気になる社会人にインタビュー! 第81回:彫金師に聞いてみた10のコト!

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気になる社会人にインタビュー!
第81回:彫金師に聞いてみた10のコト!

2016.09.20

提供元:マイナビ進学編集部

気になる社会人にインタビュー!
第81回:彫金師に聞いてみた10のコト!

みなさんは「彫金師」という職業をご存じですか? 金属を叩く、彫るなどして加工をし、ジュエリーや仏像などの工芸品を作る仕事のことです。ビーズやアクセサリーパーツを組み合わせてネックレスをつくるというのではなく、18金やプラチナなどの金属を加工して製作するのが大きな違いです。

そこで今回は、ジュエリーの製作などを行う、彫金師歴40年の横山達三さんに詳しくお話を伺いました!

この記事をまとめると

  • 彫金師は金属を加工して、リングやネックレスなどのジュエリーを製作する
  • 企業からの依頼やオーダーのほかに、リフォームを行うこともある
  • 手で何かものづくりがしたいという人に向いている仕事

専門学校を卒業後は、ジュエリーの製作会社に勤務し、独立

彫金師歴40年の横山達三さん

彫金師歴40年の横山達三さん

Q1. 普段のお仕事について教えてください。

「私は彫金師として、企業からの依頼で大量生産されるジュエリー(指輪、ネックレス、イヤリング)などの原型制作や、一点もののジュエリーの製作を行っています。原型製作とは、ジュエリーショップの店頭に並ぶ量産品を作る際に必要な金型(かながた)をつくることです。鋳造(金型に溶かした金属を流し込んで成形する)すると元のジュエリーの大きさより小さくなるので、その縮みを計算しながらヤスリやヤットコ、糸ノコなどの彫金道具で手づくりします。

一点物のジュエリーの製作の場合は、お客様と直接話をしながらデザインの打ち合わせし、デザイン画をおこし、デザイン画通りにジュエリーを製作します。およそ7〜8割くらいジュエリーができあがり、立体になったときに、お客様に一度見てもらい確認します。この時に変更の依頼があれば手直しを入れることもあります。完成の前にジュエリーを確認してもらうのは、平面のデザインではみえなかった部分が立体になると分かってくるので、想像と違うと感じるお客様がいるからです。完成品を見せた際につくり直しとなると、つくり直しはかなり大変ですからね。リスク回避のためではありますが、お客様に本当に納得していただけるジュエリーをつくるためでもあります。

ほかには、店舗に来店される個人のお客様のジュエリーやアクセサリーの修理も行っています。指輪のサイズ直しや金具修理、リフォームなどです。また、ジュエリー教室を運営しているので、生徒さんへの製作指導も行っています」

Q2. 現在のお仕事に就くまで、どのような勉強や経験を積まれてきたのでしょうか。

「私は彫金の専門学校へ行き、その後、制作会社にて実務を行いました。この時は、ダイヤが円形にぐるりと巻くようにはめこんであるリングやルビーなど石の入ったものなどを製作していました。入社してから見習いのようなことはなく、1から10までの工程を任されて製品をつくっていました。それから独立し、老舗宝飾店でハイジュエリーを中心に手掛け、今はジュエリー工房と彫金教室を運営しています。職人歴は40年になります」

Q3. お仕事の中で、魅力ややりがいを感じるのはどんなときですか?

「お客様にリフォームやオーダー品をお渡ししたとき、予想以上に喜んでいただいたときです。製作途中でお見せした品物ではありますが、完成品をお客さまに見ていただくときは、この仕事を何年やっていてもドキドキするものです。完成品を見た瞬間に、パッと笑顔になり、こんなにすてきになるとは思ってなかったなどと言っていただけるとホッとします。また、リングをおつくりしたお客様から『つけているのを忘れるほど、着け心地のよいリングね』という言葉をいただいた時はとても印象に残っています。また、満足してくれたお客様が、別のお客様をご紹介してくださると、本当にうれしく思います」

Q4. お仕事に取り組む中で、大切にしていることがあれば教えてください。

「集中して製作することを心掛けています。全体のバランスを決めるために、ジュエリーのパーツ同士を何度も付け直し、微調整を繰り返し、平面のデザイン以上のものを完成させるように製作をしています。また、常にほかの作品の構造を注意深く観察し、自分がつくるときに応用できるようにと頭の中にストックしておくようにしています」

高額な商品を扱うため、間違いがないように注意して製作をする

ジュエリーづくりの様子。「試行錯誤しながら自分自身の納得のできるものができて納品できたときは思い出に残っています」と話す横山さん

ジュエリーづくりの様子。「試行錯誤しながら自分自身の納得のできるものができて納品できたときは思い出に残っています」と話す横山さん

Q5. お仕事の中で、一番の思い出や達成感のあったエピソードはなんですか?

「デザイン画通りになかなか製作できず、試行錯誤しながら自分自身の納得のできるものができて納品できたときは思い出に残っています。それは、企業からの依頼品で、納品日に何とか苦労してつくりあげたものの、自分でも納得できないまま先方に持っていかなくてはなりませんでした。当然のことながら、先方からもNGがでて、それから3日間ほとんど徹夜で作り上げやっと納品できました。その時は、これができなかったらこの仕事をやめようとさえ思ったほどでした」

Q6. 今後につながる教訓となったできごとがあれば教えてください。

「高価な品物を扱っていることもあり、笑える失敗はありません。本当にした失敗は今も笑えないほどです。企業からの依頼で、以前に作ったことのあるデザインで担当者からも『前と同じで』と言われたので18金でリングを作成したところ、完成品をみた担当者の目が点になり、『今回はプラチナなんだけど』と言われたことがありました。その後、指示書をみると確かにプラチナでと書いてあったのです……。担当者は、『前に製作したことのある同じデザインのリング』という意味で『前と同じ』と言っただけで指示書をよく確認せずにつくった失敗でした。大慌てで、製作し直しました」

Q7. 彫金師に向いている人や、彫金師になる際に必要な知識について教えてください。

「ジャンルは問わずに、なんでもいいので、モノづくりが大好きな人が向いていると思います。製作しながら知識を学べるので、最初から必要な知識は特にありませんよ」

Q8. 彫金師をされていて、今後はこんなことをやりたいなど将来の夢はありますか?

「D.I.Y(Do It Yourself=自分でつくること)が趣味で、いろいろと手づくりしていますが、その作品を販売できるようにしていきたいなと思っています。お店の商品をディスプレイする台や観葉植物を飾る箱なども手づくりしているので、いつかジュエリーと一緒に販売していきたいなと考えています」

彫金師を目指すならば、ジュエリーの構造を普段からよく観察してほしい

「ジュエリーの構造を普段からよく観察することが大事」と話す横山さん

「ジュエリーの構造を普段からよく観察することが大事」と話す横山さん

Q9. 高校時代はどのように過ごしていましたか?

「高校時代は、プラモデルや木で作った模型などをたくさんつくっていましたね。高校でもっと勉強しておきたかったのは、美術です。お客様と話しながら、お客様のイメージしているものをサラサラッと目の前で書けるようなデッサン力が今あったらなぁと思うことがしばしばあるからです。デッサン力があれば、口では表現できないラインや構造を説明しやすくなると思います」

Q10. 彫金師を目指している高校生へ向けて、一言メッセージをお願いします。

「彫金師を目指しているのであれば、ジュエリーショップの品物をよく見て、できれば手に取らせてもらい、裏側から構造をよく観察してみてください。そして、『どうなっているんだろう?』『どうやってつくっているんだろう?』とたくさんの疑問を持つことです。また、身の回りにある建物、乗り物、動物などをよく観察し、ジュエリーのモチーフにするときどのようにしたら形にできるか考えてみるといいと思います」


彫金師は、手仕事で作業をするので、何かものづくりがしたいという人にはぴったりの職業です。ハイブランドの高級ジュエリーなども、職人によって手づくりで作られているものもあるので、仕事の幅が広いのがポイントです。彫金の教室もいろいろなところで行われているので、興味を持った人は、まずは彫金について学べる場所をぜひ調べてみてくださいね。

【取材協力】OZUジュエリー工房
http://www.ozu-jewelry.com

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「彫金師」
はこんな仕事です

彫金とは、金・銀・銅・プラチナなどの金属を透かし、打ち出しや象眼などの技法で彫ることを指す。彫金師は、それぞれの金属の特徴を生かし、アクセサリーや食器、家具などの装飾金具を制作する仕事。この仕事に就くには、美術系の専門学校、彫金教室などで基礎を学び、彫金師のアシスタントになるか、宝石メーカーや工房に所属するのが一般的だ。伝統工芸としての彫金師は減りつつあるが、近年ではジャンルに関係なくユニークなオリジナル作品を創作し、アクセサリー店に売り込んだり、ネット販売を行う人も現れている。

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