【シゴトを知ろう】結婚コンサルタント 編
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みなさんもテレビなどで「婚活」という言葉を聞いたことがあると思います。婚活とは、結婚に向けて相手を探したり、デートをしたりとさまざまな努力をすることです。そんな婚活中の男女に対して、出会いの機会を提供したり、さまざまなアドバイスをしたりする職業を「結婚コンサルタント」といいます。
今回の記事では、東京にある結婚相談所「Bridalチューリップ」でカウンセラーとして活躍していらっしゃる中森麻美さんに、お仕事内容ややりがいについて伺いました。
この記事をまとめると
- 中森さんは、結婚相談所で、結婚をしたいという方の相手探しのフォロー、出会いの日程や場所の調整といったお仕事をしている
- 中森さん自身も、婚活で苦労したため、その経験を生かしたいと思い、結婚コンサルタントの仕事に就いた
- 結婚コンサルタントの仕事は、あらゆる経験を生かすことができ、どんなタイミングでも就くことができるのが魅力的
「友人の恋愛相談」に乗るように、会員様の婚活を後押しする仕事
Q1. 現在のお仕事内容について教えてください。
私は、結婚相談所のカウンセラーとして、お客様の結婚相手を探すお手伝いをしております。結婚相談所とは、結婚を希望されている独身の会員様に、出会いやお見合いの機会を提供する場所のことです。具体的な仕事内容としては、お相手探しのフォロー、出会いの日程や場所の調整、交際後のご相談にのるなど、結婚にいたるまでのあらゆるお手伝いをしています。
当社のシステムは、ネット上でお相手のプロフィールを検索できる仕組みとなっていて、申し込んだり、申し込まれたりして、お見合いが成立していく形になります。近年の傾向として、婚活を成功させるにも、非常にスキルが必要な時代となっております。お見合いはすることができても、次のステップの「交際」になかなか進むことができない方もいらっしゃるんです。会員様の婚活を成功させるために、髪型、服装、清潔感、お話の仕方といったところもきめ細かにアドバイスをさせていただいています。
Q2. お仕事の中で、魅力ややりがいを感じるのはどんなときですか?
会員様の一生の内の、大切なご決断をする場面に携われることに魅力を感じております。最近、私が対応させていただいていた女性会員様が、お見合いから2カ月で結婚しました。ただ、お見合い当初、相手の男性はかなり結婚に前向きだったんですが、女性は男性の気持ちに追いつけないような状況だったんです。
女性のお話をお聞きすると、「まだ、相手の男性と素直な気持ちでぶつかれていない」ということだったので、「不安なことも、オープンにしていったほうがいいですよ」というアドバイスをさせていただきました。結果として、女性は男性と本音で接するようになり、お2人はご結婚することになりました。そのお2人から「中森さんが担当でよかった」とおっしゃっていただきは、この仕事のやりがいを感じることができましたね。
会員様とのやり取りは、「友人の恋愛相談」に乗っているような感じを想像していただくと、分かりやすいかもしれません。私は、会員様が辛いとき・悲しいとき・楽しいとき、一番に相談や話ができる相手でいられるように努めています。
Q3. 一方で、お仕事の中で大変さや苦労を感じるのはどんなときですか?
私から見て、「すてきな方だな」と思う会員様で、頑張って活動していらっしゃる方でも、なかなか良縁に恵まれないこともございます。ご縁は、タイミングといったことも関わってくるので、どうしても私自身でどうにかできない状況も出てきてしまい、そんなときはふがいなさを感じますね。婚活をしていると辛いこともありますので、カウンセラーとして、会員様の結婚に対するモチベーションを維持できるようサポートをしています。
中森さんは、高校・大学のころから「人の心理」「人と関わること」に興味があった
Q4. 現在のお仕事を志すようになったきっかけを教えてください。
私自身も婚活の経験があり、昨年の春に結婚しています。恋愛、合コン、婚活パーティーなど、さまざまな出会いの努力をしましたが、今の結婚相手に出会うまでに非常に苦労したんです。
「異性と出会い、デートをする」「お付き合いする」ことは、行動力さえあればできますが、そこから「結婚」に進むことは難しいように感じます。例えば、お付き合いした人が結婚に対する意識が低かったり、仕事の都合で結婚を考えることができなかったり、さまざまな要因があります。婚活において大切なのは、「結婚願望がある方」もしくは「結婚のタイミングにある方」に出会うことだと思います。自分自身が辛い思いをした分、婚活をしている方の気持ちは十分に理解ができると思い、昨年の11月からこの仕事を始めました。
Q5. 大学ではどのようなことを学びましたか? 今のお仕事につながっていることも含め、具体的に教えてください。
大学では、環境学を専攻していました。中でも、「環境心理」をメインに勉強していました。環境心理とは、例えばパーソナルスペース(※)のような、「環境が人の心理にどう関わってくるか」を研究する学問です。もともと、私は人の心理に興味があったんですが、そのことは、今の仕事に少なからず影響していると思いますね。
※パーソナルスペース……自分の身の回りにある、他人に近づかれると不快に感じる空間のこと。
Q6. 高校生のころはどんな夢を持っていましたか?
高校生のときは、漠然と海外とつながれるような仕事がしたいと考えていました。高校2年生の夏休み、アメリカにホームステイしたこともあって、異文化に興味があって。ただ、今思い返してみると、そのころから人と関わることが好きだったんだな、と思います。
部活動でいうと、「マネージャー」的な役割ができる人はこの仕事に向いている
Q7. このお仕事はどんな人が向いていると思いますか?
部活動でいうと、「マネージャー」的な人が向いていると思います。マネージャーは、選手が試合に勝つために環境を整え、負けたときは次の試合に向けてフォローをするのが役割です。「選手が勝ったら、自分のことのようにうれしい」、そんな感じ方ができる人は、この仕事にピッタリだと感じます。
Q8. 結婚コンサルタントのお仕事に興味を持っている高校生へ向けて、一言メッセージをお願いします。
この仕事の魅力は、今まで自分が就いてきた仕事、趣味、恋愛、結婚といったさまざまな経験を生かすことができるところだと思います。また、「どんなタイミングでも」仕事に就くことができる点も大きな魅力です。実は当社にも68歳のカウンセラーがおりまして、生き生きと働いております。また、業界内では、20~30代の若い男性のカウンセラーも増えているようです。
高校・専門学校・大学を卒業してすぐに、結婚コンサルタントになるのは難しいのも事実ですが、高校生の方には、この仕事について頭の片隅にでも入れておいていただいて、何かのタイミングのときに、ぜひチャレンジしていただきたいと思っています。
高校生にとって、身近とはいいづらい結婚コンサルタントという職業。でも、中森さんの「友人の恋愛相談」という例えで、仕事内容が理解できた人も多いのではないでしょうか。今、よく友だちの恋愛相談に乗っている人は、将来、結婚コンサルタントとして活躍できるかもしれませんね。
【profile】結婚相談所 Bridalチューリップ
https://bridal-tulip.info/
株式会社ナウい
http://now-e.co.jp/
この記事のテーマ
「旅行・ホテル・ブライダル・観光」を解説
目指す業界の専門知識を学び、パソコンなどのスキルを身につけます。旅行・観光では資格取得や採用試験対策、ホテル・ブライダルでは、現地実習を通して実践力を養う研修が多く含まれます。共通して求められるのは、ゲストに非日常のサービスや空間を提供する接客技術やサービス精神。不規則な勤務に対応できる体力の養成も求められます。
この記事で取り上げた
「結婚コンサルタント」
はこんな仕事です
晩婚化と未婚率の上昇が続いている中で、結婚を望みながら縁に恵まれない男女の相談に乗り、良縁のマッチングを図るのが結婚コンサルタントの仕事。結婚相談所に所属するか、独立して働く人が多い。相談者の希望をしっかりと聞き、性格や嗜好などを把握。そして条件や気が合いそうな相手をリストから選び、お見合いやイベントを通じて出会いをセッティング。恋愛関係の進展にも気を配って結婚へのサポートを行う。当然接客マナーは必要だが、洞察力があり聞き上手、気配りができ、人と信頼関係をうまく築ける人が適する。
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