ヘレン・ケラーがモデル? 東京・三鷹にあるカラフルな家の中身は!?

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ヘレン・ケラーがモデル? 東京・三鷹にあるカラフルな家の中身は!?

2016.10.28

提供元:マイナビ進学編集部

ヘレン・ケラーがモデル? 東京・三鷹にあるカラフルな家の中身は!?

ユニークかつ印象的な造りで、カラフルな配色がほどこされた住宅「三鷹天命反転住宅 イン メモリー オブ ヘレン・ケラー」。中をのぞけば、でこぼこの床にまん丸の部屋、ガラス張りのシャワールームなど、見たこともないような設備の数々が設置されています。

この不思議で魅力的な住宅の運営に、建設段階から関わっている「荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所」「(株式会社コーデノロジスト)」の本間桃世さんより、住宅のコンセプトなどを伺いました。

この記事をまとめると

  • 「三鷹天命反転住宅」は「身体にまつわる新しい発見」をもたらす住宅
  • 常識にとらわれず、果敢に挑戦することが大切
  • アーティストが住宅に込めた思いを知る

暮らす人の身体が主役の住宅

――まず、「三鷹天命反転住宅」のコンセプトを教えてください。

この住宅のもっとも重要なコンセプトとして、「身体を中心にして設計された住宅」というものが挙げられます。外観の美しさや利便性だけにこだわるのではなく、住まいの中心には常に自分自身や家族などがいる、という点に注視して造られているんです。ここは、私たちに身体の使い方を教えてくれる住宅だと考えています。

――「身体の使い方を教えてくれる住宅」とは? 具体的にどのようなことを教えてくれるのでしょう?

例えば、この大小さまざまなでこぼこがある床。何も考えずに歩いたとしても、自然とでこぼこの「でこ」の部分に、足の土踏まず部分を合わせて歩いてしまうんです。
また部屋の中はとてもカラフルですが、特定の色が気になってしまう、ということはありません。実はこの部屋は、どの位置に立っても一度に6色の色が目に入るようにカラーリングされています。一度に6色以上の色が視界に入ると、人間の目はよくできているもので、色の強弱を自然と調節してくれるんです。つまり、どれかの色が突出して見える、ということがなくなるんです。

このように、暮らすうちにこれまで得ることのなかった自分自身の身体に対する“気づき”を与えてくれるのが、この住宅なんです。建物自体が視覚的にとても特徴があるので、一見、アーティストの思いつきで造られた住宅かのように見えるかもしれませんが、実は一つ一つの要素に重要な意義が散りばめられているんですよ。

「健常者の方が優れている」という考えを否定したい

――この家の設計を手がけられた故・荒川修作さんは、どのような方だったのでしょう?

いい意味で、常識にとらわれない人でした。まだトライすらしていないのに「どうせできない」と決めつけていると、とても憤る人です。今まで自分が身につけてきた常識を手放して取り組めば、新しいものが生み出せるはずだと、常々言っていました。

例えば、各階の廊下に設置されている火災報知器。一般的な赤色で統一されているのではなく、緑や黄色、さまざまなカラーが塗られています。火災報知器を設置する際、それまで報知器は防災法の関係などで、赤にしかできないと私たちは思い込んでいたのですが、荒川はそんなはずはない、聞いてみないと分からないぞ、と言い張って。半信半疑で問い合わせてみたところ、ランプと警報ボタン部分以外は赤色でなくても問題ない、という回答があったので驚きました。

――建設当時、本間さんは荒川氏の意志を伝える役割りを担っていたわけですから、施行業者との板挟みになり大変だったこともあるのでは?

荒川はニューヨーク在住でしたので、現地から電話やファックスで具体的な要望を伝えてくるのですが、それを業者の方にそのままお伝えすると、「そんなことは無理だ」と言われることもありました。そしてその場合、荒川は決まって、方法は必ずあるはずだ、絶対にやってくれ、と言うんですね(笑)。

でも荒川がそう主張するのは、住宅を見栄えのいいものに仕上げたい、といったアーティストのエゴからではなくて、暮らす人の身体への作用を考えてのこと。暮らす人の身体にとって少しでもいい住宅を造りたい、という気持ちがあってのことなので、私たちは安心して業者の方と交渉することができました。


――荒川氏と、彼のパートナーであったマドリン・ギンズ氏亡き後ですが、彼らの意志を引き継ぎ、これからどのような事業を行いたいですか?

この住宅の名前に含まれている「天命反転」という言葉には、困っている人たちの運命を変えたい、という彼らの意志が込められています。よく荒川は、ホームレスやニートなど、社会的に弱い立場に置かれている人たちにこの家に住んでもらい、自信の境遇を好転させてほしい、と話していました。また、同じく名前にあるように、この住宅はヘレン・ケラーをモデルにして造られています。

なぜヘレン・ケラーをモデルに選んだかというと、健常者である私たちの方が優れている、という私たちの頭のなかにありがちな思い込みを否定したい、という考えがあってのこと。これからホテルやビルディングを建設する構想がありますが、それらの建設物を通して彼らの意志を広く伝え、世の中を少しでも変えていければ、と思います。

身を置いているだけでも楽しい気分になれる「三鷹天命反転住宅」ですが、確固とした狙いや意志が込められた住宅であることが分かりました。実際に住宅を訪れて床を歩き、ひとつひとつの設備に触れてみれば、身体にまつわる新たな”気づき”があるとともに、荒川氏とギンズ氏のさまざまな思いが伝わってくるはずです。


【profile】
「荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所」(「株式会社コーデノロジスト」)
代表取締役社長 本間 桃世

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「そのほかのデザイン・アート・写真系の職業」
はこんな仕事です

デザイン・アート・写真系の職業は、表現力や個性に関わるものであり、自由度が高く非常に裾野が広い。たとえば、コンビニの看板やキャンペーンのノボリ、店内のPOPやレシートですらデザインの一つである。アートは、買い手がいなければ職業にならないが、Tシャツや車のボディー、スケートボードに独創的なイラストを描いて人気を得ているアーティストもいる。ファインアートの世界も自由闊達で、広い世界が活躍のステージだ。写真も被写体の数だけ可能性がある。建築、料理、風景、動物など、それぞれ専門の写真家がいる。

「そのほかのデザイン・アート・写真系の職業」について詳しく見る