【シゴトを知ろう】商業施設士 ~番外編~
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「【シゴトを知ろう】商業施設士 編」では、bose international 堀江篤史さんに普段の仕事ぶりや進路の経緯について伺いました。日常生活では、あまりなじみのない仕事ですが、街中を見渡せば商業施設士たちの功績がいたるところで発見できるはず。
前回、紹介した内容は「商業施設士」という仕事のほんの一部に過ぎません。今回は、仕事の知られざる一面についてお話を伺ってみました!
この記事をまとめると
- ときにはディスプレイのツールなどをデザインすることも
- クライアントとのやりとりで実感する、コミュニケーションの重要性
- 仕事でかかわった店舗が軌道に乗ったときにやりがいを感じる
依頼によってはディスプレイ方法を考えることもある
――商業施設士の仕事における「意外な事実」を教えてください。
お店の空間設計や経営計画も主な仕事のひとつですが、もっと細かなことも商業施設士の仕事です。例えば、お店に行くと商品がディスプレイされていることがありますが、じつは展示方法にも商業施設士の提案が生かされていることがあるんです。また、私の場合は、ディスプレイのツールのデザインや、さらにいうと制作なども担当することがあるので、クライアントさん(顧客)との打ち合わせの合間にデザイン業務に取り掛かることも珍しくありません。
仕事の際は、コミュニケーションを忘れずに
――このお仕事ならではの「あるある」なことを教えてください。
仕事をしている上で、コミュニケーションの重要さを実感しますね。専門知識があることももちろん大事です。しかし、商業施設士の場合、クライアントさんなどの意図をくみ取り、設計に反映する機会が多くあります。だからこそ、学生の間にコミュニケーション力を身につけておいてほしいですね。
店舗の売り上げが一気にアップ! 表彰されることに
――お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。
1年間に数多くの店舗が開業する一方で、閉店を迎える店舗もあります。開業・閉店が目まぐるしく起こっているんです。そんな状況を目の当たりにすると、やっぱり設計や計画手案などに携わらせていただいたブランドや店舗が長く運営維持できているのはうれしいですね。店舗のにぎわいを見ると、少しでも力になれているのだと実感できます。
以前、アパレルブランドの商品構成などから計画を立てさせて頂いた仕事がありました。さまざまなきっかけが重なって、ブランドの売り上げが一気に上がったんです。そのブランドからは、施設の「リバイバル賞」という形で評価していただくことができました。
空間設計、経営計画、さらにはディスプレイ方法や什器などのデザインまで、商業施設士の仕事は意外なほど多彩です。それらの仕事を成功に導くのは、クライアント(顧客)との綿密なコミュニケーションなのかもしれません。おしゃれなお店を見かけたら、完成に至るまでどんなやりとりがあったのか想像してみるのも楽しそうですね。
商業施設士に興味をもった人は、まずは兄弟や友だちの部屋をアレンジすることから始めてみてはいかがでしょうか? 相手のリクエストをうまく取り入れて喜んでもらえたら、商業施設士の才能有り!かもしれませんよ。
【profile】有限会社bose international 堀江篤史
※メイン画像はイメージです
この記事のテーマ
「建築・土木・インテリア」を解説
建築や土木に関する技術を中心に学ぶ分野と、インテリアコーディネイトなどデザインを中心に学ぶ分野の2つに大きく分かれます。資格取得のために学ぶことは、建築やインテリアの設計やプランニングに必要な専門知識、CADの使い方などが中心です。どちらの分野も依頼主の要望を具体化できる幅広い知識とコミュニケーション能力も求められます。
この記事で取り上げた
「商業施設士」
はこんな仕事です
商業施設士とは、デパートからショッピングモール、個人経営店など、あらゆる商業施設の企画や運営、デザインなど総合的なプロデュースをする仕事。新規オープンだけではなく、リニューアルなども手掛け、その商業施設の立地条件や客層からニーズに合ったものを提案し、計画する。必須資格ではないが、公益社団法人商業施設技術団体連合会が専門知識と技術を認めた人に付与する「商業施設士」、上位資格の「マイスター商業施設士」「シニア商業施設士」があり、雇用する企業が取得を助成する場合もある。