【シゴトを知ろう】ラジオ・テレビ放送技術者 編
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みなさんが普段耳にするラジオ。どうやって番組ができているのかご存知ですか? 進行を行うパーソナリティや現場を指揮するディレクターがいるほか、音質を調整するミキサーの手によって、クリアなラジオの音を楽しむことができていているんです。ラジオ放送技術者の中でもミキサーの仕事に関して、東京のFMラジオ局「TOKYO FM」の大村政博さんに伺いました。
この記事をまとめると
- ミキサーは音質や音量を調整するのが主な仕事
- 音楽が好きだったことがきっかけでラジオ業界に入った
- やりたいことは自分から言っていく積極性も求められる
生演奏の音を調整することも
Q1.仕事概要と一日のスケジュールを教えて下さい
ラジオパーソナリティの声を聴きやすく放送に乗せるため、マイクの位置を調整したり雑音を除いたりしています。例えば生放送中にパーソナリティの声のボリュームが大きくなってきたりした場合、即座に調整をかけたりしています。また、番組を滞りなく進行するためにタイムキーパーをしたり、番組内で流すCMなどの調整も行っています。
<木曜日のスケジュール例>
18:00 出勤
19:00~20:00 ラジオ番組『TIMELINE』の仕込み~放送
21:00~24:00 ラジオ番組『SCHOOL OF LOCK!』の仕込み~放送
24:00~26:00 ラジオ番組『鷹の爪団の世界征服ラヂヲ』仕込み~放送
2:30 仮眠
4:30~9:00 ラジオ番組『速水健朗のクロノス・フライデー』の仕込み~放送
10:00 退勤
※生放送やスタジオでの収録などによって勤務時間はかなり変動します。
Q2.仕事の楽しさ・やりがい・魅力は何ですか?
やはり、ラジオを通じて多くの人に発信できる部分でしょうか。基本的にミキサーは人の声の調整をしていますが、たまにバンドなどの生演奏の収録もあります。その場で演奏した音を調整する仕事を任されたときも面白かったですね。
音楽が好きだったことがきっかけだった
Q3.仕事で大変なこと・辛いと感じることはありますか?
より多くの地域の方にクリアな音声でラジオを聞いてもらうために、新しい中継局を立てることがあるんです。そのアンテナを立てる作業も担当しているので、それは体力的にけっこうハードでしたね……(笑)。
Q4.どのようなきっかけ・経緯でその仕事に就きましたか?
大学のときに作曲することがすごく好きで、地下アイドルの方に曲を提供したり、プロデュースを行っていました。そういうことを仕事でもできたらいいなと思ってこの仕事に就いたというものありますね。
Q5.大学・専門などでは何を学びましたか?
大学時代は、情報系の研究をしていました。そもそも高校時代から音楽が好きで、音楽情報処理を学ぶ研究室が大学にあったので、それをやったら楽しそうだなと思い入学しました。
Q6. 高校生のとき抱いていた夢、現在の仕事に繋がっていると感じることはありますか?
高校生のときから音楽は好きでしたが、仕事については深く考えていなかったですね。正直なところ、なんとなく大学に進んだ部分もあります。
やりたいことは自分から言っていく積極性が必要
Q7. どういう人がその仕事に向いていると思いますか?
けっこうタフな仕事でもあるので、やっぱり体力がある人ですかね。あとはやりたいことを積極的に挑戦できるかどうか。やりたいことがあったら、自分から言っていく積極性が求められると思います。
Q8. 高校生に向けたメッセージをお願いします
個人的には、あまり一つの夢に絞りすぎないほうがいいのではないかと思います。たとえば、「自分はラジオの仕事を絶対にしたい」と思っていたものの、実際にその仕事をしてみたら合わないかもしれない。そんなときにつぶしが効かなくなってしまうんですよね。だから、一つの目標に向けて頑張ることも大事ですが、高校生のうちはできるだけいろいろなことに興味を持って勉強して、将来の選択肢を広げたほうがいいのではないかと思います。
ミキサーさんというと、専門的な技術職といった印象を持つかもしれません。しかし、意外と幅広く挑戦できる仕事のよう。ラジオが好きな人はもちろん、音楽や放送に興味がある人には向いている仕事かもしれませんね。
【profile】TOKYO FM 技術部 大村政博
●各番組放送時間
『TIME LINE』月~木19:00~19:52
『SCHOOL OF LOCK!』月~木22:00~23:55/金22:00~22:55
『鷹の爪団の世界征服ラヂオ』木25:00~25:55
『速水健朗のクロノス・フライデー』(金6:00~9:00)
この記事のテーマ
「マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説
若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。
この記事で取り上げた
「ラジオ・テレビ放送技術者」
はこんな仕事です
テレビやラジオ放送で技術的な分野に関わる専門家で、放送エンジニアとも呼ばれる。番組制作スタッフとしては、カメラマン、音響、照明、システム系統をつくり上げるビデオエンジニア、時間管理をするタイムキーパー、映像を切り替えるスイッチャーなど職種は多彩だ。さらに、放送電波を発信するために送信機やアンテナを操作・調整する業務や、放送スケジュールに基づいて行われる番組の送出業務。また、受信、研究・開発などの業務もある。こうした職種を選ぶ場合、各スタッフとの相互連携が何よりも大切だ。