【シゴトを知ろう】特別支援学校教諭 編

みなさん、特別支援学校という学校を知っていますか? 特別支援学校は、障がいを持った児童・生徒が通う学校で、「特別支援学校教諭」と呼ばれる先生たちが働いています。
今回は、神奈川県の特別支援学校で働く前島さんにお仕事についてお話を伺いました!
この記事をまとめると
- 子どもの個性を理解し、一人ひとりに合った接し方をする
- 子どもたちの真っ直ぐな気持ちがこの仕事の原動力
- 子どもたちに信じてもらえる先生を目指す
子どもたち一人ひとりの個性を理解する
Q1. 1日のスケジュールを教えてください。
8:30 出勤
9:00 生徒登校
9:45〜11:45 授業
12:10 給食
12:40 昼休み
13:00〜13:50 授業
14:30 生徒下校
15:15〜16:00 休憩時間
17:00 退勤
行事などがあるときを除くと、主にこういったスケジュールになっています。
Q2. どのようなときにお仕事の楽しさややりがいを感じますか?
自分たちにできても子どもたちには難しいということがあります。それを自分がどれだけ分かりやすく伝えられるか、子どもたち一人ひとりの特性を理解しているか。そこを考えながら授業を作り、子どもたちに合った授業ができたときにやりがいを感じます。
楽しさを感じるのは、子どもたちと一緒に活動しているときです。体育などで一緒に練習をしたり、ゲームをしたり、子どもたちが一生懸命な姿を見ると授業作りに力が入ります。
Q3. お仕事の中で、どのようなときに大変さや辛さを感じますか?
「子どもが自分に伝えたいこと」がうまく読みとれないときです。全身を使ってジェスチャーをして伝えてくれているのに「こう? こうかな?」と何度も聞いてしまうことがあります。3回ぐらい間違えてしまうと、(個人差はありますが)子どもたちは疲れてしまい、諦めてしまいます。そのとき、「せっかく伝えようとしれくれたのに、分かってあげられなかった」と辛くなります。
働く中で見えてきたやりがい、変わった夢
Q4. どのような経緯で今のお仕事に就いたのでしょうか?
最初は体育の教員になろうと思っていましたが、教員の仕事依頼が来たのが特別支援学校からでした。はじめは、自分の好きな体育が教えられないことが悔しく、体育への気持ちが強くなっていったのですが、特別支援教諭として働く中で、体育以外を教える楽しさに気付くことができました。
専門的に勉強していたわけではなかったので、1から教材研究をする必要がありました。それが自分自身の勉強にもなり、結果として子どもたちに近づくことへとつながりました。
その経験の中で「体育だけがすべてじゃない」と思えるようになりました。そしてなにより、子どもたちのまっすぐな気持ちに惹かれ、このままこの道に進もうと思いました。
Q5. 大学ではどのようなことを学びましたか?
体育教師を目指していたので、大学では体育分野を中心に勉強しました。身体の仕組みや競技のルール、その他にも教員になるために必要な教育原理や心理を勉強しました。3年生になると、実践的なことを中心に模擬授業などを行いました。
子どもの笑顔を大事に
Q6. 高校生のときはどのような夢を抱いていましたか?
高校生のときの夢は体育の教員になることでした。自分が1番得意な教科が体育だったというのもありましたが、学校生活をいつも支えてくれたのは部活の顧問でした。その先生が指導してくれる体育の授業はとてもおもしろくて、いつも友だちと笑って授業を受けていました。私に何かあるたびに心配してくれて、何があっても私のことを信じてくれる先生でした。そういった学校生活を送る中で「私もこんな立派な先生になりたい」と思い、教員を目指しました。
Q7. どのような人がこのお仕事に向いていると思いますか?
プライドが高くなくて、子どもの笑顔を大事にする人だと思います。人からのアドバイスを、否定せず受け入れる。そういう人でなければ、子どもたちに対して柔軟に対応することはできませんからね。
元気がない子どもがいたら、そっと近くに行き、理由はストレートに聞かず、おもしろいことを言ったり、その子に合った話をしたりして、笑顔にすることができる先生はすごいなと思います。
なので、人の気持ちに敏感な人は特に向いていると思います。
Q8. では最後に、高校生に向けてメッセージをお願いします!
私が高校生のときは、「将来は体育の教員になる!」と思っていましたが、今はこの道を進んでいきたいと思っています。大学を出て社会に出ると、また違った道に進みたいと思うことがあるかもしれません。自分のしたいこと、やりたいことを1番知っているのは自分です。なので、どんな場面でも真剣に答えを出して、夢に向けて頑張って進んでいってください。応援しています!
特別支援学校教諭というお仕事は、子どもたち一人ひとりと真摯に向き合う姿勢が求められる職業だということが分かりました。
「子どもたちの一生懸命な姿を支えたい」という思いがある人は、教員免許が取得できる大学へ進学し、「教員」という道への一歩を踏み出してみてはいかがですか?
この記事のテーマ
「教育」を解説
教育機関や子ども向けの施設で、教育指導に関わる仕事を目指します。小・中学校や高等学校の教員を目指す場合、大学や短期大学の教職課程で学ぶ必要がありますが、専門学校の中にも、提携する大学や短期大学の通信教育を受けて、教員免許状を取得できる学校もあります。語学教師や臨床心理士など希望する職種により、必要な資格や免許が異なります。
この記事で取り上げた
「特別支援学校教諭」
はこんな仕事です
高い専門性を持ち、障がいのある子どもの教育に携わる仕事。特別支援学校とは、盲学校、聾学校、養護学校のこと。保護者とも協力しながら、あらゆる障がいのある子ども一人ひとりの必要に応じて、複数の教員がチームで指導を行う場合が多い。小学校、中学校、高など学校または幼稚園の教員の免許状のほかに特別支援学校の教員免許が必要。教員になってからも、現場を経験しながら研修などを通じて専門的な知識や対応を身に付け、子どもの成長を見守りながら大切な学齢期をサポートしていく。
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