【シゴトを知ろう】サウンドエンジニア 編

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【シゴトを知ろう】サウンドエンジニア 編

2016.10.11

提供元:マイナビ進学編集部

【シゴトを知ろう】サウンドエンジニア 編

音楽好きなら、「サウンドエンジニア」という言葉を聞いたことがあると思います。アーティストの音楽が耳に届くまでに欠かせない存在です。

今回ご登場いただくロックバンド「THE NEATBEATS」のリーダーでヴォーカル&ギターを担当しているMR.PANさんは、ビンテージ機材を集めたレコーディング・スタジオ「GRAND-FROG STUDIO」を設立し、自らのバンド活動だけでなく、サウンドエンジニアとしてさまざまなアーティストの音楽を手がけています。その音楽への愛情をスタジオでたっぷりと語ってもらいました。

この記事をまとめると

  • エンジニアとは、もともと機材をつくる人から来た用語でもある
  • 自分しかできない音へのこだわりが大事
  • 自分が好きな音楽に対して研究心を持った方がいい

エンジニアというのは、その人自体が音の「ブランド」

サウンドエンジニアとしても活躍している、ロックバンド「THE NEATBEATS」のリーダーでヴォーカル&ギターを担当しているMR.PANさん

サウンドエンジニアとしても活躍している、ロックバンド「THE NEATBEATS」のリーダーでヴォーカル&ギターを担当しているMR.PANさん

――現在のお仕事内容について教えてください。

簡単に言うと、「バンドやアーティストの音楽を録音する係」です。ただ、「エンジニア」という名前からも分かるように、昔は音を録音する仕事というよりも、実はレコーディング機材の開発から関わっている人だったんですよ。昔は市販されている機材がなくて、一つひとつレコーディング機材をつくっていたんです。だから工業的なエンジニアという意味もかなり大きかったというか。

今は、昔のエンジニアさんがつくった機材が大量生産されていて、それをみんなが使っているということになります。だからサウンドエンジニアというのは、音をつくる人であり、機材をつくる人という意味ももともとあったんです。

私が今やっているエンジニアの仕事というのは、「CDを作りたいのでレコーディングしてください」というオーダーが入って、アーティストたちが考えている音を形にしてレコード会社に納品して、それが発売されるという流れになっています。ただ、エンジニアのタイプにもいろいろあって、バンドやアーティストが演奏した音をそのまま録音・調整し、1つの曲にして仕事を終える人もいれば、アーティストが持ってきた曲を一緒にアレンジしたりアイデアを出したりする人もいます。私はどちらかというと、プロデュースをもかねていることが多いですね。

これまでエンジニアとして携わったアーティストはOKAMOTO’Sやフラワーカンパニーズ、THE PRIVATES、仲井戸”CHABO”麗市さん、ムッシュかまやつさん、甲本ヒロトさんなど、いろいろな方がいます。需要と供給が狭いけれども一致しているというか(笑)、横のつながりでやらせてもらうことが多いですね。私の場合は特殊なサウンドをつくっているという自負があるので、1,000人がほしいサウンドではなくて、5人くらいなんだけど、その5人は知り合いみたいな感じです。

そういう「録る前からの信頼感」はあるかもしれないですね。エンジニアというのは、その人自体が音のブランドだと思うんです。私は、私というブランドがあって、そのブランドの音をほしい人が来るようなニュアンスですね。

録音したバンドが、できあがった音を聴いて、感動してくれたときが一番うれしい

――お仕事の中で、魅力ややりがい、楽しさを感じるのはどんなときですか?

私はビートルズやローリングストーンズなど、イギリスの60年代の音楽が好きなんですけど、ビートルズが当時使っていた機材を調べて、アンプやマイクを探して手に入れていくわけです。それが全部そろっていざ録音したときに、「あっ、これビートルズの音や!」ってなったときはうれしいですね。完全に同じということはないんですけど、いい意味でコピーするというところに個人的には達成感や喜びを感じます。あとは録音したバンドができあがった音を聴いて感動してくれたときが一番うれしいです。それが売れるか売れないかは別次元で、まずは本人たちが自分たちの作品をベストなサウンドで録れたときにはこっちも同じくらいうれしいですね。

私がこのスタジオで録音するときに、ベストなサウンドに近づけるための規則みたいなものがあるんです。機材はここにあるものを使ってくれとか、基本はモノラルでやらせてくれとか、ミックスは3回までしかしません、とか。そういう制限もおもしろいかなと思っていて。まあ、若いバンドには無理を言うと、みんなが近寄ってくれなくなるからあんまり言いませんけど(笑)。


――お仕事の中で大変さや苦労を感じるのはどんなときですか?

朝8時から夕方5時とか、勤務時間に定時がないことですね。ミュージシャンはみんな朝が弱いから(笑)、だいたいスタートがお昼の12時以降で、例えば時間がなくて1日でやらなくちゃいけないときなんかは、終わるのが夜中の2時〜3時ということもあるので、時間が読めないのが大変ですね。それと、迷い出してしまって結局作品としてまとまらないときもたまにあります。


――現在のお仕事を志すようになったきっかけを教えてください。

高校を卒業してからイギリスにいたことがあって、『Toe Rag studio(トーラグスタジオ)』というビンテージ・レコーディング・スタジオに出入りしてギタリストとしてスタジオ・ミュージシャン的なことをやっていたんです。そのときに「自分が弾いた音がこんな風に録れているんだ! 自分でも録音してみたい」と思うようになって、エンジニアさんのやり方を見て覚えて行ったんです。それがきっかけで、日本に帰ってきてからも、いつかは自分もスタジオをやりたいと思っていて、2007年にこのスタジオを立ち上げました。

レコーディングをするときのマイクの位置なんかは、全部写真で覚えました(笑)。ビートルズやストーンズの写真集を見て、マイクとドラムの位置はこのへんだなとか、まず見様見真似でやってみて録音してから、「なぜここにマイクを置いていたのか?」を調べたりするんです。そういうやり方でノウハウを自分の中に作って行きました。
エンジニアとしてのルールやマナーは専門学校で学べると思いますけど、そこを越えたところにあるものが、サウンドエンジニアとしての自分を確立するのに必要なことなんじゃないかと思います。それがないとみんな同じ音になってしまうので、「自分が好きな音楽はこれなんです」という偏ったところもあってもいいと思います」


――このお仕事はどんな人が向いていると思いますか?

「神経質で、なおかつ自分の意見を押し通す人」がいいと思います(笑)。真逆に感じるかもしれないけど、作業に対してはすごく細かく神経質なんだけど、全体像に対しては「これはこうだ!」って言い切れる人の方がおもしろいサウンドをつくれるんじゃないかと思います。私の場合は、「ミュージシャンがこういう曲を演奏するのでこういう風に録音してください」というだけのオーダーに対しては、「いや、それはうちではできません」というくらいのこだわりがあってもいいと思っているんですよ。そういう職人かたぎの人は向いていると思います。

サウンドエンジニアというのは、「音楽を制作している人」という大きな枠の中で捉えられているけど、その中にはそれぞれの担当があると思っていて、私の担当というのは、流行り廃りの中で時代のニーズに合った仕事をするわけではなくて、それ以外のところ、文化とか伝統をそのまま今に伝えるということだと思うんです。デジタルを使った新しいやり方も否定しているわけではなくて、それは私の担当ではないということなんです。

自分が好きな音楽に対して研究心を持った方がいい

――サウンドエンジニアを目指している高校生へ向けて、一言メッセージをお願いします。

「音をつくる、音をいじる」という意味でのサウンドエンジニアになるんだったら、幅広くいろいろなところで活動できるように、もちろん専門学校などに行った方がいいと思います。ただ、「音楽を創る」という、アーティストとして自分が成立したいと思うのであれば、それに加えて自分が好きな音楽に対して研究心を持った方がいいと思います。



デジタルで録るのではなくて、機械よりも人の手・技術をなるべく出したい。だから、同じものは二度と録れないという、職人魂を感じさせるMr.PANさん。エンジニア仕事をまとめたコンピレーション・アルバム「I GOT MY "MONO" WORKING(MR.PAN'S ACTION AT GRAND-FROG STUDIO VOL.1、VOL.2)」も発売されています。

どこでも通用する実用的な知識を得ることも大事ですが、自分にしかできない個性を音に出すこと。それが、デジタルで画一的な作品があふれている現代でサウンドエンジニアに求められている要素なのかもしれませんね。

【取材協力】MR.PANさん(THE NEATBEATS)
http://www.neatbeats.net/

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「サウンドエンジニア」
はこんな仕事です

レコーディングエンジニアとも呼ばれ、録音スタジオが主な職場だ。録音機材をコントロールし、関係者が納得する音をつくり出すのが仕事。音楽を世間にリリースするにあたって欠かせない録音の職人といえる。歌手や演奏者の特性、テーマを考慮して使う録音機材を選ぶ。演奏音各音域のバランスを取り、調整を重ねてから録音する。楽器ごとに最適な音質を探り、全てのパートを重ねてミックスダウンでバランスを整える。最終行程のマスタリングでトータルの音圧などを微調整して完成となる。

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