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「意外な恐怖」を発見した、お化け屋敷プロデューサー

2016.08.26

提供元:マイナビ進学編集部

「意外な恐怖」を発見した、お化け屋敷プロデューサー

東京ドームシティ アトラクションズで毎年大きな話題を呼ぶ、夏限定のお化け屋敷。その仕掛け人が“お化け屋敷プロデューサー”五味弘文さん。イベント業、クリエーター業、エンターテイメント業などを含めた側面を持つ特殊な職業の成り立ちや、秘伝「面白いお化け屋敷を作る方法」などをお聞きしました!

この記事をまとめると

  • お化け屋敷プロデューサーになった意外なキッカケ
  • 学園祭でも怖いお化け屋敷を作れる! 3つの秘伝
  • エンターテイメント業界の最前線が求める資質とは?

最初はアルバイトだった!? お化け屋敷に関わるキッカケ

――お化け屋敷プロデューサーという職業は珍しいと思いますが、どのようにして今のお仕事に就かれたんですか?

最初は芝居をやりたかったんです。大学卒業後、それだけでは生活できないのでアルバイトもしていました。その中の一つがイベントの企画・制作の仕事で、続けているうちに今の東京ドームシティ アトラクションズのお化け屋敷を担当するようになりました。当時の東京ドームシティ アトラクションズには、お化け屋敷があったんですが、それを新しく体感イベント的に展開する企画案を出したら通りまして……。そこから僕とお化け屋敷の関わりが始まったんです。

――アルバイトの枠を越えた活躍のスタートですね。

僕は一度も社員やどこかに就職するなど、安定した立場になったことはないんですよ。今は自分の会社を立ち上げていますが、それも広く見ればフリーの立場ですから、最初に志した演劇の仕事と同じ姿勢といえるかもしれません。厳しい世界ですが楽しいです。

壁の向こうでほくそ笑む? プロデューサーの醍醐味

――お化け屋敷プロデューサーとして、苦労する点はありますか?

僕がイメージした恐怖の世界観が制作スタッフにうまく伝わらず、作り直しやミーティングを重ねなければならない時ですかね。でも今は信頼できる仲間も多く、そんな場面は少ないですし、逆にスタッフが加えてきたアイディアに感嘆することもあるくらいです。

――では、最も手ごたえを感じる瞬間はどんな時ですか?

それはもう、お客さんの反応を聞いた時です。壁越しに叫び声や驚きの声、そして最後に楽しかったという笑い声が聞こえると本当に嬉しいです。

――壁越し? オープンしてからも現場にいらしているんですか?

「基本的に毎日行っていますよ。お客さんの反応によって改善点に気づいたりして、人形の向きを変えたりすることもあります。舞台のお芝居も初日の幕が開いてから演出の手直しをすることがありますから、それと似たとことろがありますね」

――やはり演劇志望だったというのは五味さんの重要なルーツのようですね。

僕が大学生になって東京に出てきたころ、現実と非現実を織り交ぜるスタイルの演劇がとても盛り上がっていました。都市の空き地にテントを設営して上演するような形もあったんですよ。生で観るから生まれる体感的な面白さ、観劇後に現実に戻った時の不思議な感覚。それらは僕が作るお化け屋敷の世界観に生きていると思います。恐怖がベースになってはいますが、お化け屋敷もあくまでエンターテイメント。お客さんに喜んでもらえることが一番です。

五味プロデューサー直伝! 文化祭のお化け屋敷必勝法

――そんな五味さんが、高校時代に文化祭で作ったお化け屋敷はきっと凄かったんでしょうね!

いえ、お化け屋敷はやらなかったですよ。高校の頃はまだ故郷の長野にいて、国語が得意で理数系が苦手な普通の学生でした。でも、もし今年文化祭でお化け屋敷を作ってみたいという高校生がいるとしたら、いくつかアドバイスできることはあるかもしれません。

――それはぜひ、教えていただきたいです。やはり高校の文化祭は、場所も予算も限られていることが悩みどころでしょうね。

そうでしょうね(笑)。場所は教室が多いと思いますが、実は演出を仕掛けるスペースとしてはかなり狭いんです。プロの僕でも苦労するでしょう。でもやり方はあります。まず一つは『先へ進むことを邪魔する何かを作る』こと。曲がり角はもちろん、通路にのれんを垂らしたり、簡単なドアを作るのもいいかもしれませんね。先が見通せないのは、それだけで閉塞感の恐怖を生み出します。

――なるほど。それなら狭い教室でも趣向を凝らせますね。ただ、そこに人形などを置いても、高校生の手では怖い仕上がりにならないかもしれません。

無理に人形でなくてもいいんですよ。箱を重ねるだけでも光や影の具合で怖く見えてくるものです。教室に元々ある道具類でも、置き方次第で呪いの道具に見えたりするかもしれません(笑)。『置くモノが怖く見える角度、場所、影を探す』ことが大事です。その感覚やアイディアをみんなで考え、磨いていけば身近なモノでも恐怖の要素を出せるはずですよ。

――それを検討する話し合いも楽しそうです。最後にもう一つアドバイスをするとしたら何でしょうか?

これは僕のプロデュースに特徴的なことですが『お客さん自身に活路(かつろ)を開かせる』ことでしょうか。通路をふさぐ布をめくる、アイテムを取らないと外へ出られないなどのアクションで、お客さん自身に恐怖の世界の登場人物になってもらうんです。すると怖さから解放された喜びがアップする。“あー、おもしろかった!”と言ってもらえると思いますよ。

意外な視点が恐怖を深める

――『お客さん自身に活路を開かせる』という、五味さんならではの新しさを生んだポイントは何だったのでしょう?

ひとことで言えば演劇志望だった僕が、舞台演劇の要素をお化け屋敷に取り入れた結果、恐怖を深める新しい面白さになったということになります。ですが実を言えば僕は元々、映画は好きでしたがお芝居を観に行くのは好きじゃないし興味なかったんですよ。大学生になってたまたま友人に誘われてなければ、観に行かなかったかもしれません。

――今までのお話からすると、それはとても意外です。

実際に触れてみたら、素晴らしく魅力的な世界だったし、それが現在の職業にまでつながりました。この転機はみなさんに役立つエピソードだと思います。今はネットが発達して情報を得ることも、文化に触れることも簡単になりましたよね。でもそのぶん、いらないものを避けるテクニックも発達してしまっている気がします。

――作品のあらすじや感想がわかってしまうサイトや、口コミサイトのランキングなどでしょうか?

そうですね。他の人にとって星一つでも、自分にとっては星五つという作品もあるはずなんです。若いからこそ、好きなものだけでなく、今は苦手なもの、遠い存在と思ったものにも試しに触れてほしい。失敗もあるかもしれませんが、特に将来エンターテイメントの世界に関わりたいなら広いチャレンジ精神は大切です。

――それは将来に役立つということでしょうか?

そうです。最前線のエンターテイメント界は常に、今までにない新しい視点を求めていますから。基礎となる世界を知るのも大切ですが、それだけに凝り固まっている人が活躍するのは難しいでしょう。僕も“ホラー映画にとても詳しい”人よりも、“いろいろな分野に精通している”人とのほうが一緒に働きたいと感じます。
高校生の頃から様々な文化に触れられる世代だからこそ、まったく違うジャンルから生まれる、僕も驚くような新しい視点を持つ新人に出会える日を待っています。


五味さんが手掛ける「お化け屋敷アトラクション」は、実は五味さん自身が元々苦手に感じていた舞台演劇をキッカケに生まれたものだったんですね。
エンターテイメントの世界は無限に広がっています。将来エンターテイメント業界に飛び込んでみたい方は、たとえ自分が興味のない分野でも一度触れてみると良いかもしれません。五味さんのように、そこで得た経験がイベントプロデューサーへの第一歩になるかもしれませんよ。


【プロフィール】
お化け屋敷プロデューサー・五味弘文氏
1957年、長野県生まれ。1992年から東京ドームシティ アトラクションズのお化け屋敷を手がける。お化け屋敷にストーリーを持ち込み、お客様に役割を担わせることで、ストーリーに参加させるシステムを確立する。近年は全国でお化け屋敷プロデューサーとして活躍中。

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

「音楽・イベント」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「イベントプロデューサー」
はこんな仕事です

街中でのサンプル配布から国内外の参加者が集う音楽祭、博覧会、国際会議まで、依頼主の意図や予算、ターゲットに応じたイベント・催事を運営する仕事。会場やブースの決定、設営、広報活動など、イベントが計画通りに進行するよう、多くの業者やスタッフの指揮を執るため、交渉力や統率力、問題解決能力が求められる。制作会社により得意分野が限られる場合もあるが、最初はアシスタントとして実務経験を積み、「スポーツイベント検定」取得や「JEPCイベントプロデューサー」認定によりキャリアアップを図る方法もある。

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