気になる社会人にインタビュー! 第72回:司書に聞いてみた10のコト!

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気になる社会人にインタビュー!
第72回:司書に聞いてみた10のコト!

2016.09.12

提供元:マイナビ進学編集部

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気になる社会人にインタビュー!
第72回:司書に聞いてみた10のコト!

図書館が好きで、頻繁に通っているという人であれば、本の貸し出し処理や、問い合わせの対応をしている職員を「司書」と呼ぶことを知っているでしょう。実は、司書の仕事内容は、私たちの想像以上に幅広いようです。

そこで今回は、東京都新宿区にある「四谷図書館」で司書をしている遠藤ひとみさんに、普段のお仕事について詳しくお話を伺いました!

この記事をまとめると

  • 図書館の司書の仕事内容は幅広く、イベントの企画をしたり、地域の会議に参加したりすることもある
  • 遠藤さんはスマホ向けアプリの制作に参加し、「街歩き」といったイベントを行ったこともある
  • 図書館司書の仕事においては、他者を大切にする気持ちや、何かを知りたいという好奇心・向上心が大事

本の貸し借りだけじゃない。イベントの企画もするのが、司書の仕事

東京都新宿区の「四谷図書館」で司書を務める、遠藤ひとみさん

東京都新宿区の「四谷図書館」で司書を務める、遠藤ひとみさん

Q1. 普段のお仕事について教えてください。

「私は東京にある図書館で、司書として務めています。私の仕事は、大きく分けて2つあります。1つめの仕事は、『通常業務』と呼ばれる仕事です。カウンターでの貸し借りや、本の予約業務・整理・分類、レファレンス(問い合わせ対応)を行います。レファレンスでは、利用者さんの『タイトルはわからないけど、こんな本を読みたい』『○○時代の写真を探している』『町名の由来を調べたい』といった質問にも答えることもあります。

2つめの仕事は、『企画広報』です。主に地域の方に向けたイベントの企画を立てているんですが、中高生向けに『ビブリオバトル(本の書評合戦)』のイベントを企画したこともあります。自分の好きな本とその魅力を発表してもらい、最後に『どの本が読みたくなったか』を投票して、1位を決めるイベントです。あとは、『調べもの学習』や『レポート・小論文の書き方』の講座も行ったことがあります。また、広報(※)の仕事としては、図書館外へ発信する情報の交通整理のほか、広報紙や、館内で配布するチラシの制作などをしています。

地域の方々には、図書館で本の貸し借りを行っていただくだけでなく、調べものなど様々な機会に立ち寄っていただきたいと考えています。『地域に貢献すること』も図書館の重要な仕事だと考えているので、地域の方々の会議に参加して、意見交換をすることもありますし、地域で作られた小冊子を収集して、情報発信に協力しています」

※「広報」……会社や団体の活動を、一般の人たちに伝える活動。

Q2. 1日の大まかな流れを教えてください。

「私の場合は、3交代制(勤務時間が3種類あり、日によって違う制度)で勤務をしています。ここで紹介するのは、『早番』の場合の仕事の流れです」

08:00 出勤、開館準備
09:00 開館、カウンターでの接客業務
11:00 事務作業(メールチェック、電話対応、企画書・報告書の作成、ホームページや広報紙の原稿執筆、展示に関する打ち合わせ、本の修理)
12:00 昼食
13:00 予約業務(利用者が予約した本が、他の図書館から届けられるので処理作業を行う)
14:30 事務作業
17:30 退勤

Q3. 現在のお仕事に就くまで、どのような勉強をし、経験を積まれてきたのでしょうか。

「私は、高校のときから『地方自治』『文化』『福祉』に興味がありました。高校で海外・タイに留学したことをきっかけとして、『幸せや豊かさって、何だろう?』と思うようになったんです。そして、豊かさは、金銭的なものだけじゃなくて、文化や教育がもたらすのではないかと考えるようになりました。『自分も何かできることはないだろうか』と考えて、大学の総合政策学部・国際政策文化学科に進学することに決めました。

大学を卒業した後は、銀座の絵画を扱うギャラリーで4年間働きました。そこでは、営業、広報、個展の企画といった業務を行っていましたので、その経験を踏まえて転職し、図書館の運営に携わることになりました」

さまざまな利用者が来る図書館。色々な人の視点に立って、考え方を理解するのが大事

遠藤さんも制作プロジェクトに参加したアプリ『高遠ぶらり』

遠藤さんも制作プロジェクトに参加したアプリ『高遠ぶらり』

Q4. お仕事の中で、魅力ややりがいを感じるのはどんなときですか?

「この仕事は、日常生活と直結した仕事だと思うんです。例えば、普段の料理の経験は、レシピ本やグルメ本をそろえるときや、利用者からの料理本の問い合わせの対応に生かすことができます。日常で起きるすべてのことが業務の役に立つのは、司書の仕事の魅力的なところです。

あとは、本に関する質問にお答えしたとき、利用者さんに喜んでいただいたり、私がおすすめした資料を参考にしていただいたレポートやホームページを見せてくださったりしたときは、やりがいを感じますね」

Q5. お仕事の中で、一番の思い出や達成感のあったエピソードはなんですか?

「四谷図書館界隈の地域情報をスマートフォン向けアプリに搭載できたときは、達成感を感じました。長野県の伊那市図書館と高遠図書館が主導で制作している『高遠ぶらり』というアプリの制作プロジェクトに参加させていただいたんです。伊那市の「高遠町」には江戸時代、高遠藩という藩(※)がありました。藩主が参勤交代(※)で、江戸に来た際の下屋敷が現在の新宿御苑というご縁から、伊那市と新宿区は友好提携都市となっています。江戸時代の古地図についているピンをタップすると、その場所の解説を見ることができる仕組みになっています。

前例がない中で、多くの人にアプリを作る意義を説明し、説得を重ねました。また寺社仏閣などに掲載許可を取る数が多く大変でした。でも、無事完成したアプリを使って、街歩きなどのイベントを行って、地域交流をうながすことができたときは、すごくうれしかったです」

※「藩」……江戸時代の大名の領地。大名とは、日本全国にいた武家のこと。
※「参勤交代」……大名に義務付けられていた、1年おきに領地と江戸を往復する制度。

Q6. お仕事に取り組む中で、大切にしていることがあれば教えてください。

「企画を立てる時や調べものの際に役立つので、あらゆるものにアンテナを張ることを大切にしています。また、図書館は公共の場所なので、いろいろな年齢、立場の方がいらっしゃいます。正義や真実は、その人の経験や価値観によって変わってくるんですよね。だから、『思い込み』を排除して、多種多様な方の視点に立って、いろいろな意見を理解するように努めています」

Q7. 失敗談や、今後につながる教訓となったできごとがあれば教えてください。

「よかれと思った対応で、利用者からお叱りを受けてしまったことがあります。電話口で明るく対応したことによって、軽率だと捉えられたり、カウンターで丁寧な動きを心がけていたら、『動きが遅い』と指摘されてしまったり。お一人おひとりに臨機応変に対応するように心がけています」

司書の仕事をするには、「人が好き」かどうかが大事

Q8. お休みの日はどのように過ごしていますか?

「お休みの日は、プールに行ったり、博物館・美術館巡りをしたりしています。趣味の場では、色々な職業の方と出会うんです。四谷図書館はビジネスマンの利用者が多いので、スムーズに問い合わせの対応ができるように、経済紙に目を通したり、異業種の方と積極的にコミュニケーションを取ったりしています。また、大学やほかの図書館で行われている勉強会にも参加しています」

Q9. 高校時代はどのように過ごしていましたか?

「高校2年生のとき、1年間タイに留学をしました。『チェンライ』という、ミャンマーやラオスと国境を接する県にいたことから欧米からの観光客も多く、学校にはインド系、マレー系、華僑(中国からの移民やその子孫)もいました。山岳民族の村にも遊びに行きました。いろいろな人種の人と接したおかげで、国際関係のことや地域の文化、地誌、語学、政治に興味が持てるようになりました。

司書の仕事では、地域資料を収集し、地域の歴史を掘り起こして、他の方々に紹介することもあります。その際に大切になる『これって、みんな当たり前に思っているけど、実はおもしろいな』という『外部』からの視点は、高校生の留学のときに養われたように感じています」

Q10. 「司書」を目指している・興味を持っている高校生へ向けて、メッセージをお願いします。

「『司書』と聞くと、本好きの人が就く職業のイメージがあるかもしれません。でも公共図書館は、生涯学習(※)の機関です。司書の仕事をするには、本が好きかより、『人が好き』なことが大事なんじゃないかな、と考えています。本のデジタル化が進むことから、図書館員の役割は今後、変化していくと考えられますが、常に根本にあるのは、『人に対して何かを伝えること』です。だから、他者を大切にする気持ち、何かを知りたいという好奇心・向上心が大事だと思います。

また、コミュニケーションも大切なので、常に色々な方の目線に立てるようにするといいと思います。メディアリテラシー(※)も大切ですね。例えば、ニュースが報道されたときは、『日本はこう考えているけど、外国はどうなんだろう?』と立場を変えて、モノを考えてみてください。さまざまなことに興味を持つことができて、顔を合わせたリアルなコミュニケーションを大事にできる高校生であれば、きっと司書に向いていると思いますよ」

※「生涯学習」……学校を卒業した後も、生涯にわたって学習をし続けること。
※「メディアリテラシー」……メディアから発信される情報を読み解き、真偽を判断すること。

一般的に、教育に携わる際は、さまざまな角度から物事を考える視点を持つことが大事だと言われています。図書館は「生涯教育」の機関です。遠藤さんも、色々なことに興味を持ち、積極的に活動をし、多くの人と交流していらっしゃいました。将来、司書になりたい人は、物事・人に対する好奇心を忘れずに、ぜひ夢に向かってチャレンジしてみてくださいね!

【取材協力】
新宿区立四谷図書館 (指定管理者:紀伊國屋書店・ヴィアックス共同事業体)

この記事のテーマ
教育」を解説

教育機関や子ども向けの施設で、教育指導に関わる仕事を目指します。小・中学校や高等学校の教員を目指す場合、大学や短期大学の教職課程で学ぶ必要がありますが、専門学校の中にも、提携する大学や短期大学の通信教育を受けて、教員免許状を取得できる学校もあります。語学教師や臨床心理士など希望する職種により、必要な資格や免許が異なります。

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この記事で取り上げた
「司書」
はこんな仕事です

図書館や政府機関、企業の資料室で必要な本や新聞、CDなどを選定・収集・分類し、貸し出し・返却業務を行う仕事。大量にある書籍に規則に沿った特定のコードを付け、コンピュータなどを使って記録、整理することも重要な仕事となる。情報化社会となったことで資料を効率よく探す手伝いをする司書のニーズは上昇傾向にある。大人だけでなく、子どもに対しては読み聞かせ会の企画運営を実施するなど、より多くの地域の住民に本を利用してもらえる環境づくりも行っている。

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