【シゴトを知ろう】アロマ空間デザイナー 編
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アロマは今や機能性だけでなく、空間を演出する方法として使われています。精油の効能も利用し、企業や店舗などの、その空間にあった香りをゼロから作り出し、彩ることができるアロマ空間デザインは、ホテルやショッピングモールなど多くの人が集まる場所で取り入れられ、注目されています。
そこで今回は、アットアロマ株式会社で働く武石紗和子さんに、アロマ空間デザイナーのお仕事について伺いました!
この記事をまとめると
- アロマは1滴配合が違うだけで、香りの世界観が変化する
- アロマ空間デザイナーは、香りを言葉や色などで表現できる
- 季節によって、いろいろな香りを感じることで感性が磨かれる
目に見えない香りを色んな形でイメージしてみる
Q1. 現在のお仕事内容について教えてください。
私が勤めているアットアロマでは、法人の企業を対象に、ホテルや店舗などのさまざまな空間を香りで彩る、アロマ空間デザインというサービスを提供しています。いろいろな人が集まるパブリック(公有、公共)な空間をアロマの香りで満たすことで、企業のブランドイメージを高めたり、空気をきれいにして風邪を予防したりと、クライアント(取引をする顧客)の要望に応えながら、その空間にあった香りを提案しています。
既存の香りも100種類ほどありますが、そこに当てはまらない香りは、ゼロからつくり出しています。クライアントと話し合いを進めながら、香りで満たしたい空間にどのような人が集まるのか、インテリアはどうなっているのかなど、多角的に空間を捉えて、香りをつくり、提案していきます。長いものでは年単位で香りをつくりあげていくこともあります。
Q2. お仕事の中で、魅力ややりがい、楽しさを感じるのはどんなときですか。
アロマの香りは、数種類の香りをコンセプトに合わせてブレンドしていきますが、配合が1滴違うだけで世界観が変化していきます。その繊細に変化するアロマの香りをつくりあげていく過程も楽しいですし、実際に出来上がった香りをお客様に喜んでいただき、受け入れてもらえたときは本当にうれしいです。
Q3. 一方で、お仕事の中で大変さや苦労を感じるのはどんなときですか。
香りは目に見えないものなので、クライアントも希望のイメージを伝えづらい場合が多く、どんな香りにしたいのか、同じ方向を向きながら擦り合わせていくのがとても難しいです。空間の要素として香りがどう生かせるのかをうまく伝えられるように、写真や色やキーワードなど、一緒に共有できるものに置き換えて、イメージを合わせていきます。
嗅覚を磨き、香りの引き出しを多くもつ
Q4. 現在のお仕事を志すようになったきっかけを教えてください。また、実際にお仕事に就くまでに、どのような勉強や経験を積まれてきたのか、これまでの道のりについても教えてください。
私の場合は、ジムでヨガプログラムを受けたとき、香りで満たされた空間を体感したことが、最初のきっかけです。いつもは部屋で個人的に楽しんでいた香りを、たくさんの人が一緒に楽しみ、心地よさを共有できるんだということに、大変衝撃を受け、スクールでアロマ空間デザインを勉強しました。
それまではアロマの機能性に注目して使用していましたが、季節や時間、またはインテリアなどに香りを合わせることや、空間に広げたときに香りがどう機能するのかを学びました。
この職に就いてからは、いろいろな香りを知るということから始めました。例えば、オレンジとグレープフルーツを合わせるとどういう香りになるかなど、料理と同じでこの香りとこの香りを合わせるとこんな香りになるということを知り、覚えていくことで、自分の中に香りの引き出しを多くもてるように訓練していきました。
さまざまなことにアンテナを張ることが大切
Q5. 大学ではどのようなことを学びましたか?
大学では社会学を専攻していました。この仕事は、お客様も多様で、要望も千差万別なので、さまざまなことにアンテナを張り、いろいろな形で提案しなければいけません。社会の色んな分野に興味をもつということが、今の仕事に活かされていると思います。
Q6. 高校生のころはどんな夢を持っていましたか?
高校時代は映画やスポーツなど、いろいろな趣味をもっていました。そのころから、趣味を仕事にできればいいなと思っており、香りにも興味がありました。例えば、香水も身に着けることでその人の雰囲気が変わったり、気持ちが高まったりするのがおもしろくて。香りのもつ力に注目していましたね。
Q7. アロマ空間デザイナーはどんな人が向いていると思いますか。
アロマ空間デザイナーはクリエイターと違って、自分の好きなものだけをつくるのではなく、お客様の要望する香りをつくりあげていかなければいけません。独自性を出しながらも、お客様に寄り添うという姿勢が大切なので、柔軟性がある人が向いていると思います。
Q8. アロマ空間デザイナーを目指している高校生へ向けて、一言メッセージをお願いします。
意識的に鼻をきかせてみて、いろいろな香りに触れてみてください。春だったら梅の香りを嗅ぐなど、季節によって様々な香りがあるというのを感じてください。天然の香りを日々嗅ぐと、感性も広がり、世界も広がっていきますよ。
秋は、香り高い草花や食物などで溢れています。自然の香りに触れるのには絶好の季節。普段あまり気にとめていないようなものの香りに触れてみることで、感性が磨かれ、世界が広がるきっかけになるかもしれませんよ。
【profile】アットアロマ株式会社 武石紗和子
この記事のテーマ
「エステ・ネイル・リラクゼーション」を解説
ネイルアーティストやエステティシャンなど、美容のスペシャリストを育成したり、アロマセラピストやマッサージ師のように身体のもみほぐしや香りでの癒しに関わる知識と技術を身につけます。あわせて学校では、職業に応じた専門技術と接客能力を磨きますが、新しい技術やトレンドに対応するため、自ら学び続ける好奇心やセンスが求められます。
この記事で取り上げた
「アロマ空間デザイナー」
はこんな仕事です
植物から抽出したエッセンシャルオイルの効能を利用するアロマテラピーの知識や技術を活用し、ホテルや店舗、企業、病院、介護施設など人が集まる空間を香りで演出する仕事。アロマを使って、ブランドのイメージを向上させるほか、利用者の満足度を高めたり、室内の空気環境を改善したりすることにつなげる。クライアントのニーズや空間に応じて独自のアロマをブレンドすることもあり、エッセンシャルオイルの基礎知識はもちろん、ブレンドの方法を修得していることが求められる。
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