を聞いてみていかがでしたか?

来場していた学生さんは一生懸命でとても熱心でしたね。みんな、それぞれ考えて意見も持っていたのがよかったと思います。


――今回は大学生と意見を交わしましたが、読者の高校生のみなさんが今からにやっておくべきことはなんだと思いますか?

自分がどう生きていくのか、それを考えることですかね。学校で教えられることは、やはり限られています。授業で教えられていないこともたくさんある。だからこそ、学校の勉強だけにとらわれず、視野を広くして積極的に世界を知ることが大事だと思います。


今はネットもあって、コンピュータがベースとなっているでしょう。昔と全然違います。マーケティングをやるにもデザインをやるにも、どんな分野においてもまずはコンピュータとネットのことを知らないとできない。まずは自分のなかの基礎として学んでおく必要があるのではないでしょうか。


コンピュータと一切関係ない内容でも、もはや全く関与してないとは言い切れない時代。来年には、プログラミングを学んだ上でビジネスやデザインといった専攻に進んで行く、大学で情報連携の新学部を設立するという坂村さん。これから先情報通信技術はますます発達していきます。正解はなくても、自分なりの考えを模索することは重要だといえるでしょう。


《番組概要》
『三井住友フィナンシャルグループpresents FMフェスティバル2016 未来授業~明日の日本人たちへ~』

AIやテクノロジーの進化は生き方・働き方をどう変えるのか?
落合陽一・高桑早生・坂村健・石黒浩・三浦豪太×大学生
公開授業の模様を放送!番組総合司会は茂木健一郎×高橋みなみ!

2016年11月3日(木・祝)16:00~19:00放送

この記事のテーマ
情報学・通信」を解説

情報通信産業には、通信業、放送業、情報サービス業、インターネット付随サービス業、映像・音声・文字情報制作業の5分野があります。近年は各分野の垣根が取り払われつつありますが、なかでも注目されているのが、インターネットに代表されるコンピュータを介した情報通信工学でしょう。高度に情報化が進んだ現代において、安全保障や経済政策はもちろんのこと、日常生活に至るあらゆるシーンで必要とされる、活躍の場の広い学問です。

「情報学・通信」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「情報工学」
はこんな学問です

情報工学の研究対象は、コンピュータ端末のハードとソフトに始まり、情報通信を数学的に考察する情報理論、さらにさまざま通信技術、マルチメディア技術に及ぶ。研究する分野も幅広く、コンピュータを設計してコンピュータシステムを構築する「計算機工学」、情報システムの設計・プログラミング・データベースなどを扱う「ソフトウェア」、現実の問題をコンピュータと数学を用いて解決する「数理情報工学」などがある。

「情報工学」について詳しく見る