【シゴトを知ろう】ブライダルメイクアップアーティスト 編
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お化粧が大好きで、放課後や休日に友だちにメイクをしてあげているという女子もいるかもしれません。人にメイクを施す仕事「メイクアップアーティスト」の中でも、結婚式で花嫁さんにメイクをする仕事を「ブライダルメイクアップアーティスト」といいます。
今回は、ブライダルを始めとした分野で、ヘアメイクアップアーティスト(※)として活躍していらっしゃる栢木真弓さんに、お仕事の内容や魅力について伺いました。
※ブライダル業界では、メイクとヘアセットを同時に担当することが多く、このように表記しています。
この記事をまとめると
- もともとヘアメイクにこだわりがなかったお客様に「栢木さんに担当していただいてよかったです」とおっしゃっていただけるとうれしい
- 栢木さんは、小さいころ「自分をきれいにしてもらう」ことの楽しさを知った。それが、今の仕事に活きている
- ブライダルの雑誌に載っているブーケやドレスに興味を持って眺めると、仕事に必要な感性が養える
お客様に感謝をされたとき、とてもやりがいを感じられる仕事
Q1. 現在のお仕事内容について教えてください。
結婚式当日とリハーサルにおいて、花嫁さんに対してヘアメイクをしています。当日は、衣装を着せてあげるのも私の仕事です。ヘアメイクに関してはご本人のご要望を伺いつつ、こちらでもお似合いだと思うものを提案しながら、花嫁さんの理想に近いものをつくりあげていきます。
また、私はブライダル以外の、広告、カタログ、アイドル、映像といった分野でも活動しています。年に数回、美容・メイクの学校で講師としてお話をさせていただくこともあります。
Q2. お仕事の中で、魅力ややりがい、楽しさを感じるのはどんなときですか?
結婚式は、花嫁さんにとって「人生で一番きれいになりたい日」なので、ヘアメイクはとても大切な役割を担っていると考えています。ですので、お客様に「栢木さんにヘアメイクをしていただいて、すごくよかったです」とおっしゃっていただけると、やりがいを感じます。特に、もともとヘアメイクにこだわりがなかったお客様にそう言っていただけると、すごくうれしいです。
Q3. 一方で、お仕事の中で大変さや苦労を感じるのはどんなときですか?
この仕事は、体調が悪いからといってお休みすることはできません。また、体調不良の状態をお客様にお見せしてはいけないという辛さがあります。私も1回も休んだことはありませんし、体調が悪くても、なんとか仕事ができるように、夜中に救急診療で注射を打ってもらった経験もあります。
専門学校では、在学中からヘアメイクのアシスタントとして働いた
Q4. 現在のお仕事を志すようになったきっかけを教えてください。
私は小さいころ、髪が長かったので、いとこのお姉さんにかわいい髪形にアレンジしてもらったり、親にお正月に日本髪を結ってもらったりしていました。そこで、『自分をきれいにしてもらう』ことの楽しさを知ったように感じます。
ただ、高校を卒業した後は、ビジネス系の専門学校に通っていました。その後、ヘアメイクとは別の仕事もしていたのですが、「興味があることを職業にできないだろうか?」と考えた結果、その仕事を辞めて、ヘアメイクの専門学校に入学し直すことを決心したんです。ちなみに、ブライダル分野で仕事をするようになったのは、先輩のアシスタントをやっていたときに、「こういう世界もあるんだ。すごく魅力的だな」と感じたことがきっかけでしたね。
Q5. 専門学校ではどのようなことを学びましたか?
ヘアメイクの基本的な技術を学びました。学校に入って、まず感じたのは「メイクを他人に施すこと」の難しさですね。他人の肌に触れるときは強さに気を付けなければいけませんし、ビューラーを扱うために何度も練習する必要があります。
また専門学校の先生は、私の「絶対に、ヘアメイクアップアーティストになりたい」という強い気持ちをくんでくださって、アシスタントとして働ける場を紹介してくださいました。専門学校に入って本当によかったと思います。
Q6. 高校生のころはどんな夢を持っていましたか?
正直なところ、高校生のときはあまり夢を持っていなかったです。雑誌でヘアメイクの特集を見ることは好きでしたが、それを仕事にしようという考えは生まれませんでした。今ほど「ヘアメイクアップアーティスト」という仕事がメジャーではなかったのも原因だとは思います。でも、高校の休み時間は、しょっちゅう友だちの髪をアレンジしていました。それは、今の仕事にもつながっていることかもしれませんね。
「新郎新婦の大切な日をお手伝いしたい」と心から思えるかどうかが大事
Q7. このお仕事はどんな人が向いていると思いますか?
ヘアメイクに関して、アイディアが思い浮かぶ感性がある人はもちろんのこと、時間を守ることができる人、健康管理ができる人、仕事をやり遂げる責任感のある人は向いていると思います。あとは、花嫁さんにはいろいろな性格の方がいらっしゃるので、どんな方にも合わせることができる協調性のある人もこの仕事に向いていると感じます。
Q8. ブライダルメイクアップアーティストを目指している高校生へ向けて、一言メッセージをお願いします。
実際の仕事において、会場の環境によっては1日に何人もの花嫁さんにヘアメイクをしなければいけないこともあります。そういうときは「ルーティンワーク(同じ作業を淡々と繰り返すこと)」になってしまいがちです。でも、そうではなくて、「新郎・新婦の大切な日をお手伝いしたい」「お二人の幸せな表情が見られることがやりがいだ」と心から思える人に、この仕事に就いてほしいと思っています。また、ブライダルの雑誌に載っているブーケやドレスに興味を持って眺めてみると、この仕事で大切な感性を磨くことができると思いますよ。
結婚式に立つ花嫁さんを、美しく仕上げるブライダルメイクアップアーティスト。とてもやりがいのある仕事といえるでしょう。この記事を読んで、「お客様の一生に一度の晴れ舞台の手助けをしてみたい」と感じたみなさんは、ブライダルメイクアップアーティストを目指してみてはいかがでしょうか?
【profile】ヘアメイクアップアーティスト 栢木真弓
オーダードレスショップ「シエスタ」(栢木さんの作例ページ)
http://www.siesta-dress.com/hm/kayagi.html
株式会社ビーサイド
http://www.bside.co.jp/index.html
この記事のテーマ
「旅行・ホテル・ブライダル・観光」を解説
目指す業界の専門知識を学び、パソコンなどのスキルを身につけます。旅行・観光では資格取得や採用試験対策、ホテル・ブライダルでは、現地実習を通して実践力を養う研修が多く含まれます。共通して求められるのは、ゲストに非日常のサービスや空間を提供する接客技術やサービス精神。不規則な勤務に対応できる体力の養成も求められます。
この記事で取り上げた
「ブライダルメイクアップアーティスト」
はこんな仕事です
花嫁・花婿のメイクアップを担当する仕事。ブライダル業界では、メイクとヘアセットを同時に担当することが多い。事前のリハーサルから写真撮影のメイクも担当する。メイク以外にも、式当日の新婦のアテンドや着替えなどを手伝うことも。その他、ブライダルフェアやウエディング専門誌での撮影といった仕事もある。就職先は、ブライダルサロン、ブライダル専門のヘアメイク事務所、ホテル併設の美容室など。
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