【シゴトを知ろう】あん摩マッサージ指圧師 ~番外編~
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あん摩マッサージ指圧師というお仕事について、ランナーに特化した治療院で院長をされている田中友浩さんにお聞きするインタビューの番外編。専門の学校もあるということで、同級生との情報交換なども盛んに行われていました!
この記事をまとめると
- 本来、マッサージをしていいのは「あん摩マッサージ指圧師」の資格を持っている人だけ。
- 常に進化し続ける医学。だからこそ、ずっと勉強し続けなくてはいけない。
- 独立するなら、技術者・経営者両方の目線を持ち合わせておくべき。
国家資格を持っていない人はマッサージをしてはいけない!?
――業界や職務内での、一般人が知らない業界用語はありますか?
基本的に筋肉の名前全般ですかね。
親指の付け根の膨らみ「母指球筋」というのがあるんですけど、この筋肉があったからこそ人間は進化を遂げることができたっていわれている筋肉なんですよ。
――一般の方に言うと驚かれる業界の常識はありますか?
マッサージをしていいのは「あん摩マッサージ指圧師」の資格を持っている人だけということですかね。「○○マッサージ」というものが増えているせいで、最近はそこら辺があいまいになっているようにも感じるのですが、本来は国家資格を持っていない人が医師の指示なくマッサージをすることは認められていないんです。
民間資格としてはあるようですが、純粋な「マッサージ」を受ける時は、きちんと国家資格を持っている方の施術を受けるようにしてください。
大切な商売道具を守るため、あの家事はNGです。
――あん摩マッサージ指圧師には、どのような性格が多いですか?
やりがい重視で、コツコツ真面目なタイプの人が多いですね。意外とお金に対しても無頓着な人が多いというか、自分の技術に対して過小評価してしまう控えめなの人も多いです。
最近は安いクイックマッサージが人気になっていることもあって、そこに合わせてしまっているという人も多い気がします。だから、あまりお金を稼ぐのは上手じゃないタイプの人がちょっと多いかなとは思います。
――業界で働くにあたって、特に意識したり制限されることはありますか?
指は大切な商売道具なので、ボクシングや格闘技はできませんね(笑)。けがなどしないように、自分で包丁を持って料理はしないです。
あとは、人の体に触れますので、自分が媒介して風邪などを拡散してしまわないよう、体調管理は徹底しています。
――業界内の横のつながりは多いですか?
学校の時の同級生とのつながりがありますし、医学は常に進歩していますので、休みの日はセミナーや勉強会に出たりもします。そういう場所で情報交換をしたりもしますし、ランナーさんを診るので、足に関して特化した内容のセミナーを教えてもらうという機会も多くなりますね。
勉強したものがそのまま全て活きてくるというわけでもないのですが、特に30代に入って以降は楽しく勉強できるようになりました。
時には、「上手だ」と評判の方の施術はもちろんですが、「あまり上手じゃない」という方の施術を受けにいったりすることもあります。これは、自分が患者として施術を受けた時、「どういうことをされたら嫌なのかな?」ということを知るためですね。
マッサージ一つにもすごく深い世界が広がっていた
――業務をされてから、事前のイメージとのギャップはどんな部分にありましたか?
自分が始める前に思っていたよりも、すごく深い世界でした。「ただ気持ちよくなってもらうマッサージをしていればいいのかな……」と思っていたんですが、マッサージ一つとっても体調を変えてあげられることもできますし、深いし、思った以上に楽しくやりがいがありました。だから、すごくいい意味でのギャップでしたね。
――業界内ではどんなキャリアパスがありますか?
あん摩マッサージ指圧師という資格だけでは不可能な施術の範囲がありますので、鍼灸師の資格や柔道整復師という資格を取得することによって、可能な診療を広げていくというキャリアパスがあると思います。
出世となると独立ということになるかもしれませんが、独立するにはお店のマネジメントをきちんとできる人というのは大きいかもしれません。
成功するには、自らが施術を行う技術者としての目線に加えて、経営者としての目線も必要となります。もし技術者に集中したい方が独立を考えるのであれば、マネジメントが得意な方と組んで独立するというのも一つの手段ですね。
街を歩いていてふと見かける「○○マッサージ」というお店には、あん摩マッサージ指圧師の資格を持たない人がいるお店も結構あるというのは意外なお話でした。
あん摩マッサージ指圧師の資格だけではなく、鍼灸や柔道整復師の資格も取得することによって施術の幅を広げることができるそうなので、将来の仕事として考えている人は、資格についてもよく調べてみてはいかがでしょうか?
【profile】治療院「RUNART 足の治療院 -駒沢公園-」 院長 田中友浩
この記事のテーマ
「医療・歯科・看護・リハビリ」を解説
医師とともにチーム医療の一員として、高度な知識と技術をもって患者に医療技術を施すスペシャリストを育成します。医療の高度化に伴い、呼吸器、透析装置、放射線治療などの医療・検査機器の技師が現場で不可欠になってきました。専門的な技術や資格を要する職業のため、授業では基礎知識から医療現場での実践能力にいたるまで、段階的に学びます。
この記事で取り上げた
「あん摩マッサージ指圧師」
はこんな仕事です
あん摩マッサージ指圧師は、肩こりや腰痛といった慢性的な身体の症状を、もんだり押したりして血行をよくし、不調を和らげる仕事。勤務地は治療院や介護施設のほか、スポーツの現場や在宅訪問など多岐にわたり、技術を身に付ければ独立・開業も可能。近年肩こりや腰痛を抱えるのは、ある程度の年齢を重ねた人だけでなく、情報機器の普及で若年層にも広がりつつあるため、ニーズは幅広い。最近では美容やリラクゼーションを目的として施術を行う場合もある。
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