気になる社会人にインタビュー! 第79回:小売店店主に聞いてみた10のコト!

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気になる社会人にインタビュー!
第79回:小売店店主に聞いてみた10のコト!

2016.09.14

提供元:マイナビ進学編集部

気になる社会人にインタビュー!
第79回:小売店店主に聞いてみた10のコト!

みなさんの中には、「将来は、『自分のお店』を持ちたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。モノを個人のお客さんに売るお店のことを「小売店」と呼びますが、小売店の店主は、売るための工夫や努力を常に求められる仕事です。

そこで今回は、小売店の一種である「青果店(八百屋)」の店主の方に、お店を経営するということについて、詳しくお話を伺いました。今回、お話を伺ったのは、東京都足立区にある「杉本青果店」の店主、杉本晃章(すぎもと・てるあき)さんです。

この記事をまとめると

  • 野菜の品質やおいしさが問われる今の時代、店主として商品知識を身に付けていかなければいけない
  • 自分の「信念」を大切にし、「メリハリ」をつけて仕事をするのがよい
  • 売る側が工夫をして、野菜のおいしさを伝えれば、お客様はそれに応えてくださる

商品の品質が問われる時代。店主として野菜についての勉強は必須になっている

テレビ東京の番組「一元さん」にて、都下東青梅の体育館でのスナップ_杉本さん

テレビ東京の番組「一元さん」にて、都下東青梅の体育館でのスナップ_杉本さん

Q1. 普段のお仕事について教えてください。

「私は青果店の店主として、野菜の仕入れや販売を行っています。仕入れた野菜は自分のお店で売る以外にも、学校・居酒屋・レストランなど、30か所に卸しています。店主の仕事として、市場にない野菜を仲卸業者(市場と小売業者を仲介する業者のこと)に注文したり、納品伝票(会社や団体に商品を売るときに付ける伝票)を作ったりしています。ほかにも、お店の収支を管理したり、従業員の給料を計算して、給与袋に詰める『経理作業』などもしています。通常、八百屋で事務員を雇うことはないので、経理の仕事は店主がやることになります。

また、私の場合、北足立の八百屋の組合の副支所長も勤めています。その関係で、月1~2回、小学生や若い親子、お年寄りに向けて、野菜に関する『食育』の講演を行っているんです。地方の八百屋の組合に呼ばれて、講演することもありますよ。野菜の品種についての知識を伝えたり、『こういう状態の野菜がおいしい』という話をしたりしています」


Q2. 1日の大まかな流れを教えてください。

「野菜の市場は、明け方からやっており、いい品は早い時間に売れてしまいます。だから、一般的に、八百屋は朝の4時~6時には市場に行って、仕入れを行います。その後、朝の8時ごろにはお店に戻りますが、私はほかの従業員にお店を任せて、市場に残り、組合役員としての仕事を行っています」

06:00 市場にて、仕入れを行う
(08:00 他の従業員は仕入れた野菜を持って、お店に戻る/学校・居酒屋・レストランなどに納品に行く)
10:00~11:00 市場にて、組合役員としての仕事を行う
11:00 お店に戻り、販売、事務・経理作業の仕事を行う
19:30 片付け
20:00 閉店・退勤

Q3. 青果店のお仕事を始められてから、現在までの道のりを教えてください。

「私は18歳で八百屋の仕事を始めました。50年間、八百屋一筋です。仕事を始めてからの前半30年間は、『売れて当たり前』の時代でした。高度経済成長期からバブル経済の時期は、現在の2~3倍の量の品物を売り続けてきました。とにかく売ることに夢中でした。

その後、モノが売れない時代が始まりました。『量より質』、つまり、商品の品質やおいしさが問われるようになったんです。今までよりも、野菜についての『勉強』が必要になりました。自分自身が野菜について詳しくなければ、お客さんにもいいものをおすすめすることができないからです。

2000年からは、八百屋のための研修講座『八百屋塾』に参加し、専門家の先生の話を聞き、食べ比べをしたり、料理を作ったりするようになりました。勉強を重ねていく内に、自分の中の知識が増えていき、それが高じて、今ではさまざまな講演会に呼ばれたり、本を書いたり、テレビ番組に出演したりするようになりました。

私は、人生の『勉強』は死ぬまで続くと思っています。30年前の野菜と今の野菜はまったく違います。いつでも最新の知識を身に付けなければいけません。自分の人生の『卒業証書』はないので、常に勉強するように心がけています」

安易に人のマネをしてはいけない。自分の「信念」を守ることがお店として生き残る道

2015年10月に石川県能登おおぞら農協の招きで行われた講演の様子

2015年10月に石川県能登おおぞら農協の招きで行われた講演の様子

Q4. お仕事の中で、魅力ややりがいを感じるのはどんなときですか?

「野菜を通して、『季節を肌で感じることができる』のは、この商売ならではの魅力だと思います。野菜は1年中同じものが売られるわけではないですから、『旬の品物』が売られ始めると、四季を感じることができるんです。あとは、自信を持って売った品物を、お客さんが「おいしかった」と言ってくれて、またリピートして買ってくださったときはやりがいを感じますね」

Q5. お仕事に取り組む中で、大切にしていることを教えてください。

「『信念』です。安易に人のマネをするのではなく、自分の店のポリシー(信念)を守ることが大事だと考えています。それが、お店として生き残る道です。自分でも、野菜や果物にかけての舌は肥えている(味のいい・悪いがわかる)という自信があります。だから、私の信念は、『自分で食べて“うまい”と思ったものは、他の人にとっては“ダントツでうまい”のだから、自分の舌を信じる』ということです。自分で食べてみて『これは、あまりおいしくないな』と思ったものは絶対に売りません。たとえ、店頭に並ぶ品物が少なくなってしまっても、売っちゃダメだと考えています。

あとは、『メリハリをつける』ことも大切にしています。昔は『働くことが美徳』と思われていて、お店を閉めた後も、夜遅くまで仕事をする八百屋がたくさんいました。さらに、野菜市場は月のうち1日・15日だけが休みだからといって、その日だけをお店の定休日にして、一年中働き続ける風潮がありました。今でもそういう働き方をしている方もいるようですが、私はいいと思いません。夜は20時で仕事を終えて、日曜はしっかり休みます。働いてばかりだと、従業員も疲れて辞めてしまいます。それは絶対に避けたいことです。また、休日に家族で遊びに行く時間を大切にしてほしいと考えているんです」

Q6. お仕事の中で、一番の思い出や達成感のあったエピソードはなんですか?

「今までいろいろとメジャーなテレビ番組に出演し、マスコミの方からは認めていただけたと思います。それでも、やっぱり一番の思い出は『八百屋の全国大会』に出場したことです。北海道から沖縄の八百屋の組合役員450人の前で講演を行いました。『“同業者”に認められた』という気持ちになり、達成感を感じました」

Q7. 失敗談や、今後につながる教訓となったできごとがあれば教えてください。

「今から20~30年前、バブルの時期に八百屋が乱立しました。スーパーでもさまざまな野菜を売るようになりました。私は、他店との競争に勝ちたいと思い、何としても売り上げを伸ばしたいと考えて、『安売り』を始めるようになりました。

でも、『安さ』の競争になると、品質の低下はまぬがれられないんですよ。例えば、昨日の残りものの野菜を売ることになったりする。そういう野菜は、食べられないことはないけど、おいしくはありません。気づくと、『杉本さんの野菜は新鮮でおいしいね』と言ってくださっていたお客さんは、ほとんどお店に来なくなってしまいました。

お客さんに対して申し訳ない気持ちになりましたし、自分自身が売り上げのことだけ考えて、野菜のおいしさを忘れてしまったことが何よりもショックでした。それからは、『本当においしい本物の野菜を、お客さんにとって、より良い形でお届けする』という考えの基に、八百屋業を行っています」

八百屋には、「お客様においしさを伝える」努力・工夫が求められている

Q8. お休みの日はどのように過ごしていますか? 

「金魚の飼育をしています。八百屋の倉庫を半分使い、そこに水槽を置いて、現在500匹ほどを育てています。秋に開かれる『金魚の甲子園』の大会を目指しているんですよ。見た目のいい金魚を選りすぐって、出場させる予定です」

Q9. 高校時代にもっと勉強しておきたかったことがあれば教えてください。

「勉強しておきたかった科目は、英語ですね。お客さんにも海外の方はいますし、昔は産地見学で東南アジアなどにも行っていたので、やっぱり話せるようになっておきたかったです。逆に、勉強しておいてよかった科目は、社会です。野菜の産地を知るときなどに、地理の知識が役立っています」

Q10.「青果店の店主」を目指している・仕事に興味を持っている高校生へ向けて、メッセージをお願いします。

「八百屋は、朝がとても早いのに、夕方は17時~18時ごろまで働かなければいけません。しかも、生鮮食品は古くなったら売れなくなるので、せっかく仕入れた野菜もすべて廃棄しなければいけなくなります。また、今の消費者は仕事などで忙しいので、時間がかかる料理は作れません。だから、私は『生で食べられる野菜』を用意したり、『つけもの』を作ってお店で売るようにしています。また、トウモロコシをふかして、1本単位で売っています。一人暮らしの方や若者が便利に感じて買っていってくれるんです。八百屋であるにも関わらず、『調理補助』もしているわけです。

八百屋といっても、ただ野菜を売る時代ではなくなっているということですね。常に努力を怠らずに、お客さんに野菜のおいしさを伝えるように努めなければいけません。逆にいえば、『売る側が工夫をして、野菜のおいしさを伝えれば、お客さんは応えてくださる』んです。八百屋の店主を目指している高校生のみなさんには、今お話ししたことを知っておいてほしいと思っています」


お店を開くと、どうしても他店と競争をしなければいけなくなります。しかしながら、そのことばかりにとらわれてしまうと、最も大事な「お客様」の目線を忘れてしまうことにもなりかねません。杉本さんのおっしゃるように、売る側が「商品の良さを伝える工夫」をすることが大事だと思います。いつか自分のお店を開きたいと考えている人は、まずは自分の身近にいる人に対して、自分がいいと思ったことを上手に伝える練習をしてみるとよいのではないでしょうか。

【取材協力】杉本青果店
http://www.sugimototeruaki.com/index.html

この記事のテーマ
ビジネス・経営」を解説

法律などの専門知識を学び、文書作成などの技能を磨くほか、資格取得や検定合格を目指すカリキュラムもあります。小売業や不動産売買、経営コンサルタントや税理士など、各ビジネス分野におけるスペシャリストも育成します。国家試験の合格が求められる高度な資格を必要とする仕事もありますが、専門学校の中には受験指導に実績を誇る学校もあります。

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この記事で取り上げた
「小売店店主」
はこんな仕事です

スーパーマーケットやコンビニ、百貨店、専門店などで、お店の管理責任者として働く仕事。店舗の経営方針を決め、スタッフを的確に指導し、売上アップをめざす。どのような商品を仕入れるとよいか、どのような商品ディスプレーをするとよいか、どのようなプロモーションをすればよいかなど、多角的な視点で業務を行う。また、スタッフの教育や採用も大切な業務で、スタッフのシフトを決めたり、スキルアップにつながる研修を行ったり、業務内容は幅広い。

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