【シゴトを知ろう】環境計量士 編

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【シゴトを知ろう】環境計量士 編

2016.10.19

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】環境計量士 編

産業、経済の発展とともに、水や空気の汚染、騒音など、環境問題がクローズアップされてきています。それを最低限に抑えることこそ、人と地球が共存する唯一の道ともいえます。

企業活動などが環境に与える影響を測る環境分析の分野では、国家資格を有する「環境計量士」の方が多数活躍しています。今回は、湘南を拠点に水や大気などの環境分析を行っている「株式会社アサヒ産業環境」で環境計量士として働く末木美保さんに、環境計量士のお仕事についてお話しいただきました。

この記事をまとめると

  • 末木さんは、主に大気、水質、騒音や振動の環境測定を行っている
  • 環境分析の必要性を少しでも伝えることも大切
  • 環境計量士は、環境をよくするために必要不可欠な仕事

工場などから排出される煙や放出される排水などを分析し、チェックする

――普段のお仕事について教えてください。

私の所属する「株式会社アサヒ産業環境」は、主に大気、水質、騒音や振動の環境測定を行う計量証明事業を手がけています。簡単にいうと、工場などから排出される煙や放出される排水などサンプリングして分析し、法律で定められている規制値以内に入っているかをチェックする業務です。

調査結果は報告書にまとめてお客さまに提出しますが、報告書の作成には「計量証明書」の発行が必要です。その証明書に正式な報告書である証として印をつけるのが環境計量士です。調査については資格のない従業員でも可能ですが、「計量証明書」には国家資格を持った環境計量士の承認が必要となります。もちろん、報告書に押印するだけが仕事ではなく、測定方法の選定や測定器材の社内検査、計量についての社内教育実施および周知なども行っています。


――1日の仕事の流れを教えていただけますか?

現場に出る日は、だいたい午前9時ごろから現場入りし、客先へのご挨拶と準備を進めます。午前10時ごろには測定を開始し、午後3時くらいまでには測定を完了することが多いです。夕方、帰社後は片付けやデータの整理、明日の現場確認を行います。

現場に出ない日は、主に報告書の作成や承認、調査結果の確認などを行います。複数在籍している環境計量士が測定したデータの妥当性を確認したり、製品チェックをしたりして、すべてに合格した報告書については押印してお客さまへの報告の準備を整えます。


――現在のお仕事に就くまで、どのような勉強や経験を積まれてきたのでしょうか。

私の場合は、専門学校で環境工学を専攻し、測定機器の原理や扱い方、分析業務での器具や試薬の取り扱い、分析機器の原理などを学びました。交通騒音や振動測定の実習で、測定時に大切となる動きや基本的な考え方なども習得しました。

経験という面ではこの会社に入ってから、多くの人との関わりのなかで少しずつ積み重ねてきたところが大きいと実感しています。

環境分析について、理解・納得してもらえたと感じたときにやりがいを感じる

末木さんが働く職場の様子

末木さんが働く職場の様子

――お仕事のなかで、魅力ややりがいを感じるのはどんなときですか?

お客さまにとっては環境分析自体あまりなじみのないものですし、その大切さや詳しい法律解釈などご理解されていないこともあります。そんな中、私の説明でご理解、ご納得いただけたと感じたときにはやりがいを感じます。

また、実際の測定現場はそれぞれ異なります。初めてお伺いする現場ではさまざまなケースを想定しながら測定準備をしますが、現場でイメージ通りの測定が行えた時にはうれしく思いますね。


――お仕事に取り組む中で、大切にしていることがあれば教えてください。

私が手がけている測定や分析は、法律で義務として定められているものです。とはいえ、お客さまのなかにはその必要性をご理解いただいておらず、「こんなことにお金を使いたくない」とおっしゃる方もいます。理解が得られないことは辛くも感じますが、環境分析の必要性を少しでも伝えることも大切だと考えています。

現場ではもちろん、業務にあたる際には常にお客さまの立場になって考えながら、多方面からものごとを考えるようにしています。マイナス思考におちいることなく、プラスの方向に発想を転換し、コミュニケーションを大切にお客さまと接するようにしています。


――お仕事の中で、一番の思い出や達成感のあったエピソードはなんですか?

最近の話なのですが、お客さまから「報告書記載の言葉について理解が難しいので詳しく説明してほしい」とのご要望をいただいたことがありました。作成した資料で説明させていただいたところ、きちんとご理解をいただけたようで、帰り際に「また機会があれば必ず測定をお願いします」と言っていただけたときにはうれしかったですね。


――高校生のころはどんな夢を持っていましたか?

当時は、小学校3年生から所属していたヨットチームの活動に熱中していて、世界選手権や全日本、国体出場を目指していました。

今の仕事に直接つながっている訳ではありませんが、ご存じのとおり、ヨットでは気象が大変重要になってきます。そのため、ロープワークと天気図を読めるようになることは必須でした。現在では、器材を固定する時にロープワークが役に立っているのと、天気図を書く際に学んだ知識や技術を応用して、お客さまのご要望にお応えしたこともあります。


――環境計量士を志望されたきっかけはなんでしょうか?

父が起業した会社ですので、小さいころから環境分析の仕事には親しんできましたが、特にこの仕事を継いでほしいと言われたことはありません。アルバイトとして実際に現場に連れて行ってもらったりする機会があり、そのなかで自然と志望するようになりました。

アルバイトでは測定のお手伝いや、報告書を作成するためのチェックとしてデータの検算をしたりしていました。そうしたお手伝いの中で、まわりのみなさんとかかわるうち、自然と環境計量士の資格取得も目指すようになっていた気がします。

環境をよくするために必要不可欠な仕事

――環境計量士にはどんな人が向いていると思いますか?

環境計量士の仕事は決して華やかなものではなく、どちらかというと地味なもの。とはいえ、環境をよくするために必要不可欠な仕事だと確信しています。環境計量士は国家資格さえ取得すれば、もうその道のエキスパートというわけではありません。

今後も未知の物質が社会的に問題になることは避けられず、職務やそれに対する姿勢も大きく変化する可能性があるのです。そういう意味で、多方面からものごとを見ることができる人、ひとつの考え方にこだわらず、発想を転換できる柔軟性を持つ人が向いているのではないでしょうか。


――環境計量士を目指している高校生へ向けて、ひと言メッセージをお願いします。

一見、この仕事とはかけ離れていると思われることでも、生活している中で興味を抱いたことには、積極的に取り組んでいく姿勢を大切にしてください。あなたのそんな姿勢は、いつか必ず評価を受けることでしょう。

また、分からないことはないがしろにせず、聞くことで一時の恥をかきましょう。それにより、自分がひとまわりもふたまわりも成長できるはずですよ。



私たちを取り巻く水や大気といった環境は、環境計量士さんたちの地道な努力によって守られているのですね。問題視されてこなかった物質の有害性が発露したり、さまざまな現場にフレキシブルに対応したり、環境分析の仕事には柔軟な考えを持ち、発想の転換をできる人が向いていそうです。さらに、コツコツと続ける忍耐力も必要かもしれません。

海が好き、山が好き、自然が大好きという人は、地道ながらそれを守るために欠かせない職業として、環境計量士の仕事を目指してみてはいかがでしょうか。

【profile】株式会社アサヒ産業環境 末木美保
http://www.cityfujisawa.ne.jp/~asahi_ie/index.html

この記事のテーマ
環境・自然・バイオ」を解説

エネルギーの安定供給や環境問題の解決など、自然や環境を調査・研究し、人の未来や暮らしをサポートする仕事につながります。また、自然ガイドなど、海や山の素晴らしさと安全なレジャーを多くの人に伝える仕事もあります。それぞれ高い専門性が求められる職業に応じて、専門知識や技術を学び、カリキュラムによっては資格取得や検定も目指します。

「環境・自然・バイオ」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「環境計量士」
はこんな仕事です

環境汚染物質や騒音などを測定・分析する仕事。「環境計量士」は、経済産業省が所管する計量法に基づく国家資格で、法律で決められた方法で大気、水質・土壌、騒音、振動を測定して計量証明を発行する。たとえば工場、建設工事、航空機、道路、鉄道などから出される有害物質や土壌汚染、あるいは機械が発する音や振動の測定を行うなどする。活躍の場は主に計量証明を行う事業所や環境コンサルティング会社などで、国家資格を取得した上で、実務経験など定められた条件を満たした者が認定される。

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