【シゴトを知ろう】ショップスタッフ 編

音楽好きでファッション好きな人の中には、好きなアーティストのTシャツやパーカー、キャップなどのアイテムを集めている人もいるのではないでしょうか? また、できることなら、アーティストのファッションアイテムやグッズに囲まれて生活したい!なんて思っている人もいるかもしれません。
そこで今回は、ロックファッションに特化したセレクトショップであり、オリジナル商品も販売する「GEKIROCK CLOTHING」店長の松本圭輔さんに、現在のお仕事内容やその魅力についてお話を伺いました。
この記事をまとめると
- ショップでは、接客技術や服飾知識が求められる
- お店に足を運んでもらうためには、SNSでの情報発信が重要
- 「音楽」や「バンド」などの自分の好きなことが生かせるファッションの仕事もある
通常のアパレルショップとは異なり、SNSでの情報発信に集客が大きく左右される
――現在のお仕事内容と一日の流れについて教えてください。
私は、渋谷から最新のロックファッションを発信、販売する『GEKIROCK CLOTHING』(通称:ゲキクロ)の店長を務めています。店頭業務に限らず、通販サイト運営にも携わりながら、弊社が主催する国内最大のロックDJイベント『激ロックDJパーティー』の東京、名古屋、大阪3都市でレジデントDJも務めています。
一日のスケジュールですが、大まかにはこのような流れになります。
10:00 出社
11:00 ミーティング
12:00 SNSでの情報発信準備
13:00 売場作り
14:00 店頭開店
16:00 休憩
22:00 店頭閉店
22:30 ミーティング
23:00 退勤
――現在のお仕事に就くために、どのような勉強や経験を積まれてきたのでしょうか。
服飾の専門学校などには通っていませんでしたが、高校を卒業してすぐに紳士服、婦人服、子ども服、雑貨まで幅広く手がける大手アパレルメーカーに就職し、その会社に10年近く勤めていました。その中で現場における接客技術や服飾知識、VMD(※)の手法など実践を通して学びました。
※店舗でのディスプレイやオンライン店舗画面などで視覚に訴えながら消費者の購買意欲をあげる手法。
――お仕事の中で、魅力ややりがいを感じるのはどんなときですか?
「ゲキクロ」は、ショッピングモールなどに入っているような通常のアパレルショップとは異なり、SNSでの情報発信に集客が大きく左右されるお店です。私が発信した情報を見て、来店・商品購入してくださったり、わざわざ私に会いに来ていただくお客様がいらっしゃると、とてもうれしいですね。
また、会社自体がラウドロックのメディア『激ロック』、邦楽ロック・洋楽ロックのメディア「Skream!」という2種類の音楽関係のメディアを運営していることもあって、「ゲキクロ」もバンドさん、アーティストさんと密接に関わりながらお仕事をさせてもらっています。
最近はCrossfaith、HER NAME IN BLOOD、ヒステリックパニックなどの人気ラウドロックバンドや、KANA-BOON、KEYTALKなどの若者世代に人気のギターロックバンドまで沢山のバンドグッズを取り扱いさせて頂いており、アパレルを通してではありますが音楽に携わって仕事をさせてもらっていることに非常にやりがいを感じています。また、自社でもオリジナルグッズやコラボアイテムを販売してます。
初めてのお客さんでも、買い物しやすい売場づくりを
――お店を運営していく上で、大切にしていること、心がけている姿勢があれば教えてください。
店舗の売場面積が若干小さいので、「お客様に圧迫感を与えないこと」と、その中でも「初めていらっしゃったお客様でもお買い物していただきやすいような売場をつくること」は特に意識しています。前者はお声掛けのタイミングや立ち振る舞い、後者は売場づくりを日々細かいところまで見直すことを大事にしています。
また、先述のアーティストグッズ取扱にも関わるのですが、現場(LIVE会場、フェスなど)にはできる限り顔を出して現場の空気や動向、いま何を着ている人が多いのかなどは常にチェックしています。そして現場でアーティスト様との関係を築いていくのも重要な仕事の一つです。
自分が培ってきたファッション知識や販売技術を生かせる職に進んだ
――高校時代にもっと勉強しておきたかったことがあれば教えてください。
数学と情報処理です。やはり物を売る仕事なので売上の管理などで必須になります。
――将来、アパレルメーカーで働いたりロックファッションのお店を運営したい、働いてみたいと思っている高校生へ向けて、一言メッセージをお願いします。
僕は、自分が好きな音楽と自分が培ってきたファッション知識や販売技術が結びついたら「きっと何か新しいことが出来る!」と思って、27歳にして転職を決意しました。「ゲキクロ」には、Pay money To my Painという僕が大好きなバンドのメンバーがデザインしてるブランドがあり、それがここで働くキッカケになりました。自分の興味を掘り下げることが、今の仕事につながっていると実感しています。
何かを始めるのに、もちろん早いにこしたことはないけど、それはそんなに重要じゃないと思っています! 大事なのは「何かを成し遂げたい!」という強い気持ち、意識と、それを具体的に動きに出来る行動力。やりたいことが見つかったらまずはすぐ動いてみて下さい! 気持ちが強ければ強い程、ちゃんと結果になって返ってくるはず!
ロック・ファッションを取り扱うお店の店長さんだけあって、熱いメッセージを送ってくれた松本さん。昔からロック系のファッションをしていたのかと思いきや、「実は高校のときはB-BOYで(笑)。全然オシャレじゃなかったんです! 就職してから本格的にいろいろ勉強し始めた感じですね。もちろんその分必死に勉強しました」とのこと。
また、高校では吹奏楽部に入っており、全国大会常連の強豪校だったため上下関係や礼儀作法が非常に厳しかったそうです。そのことが現在の接客にしっかり生かされているのかもしれませんね。
ファッションが大好きで将来アパレル関連のメーカーやショップで働きたい人は、ぜひ一度「GEKIROCK CLOTHING」に足を運んで松本さんの熱い想いに触れてみてはいかがでしょうか。
【profile】GEKIROCK CLOTHING 松本圭輔
http://shop.gekirock.com/shibuya/
この記事のテーマ
「ファッション」を解説
ファッションの専門知識や業界のビジネスノウハウ、感性やセンス、そして技術を駆使し、世の中に新たな流行を生み出すビジネスです。主に、素材づくりや縫製など「つくる仕事」と、PRや販売促進などファッションビジネスに関わる仕事に分かれます。この仕事をめざすには、作品の発表会や学外での職業実習などを通して職業人としての実践力を身につける他、資格取得をめざす場合もあります。
この記事で取り上げた
「ショップスタッフ」
はこんな仕事です
ファッションブティックの店頭で、取り扱うアイテムを、ときには自ら身にまとい販売を行うスタッフ。購買者と直に接することができ、アパレル業務の基本となる仕事。「カリスマ店員」という言葉が流行して以来、ショップスタッフの持つ売上高への影響力が注目されている。勤務場所は路面店など単独の店舗か、百貨店や駅ビルなど施設内の店舗。接客以外に店舗の清掃やバックルームでの在庫管理、陳列、棚卸しといった裏方業務も行う。立場によっては売り上げ管理、ディスプレーなど店舗運営に関与することもある。
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