【シゴトを知ろう】メイクアップアーティスト ~番外編~
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さまざまな人にメイクをするメイクアップアーティストのお仕事。実は知られていない「あるある」なお話しや、これまでに達成感を感じたエピソードなど、メイクアップアーティスト原 岬さんにお話を伺いました。
この記事をまとめると
- 新しいコスメが出たらとにかく試すので、メイクアップアーティストの家の中はコスメ用品だらけ
- 広告のモデルや映画の俳優を見ると、ついメイクの研究をしてしまう
- 世界的スターと仕事をしたことは印象的で、自分に自信を持てるようになった
家の中はメイク用品だらけ! メイクアップアーティストの「あるある」
――メイクアップアーティストは、「家がコスメだらけ」と聞きました。メイクアップアーティストについて「あるある」なことを教えてください。
私の部屋の中はメイク用品だらけです(笑)。収納しきれなくて困るほど、たくさんあります。企業様から新製品をいただくこともありますし、仕事用にストックで買い溜めしているものもありますし、メイク用品に囲まれて生活しています。
カフェとかで美容関係の話で盛り上がっている女の子たちがいると聞き耳を立ててしまったり、お仕事でご一緒になる同業者の方のメイク道具を遠目でチェックしたくなってしまいます。盗み見はしませんよ、見たいときはちゃんと声をかけます(笑)。
ーーでは、お仕事とリンクする、休みの日にありがちな「あるある」があれば教えてください。
電車内の女性のメイクチェックは、やめたくてもやめられないです(笑)。チェックしたいって思わなくても、無意識のうちに見てしまいます。私だったらこんな風にメイクするかなぁとか、一般女性の最近困っているメイク事情って何かなぁと考えてしまいます。
あとは、外出時に目にする広告が気になって仕方ないです。広告内のモデルさんのヘアメイクをじっくり観察して、どうしてこういう眉にしたんだろうとか、どういうコンセプトでこういう風になったのだろうと考えちゃいます。
映画を観ているときもそうです。映画の物語に完全に入り込みたいのに、どうしてもキャストのヘアメイクに気を取られてしまいます。特に海外映画って、昔の英国風のヘアメイクや特殊メイクが学べて本当に面白いんですよね。
メイクアップアーティストは意外と力持ち!?
ーー意外と知られていない、このお仕事の知られざる事実やトリビアを教えてください。
メイクアップアーティストは涼しげな顔をしてスマートな感じで仕事しているように思われがちなのですが、実はみんな力持ちです。現場に持って行くメイク道具の入ったスーツケースは、25キロ超。階段移動ももちろんスーツケースと一緒です。腕の筋力は平均女子より上だと思います(笑)。
ーーメイクアップアーティストは、どのように各業界の方と出会うのでしょうか。
私の場合は、ファッション関係のパーティーにご招待いただくことが多々あります。ファッションショー後のアフターパーティーや新コレクション発表のパーティーなど、さまざまなイベントがあります。ファッションや美容関係者との新たな出会いのきっかけの場ともなる、とても大切な機会です。どのパーティーも空間デザインにかなりの工夫がされていて、ケータリング(食事の配膳や提供)もおしゃれでかわいく、パーティーに訪れるだけで感性が刺激されます。
世界の大スターと仕事をしたことが自信につながった
ーー最後に、お仕事の中で、一番の思い出や達成感を感じたエピソードについて教えてください。
仕事の中で達成感を感じる現場は数え切れないほどありますが、中でも印象深かったのは、オスカー俳優のエディ・レッドメインさんの奥様のヘアメイクをさせていただいたことです。その現場では、新作映画公開のレッドカーペットイベントのためのヘアメイクを担当しました。ご本人様とエディさんのご希望を重視しながら、お二人がリラックスできる時間をできる限りつくれるように、配慮しながらお仕事させていただきました。
まだメイクアップアーティストとして駆け出しだったころ、一生懸命作った自分の作品を周囲に見せても批判されることが多く、仕事もどうしていいか分からず、右往左往することばかりで、大変なこともいろいろと経験してきました。諦めようと思ったり、辞めてしまおうかと思ったことも何度もありました。レッドカーペットでのお仕事は、これまで長年に渡って地道に積み重ねてきた経験がやっと実を結び始めたのかなと実感できるきっかけでした。
フリーランスで仕事をしていると、自己評価するのも自分自身。なかなか自分の成長に気付きにくかったりします。エディさんご夫妻との現場を通じて、世界で活躍されている大スターの方達とご一緒にお仕事できるまで、自分自身もレベルアップしていけたのかと実感できた瞬間でした。まだまだ改善するところや成長したいことがたくさんありますが、自分の自信へと繋がったお仕事でした。
とてもエネルギッシュで、いろいろな現場で活躍している原さんも、若いころは悩んだり、迷ったりしたことも多かったそうです。並々ならぬ努力を積み重ねて、今プロとしてご活躍されているんですね。
このインタビューを読んでヘアメイクアップアーティストに魅力を感じた人がいたら、ぜひ街中の広告や映画のメイクを見て、「どんな風にメイクしているんだろう?」と考えることからはじめてみてください。そのメイクを真似して、自分でやってみるのもいいでしょう。興味をもって自分なりに研究することは、のちのち必ず役に立ってくるはずですよ。
【profile】
フリーランスメイクアップアーティスト 原 岬さん
http://misakihara.com/
一般社団法人 IBF国際美容連盟
https://www.ibf-japan.com/
N.Y. Make-up Academy
https://www.nyma.jp/
この記事のテーマ
「美容・理容・メイクアップ」を解説
理容師や美容師、メイクアップアーティストなど、美のスペシャリストとして技術と感性を磨き、人や社会に貢献する仕事です。理容師や美容師の国家資格取得をめざす他、それぞれの職種に応じた技術力や表現力の習得、接客能力を身につけます。また、高齢者や不自由のある人のもとへ出張するニーズも高まっています。
この記事で取り上げた
「メイクアップアーティスト」
はこんな仕事です
雑誌やテレビで見るモデルやタレントのほとんどが美しいメイクをしているが、それを施しているのが高い技術を持つメイクアップアーティストである。塗ったり描いたりする技術だけではなく、モデルやタレントの骨格に合わせて、依頼者に適したメイクを施す。撮影現場やスタジオの専属というイメージもあるが、ブライダルサロンや化粧品メーカー専属のメイクアップアーティストも数多く活躍している。メイクアップアーティストは実力次第で特定の企業に属さずフリーランスとなり、独立して事務所を開くこともできる。
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