「夢なんてなくていい」ーー現CAMPFIRE代表の連続起業家・家入一真さんが語る、「起業」と「これからの社会」について

  • ようこそ、ゲストさん
  • ログイン
  • メンバー登録(無料)
  • エリア設定
  • 保護者・先生の方へ
MENU
閉じる
  • ようこそ、ゲスト さん

    メンバー登録(無料)

  • 適学・適職診断無料!

    診断を受ける

  • エリア設定

現在4校がカートに入っています。

一度に最大30校までまとめて資料請求することができます。

閉じる

「マイナビ進学」サイトが別タブでが開きます。

「夢なんてなくていい」ーー現CAMPFIRE代表の連続起業家・家入一真さんが語る、「起業」と「これからの社会」について

2016.08.25

提供元:マイナビ進学編集部

「夢なんてなくていい」ーー現CAMPFIRE代表の連続起業家・家入一真さんが語る、「起業」と「これからの社会」について

これまで数々のWebサービスや飲食店などの「遊び場」をつくり続け、「JASDAQ最年少上場」という肩書きを持った人物を、知っていますか?

今回お話を聞いたのは、起業家であり、投資家であり、クリエイターの(現・CAMPFIRE代表)家入一真さん。どうして彼は、常に新たなステージに挑戦し続けているのでしょうか。そして家入さんが語る、これからの社会と生き方についての「考え方」を語ってもらいました。

この記事をまとめると

  • 手伝ってくれる人たちがいて目覚めた、起業家としての意識
  • 「連続起業家」と呼ばれる家入氏、「上場」は一つの区切りとして捉えていた
  • これからは「働き方を逆算した生き方」にフォーカスした時代へ

「連続起業家」としてのモチベーション

都内某日、予定時刻より30分ほど遅れて登場した家入さん。

家入:あ、すみません。ポケモンGO※1やってたら遅くなりました。

※1……ナイアンティックラボ開発のアプリゲーム

ーーいえ(笑)。今日はよろしくお願いします。

家入:よろしくお願いします。ポケモンGOしながらインタビュー受けてもいいですか?

ーーすごいラフですね(笑)。

家入:あ、今フシギダネいますよ! ちなみに、ボールをくるくる回してカーブかけるとボーナスの経験値がもらえるんですよ。

ーー……(笑)。ではさっそく、質問させていただきますね。

家入:(フシギダネをゲットしながら)どうぞ。

ーーもう語り尽くしてるかもしれませんが、”最近の家入さん”と聞けば、「CAMPFIREの人」というイメージが強いのではないでしょうか。ということをふまえて、これまでどういったことをされてきたのかお聞かせ下さい。

家入:学生時代にいろいろあって(「逃げたいときは逃げてもいい」現CAMPFIRE代表の起業家・家入一真さんが語る、学校生活について)、21歳のときに初めて株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ株式会社、以下「ペパボ」)という会社を立ち上げました。運がいいことに(当時はインターネット繁栄期だったこともあり)事業が軌道に乗り始めて、手伝ってくれる人がだんだん増えてきて。

そうすると、その会社が”居場所”のように思えてきたんです。これまでどこに居ても馴染めなかったのに(学校生活編参照)。

夢やビジョンがあって起業したわけじゃないんですが、集まってきてくれた仲間たちがいたから、こういうことをしてみよう、ああいうことをしてみよう、と考えるようになったのかもしれません。

それから、僕が29歳の時に会社(ペパボ)が上場しました。その後すぐにペパボを抜けて、次の道を、カフェのような”リアルの場所”をつくろうと思ったんです。

ーー上場してすぐにカフェを経営? なんだか不思議な展開ですね。

家入:そうですね。実際にカフェの経営をやってみて、なかなか大変だと思いました。大痛手を受けちゃったり。渋谷の「ON THE CORNER(オン・ザ・コーナー)」というお店は残っているんですが、それ以外は全部閉店しましたし。

ーーちなみに、どうしてカフェを? 「インターネット事業」から「カフェ事業」って、全然ベクトルが違いますよね。

家入:ちゃんと理由があるんですよ。ペパボを立ち上げて、オフィスを渋谷のセルリアンタワーって場所に置いたんです。そのとき、近所で会議(打ち合わせ)が出来て、外部の人を呼べる場所をつくろうって話になって。

ーーそれからすぐ、カフェをつくったんですか?

家入:はい。もう閉店してるんですが、「ハイスコアキッチン」というカフェをつくりました。カフェなので、一般の人も利用できるようにしたんですよ。そうすると、僕が社員と打ち合わせしている隣で、女性二人が「ここ素敵だね」「ご飯美味しいね」という話声が聞こえてきて。

その話を聞いて、「この人たちの、この時間って、”ここ”をつくったからあるんだな」と感じました。「そんな場所をつくった自分って、すごく誇らしいな」と。そこから目覚めた感じはありますね。場所をつくるってめっちゃおもしろいなって。

ーーちなみに、会社を設立していく(どんどんアイデアを出していく)中で、当時は「上場すること」が目的だったんですか?

家入:目的ではなかったですよ。よく「上場はゴールじゃなくて過程だ」なんて話を耳にしますが、僕のなかでの「上場」はひとつの区切りだったんじゃないかなと思っていて。
あ、フシギソウが出ました。

ーー本当だ。

あ、続けてもらって大丈夫です。ちゃんと集中してるんで。

ーー(こっちが集中できない……!!)

”居場所づくり”の原体験は、半強制的に押し出された学生時代にある

ーーこれまでの話をまとめると、家入さんがつくるサービスで一貫しているものは「居場所づくり」にあるんですか?

家入:それに気づいたのは30(歳)過ぎてからなんですけど、僕の中で……あ、逃げられた!

ーーはははっ!

家入:まぁなんというか、これまでは「目の前のやりたいこと」をやっていたから、自分でも一貫性が無いとは感じていました。「何やってる人ですか?」って聞かれても「いろいろやってますね」、みたいな。

あるとき、「家入くんがやってるのって居場所づくりだよね」って誰かに言ってもらえて、その時始めて気づいたんですよ。最初にペパボをつくったときから、自分が「こういう場所があったら行きたいな」と思うような場所をつくっているな〜なんて思って。

カフェや他の会社のときも、当時引きこもりだった僕が「こういう場所があったら行きたいな」と思う場所をつくっただけなので、”居場所づくり”自体は一貫しているのかな、というか、自分の中で整合性が取れたんじゃないかな。

ーーそれは、引きこもっていた時(学生時代)に感じた、「”寂しさ”のような感情が原体験としてある」というお話でしょうか?

家入:それはあるかもしれません。当時は言語化できなかったですけどね。特に学生時代なんて、学校が「世界」じゃないですか。でも一歩踏み出してみると、もっといろんな「世界」があって、選択肢がある。いろんな人たちがいるはずなのに、学校の中でしか自分の世界は見出せないんです。

ーー学生時代でアイデンティティ(自我)を確率することって難しいですもの。

家入:そう。そこから弾かれたってことは「自分の居場所なんてこの世のどこにもない」っていう気持ちが大きかったんだと思います。だから、ネットに「逃げ道」を見つけたのは必然的だったんじゃないかなぁ。

ーーただその体験って、現代人にとっては「レールを踏み外す」に近いと思うんです。「一般人」と呼ばれる人々は、家庭の事情やまわりの環境に流されて生きてる。その上で、「レールを踏み外すこと」ができる人間と、そうじゃない人間、何が違うと思いますか?

家入:何も違わないと思いますよ。僕の場合、「はみ出したくてはみ出した人間」ではないですから。「半強制的に押し出された」みたいなところがあって、それを結果論として語ってるわけで。「じゃあ、こういう人生とこういう人生あるけど、どっちがいい?」って聞かれたら、僕は絶対「みんなと仲良くなれる道」選んでます。つまり、先のことなんて誰にも分からないからこそ、「レール」自体存在しないんじゃないかなって。

ーー失礼ですが、もしも、お金もあって友達もいる。家入さんの学生時代と対極の学校生活を送っていたら、「もしも」の道を選んでいたと。

家入:それも過程の話なので分からないですが、そうなると今は大手広告代理店あたりで働いてそうですよね(笑)。でも何かがあったとき、それを「意味のあるもの」「無意味なもの」にするかは、自分次第だと思いますよ。

いじめがありました、登校拒否になりました、親も泣かせました、みたいな出来事があっても、既に起きてしまえば、それを「無かったこと」にはできないんです。

そんな自分だったからこそ、「こういう出来事があったから居場所づくりをしています」って、説得力が持てるじゃないですか。

だから、過去の出来事を全てひた隠しにして、全然関係ない道を選んだとすれば、それは過去の出来事を無意味なものにしてしまうことになる。それに良し悪しはないんですよ。生きてると、いろんな理不尽な出来事が起こりますから。

……あれ、高校生に話すことってこんな内容でいいですか(笑)?

「起業するって道もある」その真理と、これからの社会

ーー僕としては、家入さんから綺麗事なんて聞きたくないですよ。多分、この記事を読んでくれている方も同じです。

家入:難しいですよね。トークイベントに登壇しても、若い子に向けて「とにかく自由に生きろ!」と言う人もいますし。僕も一時期、若い子に「起業したほうがいいよ」と煽(あお)っていた時期もあったのですが、最近、それはちょっと違うなと思っていて。

ーーそれはどうしてですか?

家入:今は、「起業するって道もあるよ」でいいなって。僕の耳に入ってきたことはありませんが、「いきなり起業してもうまくいきませんでした」って可能性もあるじゃないですか。だから、やたら「夢」や「自由」の看板を掲げて煽(あお)るようなことは言いたいくないなって。

僕は今、「夢とかなくてもいいですよ。ある人は素晴らしいですけど、僕にはないです」って話すことが多いです。でもこんな話をすると、他の人が話している時は目がキラキラしている若い子も、僕が喋るとどよーんとしちゃうんですよね(笑)。

ーーあははははっ! だけど「今頑張れば将来は明るい」「夢を持っておくべき」なんて言葉は、受け手は既に聞き飽きていて、うんざりしてると思いますよ。

家入:ダメですよ、そんなこと言ったら(笑)。

ーーたとえばですが、家入さんが思う「これからの社会(現実)」ってどうなっていますか? それを知ることで、これからどういう人生を歩むのか、受け手の捉え方次第で、解釈が全然変わってきますから。

家入:また暗い話じゃないですか(笑)。まぁでも客観的な意見だけで述べると、やっぱりこの先、夢があるような話はないですよね。日本もそうですが、ある程度「成熟した国(社会)」は衰退の一途しかないと思います。

理由は、働き手がどんどん少なくなること。税収も減っていけば、国からのサポートも減っていく一方で、経済は縮小していくんです。そんな将来だからこそ、これから「はみ出し者」は増えていくと思いますよ。要するに、国自体が貧しくなっていく、という話です。これまで「大人の価値観」と呼ばれていたものは、僕らの親の世代(現在の60歳以上の世代)までの話なんですよ。


ーー「大人の価値観」……初耳です。どういう意味でしょう?

家入:会社も個人も、みんなで「豊かさ」を目指していた時代に形成された価値観のことだと思っています。目指すものがあるって、分かりやすいじゃないですか。「いつかマイホームを持つ」「車を買う」みたいな。昔は、そうやってみんなが豊かになろうとしていたはずなんです。

ですが今、欲しい物は簡単に揃えることができる。経済的にも豊かになって、電化製品すら豊かになって……むしろ、これから全てが縮小していこうとする中で、「どう生きるのか」というのは、とても大きな難題だと思います。

なので、「現代の高校生はこれからどう生きるんだろう」と考えたり。

ーー「これからの生き方」という観点で見ると、具体的にどういう壁が生まれると思いますか?

家入:たとえばですが、大学を卒業して、就職して、年月とともに役職も給与も上がっていって……というのは、これからは期待できないと思います。要するに、「トンネルの出口付近で渋滞が起きている」イメージですね。

というのも、「団塊世代」と呼ばれる人達はなんだかんだ働き続けているから、その人たちを飛び越えて偉くなろうとしても難しいじゃないですか。だから、会社に入っても渋滞が起きる。それで幸せになれるのかって言われると、そうではないと思います。その中で、どう生きていくかを考えないといけなくて。

高校生のうちからここまで考えているかは分からないですが、ここ数年「これからの働き方」を題材にした本が数多く出版されていますよね。需要があるってことは、それだけみんながうんざりしてるんですよ。ただもう、これからを生きていくための答えは、ある程度出ていると思っていて。

ーーそれはなんでしょうか?

家入:極端な話、「働き方」だけを考えるのではなくて、逆算して「どう生きるのか」を考えて働き方を選ばないと、結局しっくりせずに仕事が続かないと思うんですよね。

働き方だけを見つけても、果たしてそれだけで本当に幸せなのかって話です。さらに言えば、これまで通りの生活を維持することも、難しい状態になっていくと思っています。
現状維持のために働いているだけでは、「何のために働いてんだ?」と感じてくるでしょう。つまり、これからは「どう生きたいか」を第一に考えるべきですよね。

ーー「ていねいな暮らし」という言葉が普及したように、生活というか、”暮らし”に根付いた働き方が増えてくる、といったイメージですかね。

家入:ははっ。そうですね。イケダハヤトさんやカズワタベさんのように、事業のために地方移住する人も増えていくと思います。

高校生が理解するにはハードルが高いと思いますが、いつ読んでも「そんな考え方もあるのか」と思えるよう編集してもらえたら嬉しいです(笑)。

ーーはい! ありがとうございました。

今回のインタビューは、進路や将来に不安を抱える学生にとって、いろんな選択肢を発見するきっかけになったのではないでしょうか。家入さんのおっしゃる通り、生きているうちは「無駄なこと」なんて一つもないのです。将来のため、自分の生きたいように生きることも、一つの選択肢として持っておいてもいいのかもしれませんね。

【プロフィール】

家入一真(いえいり・かずま)

1978年、福岡県生まれ。CAMPFIRE代表、起業家。
学生時代、いじめがきっかけでひきこもりに。就職後も対人関係に悩み「誰も会わずに仕事がしたい」と起業を決意。自宅でレンタルサーバーサービス「ロリポップ!」を提供開始。株式会社paperboy&co.(現GMOペパボ)を創業後、2008年、当時最年少でジャスダック市場へ上場。退任後は「CAMPFIRE」「BASE」などのウェブサービスを立ち上げ、取締役に就任。渋谷「ON THE CORNER」などのカフェ運営も。悩める若者の立場に立ち、現代の駆け込み寺「リバ邸」などを精力的に展開。2014年東京都知事選挙に出馬し、主要候補に次ぎ88,936票を得る。
著書に『さよならインターネット』(中公新書ラクレ)、『新装版こんな僕でも社長になれた』(イースト・プレス)、『お金が教えてくれること』(大和書房)、『もっと自由に働きたい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など。

この記事のテーマ
ビジネス・経営」を解説

法律などの専門知識を学び、文書作成などの技能を磨くほか、資格取得や検定合格を目指すカリキュラムもあります。小売業や不動産売買、経営コンサルタントや税理士など、各ビジネス分野におけるスペシャリストも育成します。国家試験の合格が求められる高度な資格を必要とする仕事もありますが、専門学校の中には受験指導に実績を誇る学校もあります。

「ビジネス・経営」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「アントレプレナー(起業家)」
はこんな仕事です

自らビジネスプランを考えて、会社を起こす仕事。これまでにない斬新なアイデアで、ベンチャー企業などをつくる人も増えている。かつて株式会社をつくる場合は1000万円以上、有限会社をつくる場合は300万円以上の資本金が必要だった。しかし、2006年5月に会社法が施行され、1円の資本金で起業が可能になり、税務署に開業届などの書類を提出するだけで容易に会社をつくり社長になれるようになった。会社を起こした後は、自ら考えた経営ビジョンの下、戦略と計画を立てて会社を経営していく。

「アントレプレナー(起業家)」について詳しく見る