目覚ましは分刻みに設定!? 東京メトロの現役車掌さんに聞く「車掌という仕事」

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目覚ましは分刻みに設定!? 東京メトロの現役車掌さんに聞く「車掌という仕事」

2016.08.29

提供元:マイナビ進学編集部

目覚ましは分刻みに設定!? 東京メトロの現役車掌さんに聞く「車掌という仕事」

通学や旅行で普段からよく利用する電車ですが、車内で働く車掌さんや運転士さんがどんなことをしているのか、はっきり知らない人も多いのではないでしょうか。東京メトロの現役車掌・高橋さんと、運転士として活躍されたのち現在は本社で勤務される矢野さんに、毎日の仕事の流れから車掌や運転士になるための試験内容まで伺いました。

この記事をまとめると

  • 安全な運転には車掌と運転士の連携が必須
  • 車掌になるまでには数々の試験がある
  • 早くから仕事へのイメージを持っておくと有利

車掌さんってどんな仕事をしているの?

――本日はお忙しい中ありがとうございます。まずは車掌さんのお仕事の流れからお聞かせいただけますでしょうか?

高橋:週休2日で、週に2日くらいは泊まりでの勤務、週に1回は日勤の勤務があるという感じですね。泊まりの勤務の時はお昼くらいに出社して、次の日のお昼前くらいには退社します。日勤の勤務の時は、担当する電車によってさまざまですね。

乗務前には、駅周辺の地域の新しい情報を確認したりもしています。新しい商業施設ができたり、コンサートやイベントがあるときなんかは、やっぱり普段より混み合いますよね。こういった事前に情報を仕入れておくことで、注意して業務に臨むことができるんです。

――車内放送というのは、あらかじめ決まっているものなのでしょうか? 車掌さんがアレンジされることもあるのですか?

車掌・高橋さん

車掌・高橋さん

高橋:あらかじめ決まった型はあるのですが、やはりその場に合ったお伝えの仕方というのが一番大事だと思いますので、どうお伝えするかは車掌にゆだねられているところが大きいです。

よくネットなどで面白い車内放送などが話題になりますが、そのようなことはマニュアルには記載されておりません(笑)。私はあまりアレンジを加えたことはないのですが、アレンジがあったとしたら、そのときの車掌が気を利かせて入れたのでしょうね。

目覚ましは分刻み!? 時間を守るために気をつけていること

――お仕事の中で、特に気をつけている点はありますか?

高橋:やはり時間が分刻みなので、遅れがないようにというのが一番ですね。乗務前の引き継ぎ作業時間や休憩時間なども含め、分単位で時間管理をするように注意しています。

朝起きる時間もそうですね。アバウトに見積もっていると、すぐに遅れがでてしまいますから。目覚ましの設定も「4時37分」とかだったりしますから、普通の人から見たら細かすぎると思われているかもしれません(笑)。生活のすべてを、電車のダイヤに合わせて調整しているような感じです。

――事故などでダイヤが乱れたときは、どのように対応されているのですか?

運転課・矢野さん

運転課・矢野さん

矢野:ダイヤの乱れた時は、そのことをすぐにお客様に伝えることが大切です。そのために、車掌は指令所からの連絡を受け取り次第車内放送をします。内容は主に「こういう事情で事故が起こりました」ということと、「この区間は運転を見合わせています」ということの2点ですね。

こういった緊急時の車内放送では、誰にでもわかりやすくお伝えするよう注意しています。社内で定期的に放送研修を行い、そのためのスキルも磨いています。

車掌さんと運転士さんは、それぞれどんな仕事をしている?

――現在のお仕事に就かれたきっかけはどのようなものですか? また、仕事をする中で感じていることなどもあれば教えてください。

高橋:私は社会人採用で東京メトロに入社しました。もともと鉄道に興味があり、電車に乗る仕事をしてみたいと思ったのがきっかけです。

最初は駅で改札業務やホームでの運行整備をする仕事からはじめ、そのあと職種転換試験を受けて車掌の業務に移りました。社員の中には、この後さらに運転士の業務に移る人もいます。

同じ鉄道関連の仕事でも、駅員の仕事と車掌の仕事はまったく感覚が違うもの。ひと口にお客様と言っても、短く乗車される方もいれば長く乗車される方もいらっしゃいますよね。そういった点一つとっても業務の中で着目すべき点は違ってきますし、新たな発見もありました。

――矢野さんは運転士として活躍され、現在本社にお勤めとのことですが、具体的にはどのようなお仕事をされているのでしょうか?

矢野:事故防止策や、起きてしまった事故の反省、対策の考案などを担当していますね。電車が人身事故などやむをえない事情で遅れてしまったときも、1時間遅れたけれどこうすれば50分で済んだんじゃないかといった振り返りを徹底しています。

お客様にとっては、当たり前のように電車が時間通りに来て、当たり前のようにドアが開いて乗車できて目的地まで安全に行けるというのが、何よりも大事だと思います。
だから車掌や運転士は何か面白いアピールをしようということよりも、時間をしっかりと守って安全に電車を走らせ、異常が起きたときには一刻も早くお客様にお伝えして復旧を目指すこと。これだけを考えていますね。

――車掌さんと運転士さんって、どちらも電車に乗車してお仕事をされていると思うのですが、業務にはどのような違いがあるのでしょうか?

高橋:ご存じの通り、電車の一番前で運転をしているのが運転士、一番後ろで点検や車内放送をしているのが車掌ですね。ワンマン運転だと、点検や車内放送まですべて運転士が担当することもあります。

みなさんが乗車されたときよく耳にされる車内放送は、ほとんどの場合車掌が行っているということになると思います。通常の車両で運転士が車内放送をするのは、事故などの緊急時くらいですね。

――お仕事の中でやりがいを感じられる場面、大変だった場面があれば教えてください。

高橋:やっぱりお客様との触れ合いですね。子どもが手を振ってくれたりするのもうれしいですし「放送がすごくよかったです」なんて言ってもらえたりしたのもうれしかったですね。

大変だと思うのは、限られた時間の中でお客様の質問に答えなければならないときです。発車時刻が迫っていてきちんとしたご案内ができなかったときなどは心苦しく思います。

車掌さんや運転士になるための試験ってどんなもの?

――職種転換試験というのは、どういった内容なのでしょうか。やっぱりむずかしいですか?

矢野:やはりある程度の勉強は必要になりますね。
車掌も運転士も、試験の時点から業務での適性が厳しく問われると思います。健康であるのはもちろんのこと、電車を安全に運転できる知識や技能があるかどうかを、多方面からチェックされます。筆記試験と実技試験の両方がありますね。
実技試験では実際に担当区間を1往復するのに加え、緊急時の想定訓練なども行われます。

晴れて試験をクリアすればそれで終わりかというと、そうではありません。このあとさらに総合研修訓練センターで研修を受け、知識や技能の再確認を行います。それらを全て終えたら運転士の国家試験を受験し、これに合格してやっと運転士としての業務に入ることができるんです。結構長い道のりでしょう?

――そんなに何回もの試験があるんですね……! やっぱり高橋さんも、試験の際はかなり勉強されたんですか?

高橋:机に座ってガリガリと勉強するというような記憶はあまりないのですが、日々の業務が試験勉強のようなものですので、緊張感はありましたね。

矢野:でも、試験の前には先輩からしっかりと指導してもらえるので、それほど心配することはないかもしれません。研修期間は「指導員」として、特定の先輩がずっと指導するシステムなんですね。まさに師匠と弟子のような関係です。これによって仕事だけでなく、先輩や仲間との付き合い方も学べるようになっているんです。

鉄道会社に就職するにはどうしたらいい?

――就職活動で気をつけていたことはありますか?

高橋:前職では商社で鉄道関連の仕入れの仕事をしていました。また、大学生のときに鉄道でアルバイトをしていたんです。それ以前から鉄道が好きだったのですが、鉄道を仕事にしようとは考えてもいませんでした。でも大学生のときにたまたま先輩の紹介で、駅員のアルバイトをすることになったんです。

就職して少し時間がたったある日、営団地下鉄のホームページで社員募集のお知らせを見たんですね。運転士は2,000人、車掌は900人くらいですね。平均年齢は30代くらいですかね。年々若くなってきています。18歳で入社してすぐに試験を受け、20代前半にはすでに車掌として活躍している人もいますよ。

――車掌さんや運転士さんになりたい高校生がやっておいたほうがいいことってありますか?

高橋:鉄道が好きな人が必ず鉄道での仕事に向いているとは限らないのが現実です。そういう意味では車掌さんや運転士さんがどんな仕事をしているのか観察してみたり、私のようにアルバイトをしてみてもいいかもしれませんね。

矢野:あとは鉄道での仕事では、やはり慎重で冷静に業務にあたれる能力が何よりの適性です。実際に適性試験でも、そういった性格傾向をはかる出題がされることもあります。普段から何事にも落ち着いて対応できるように心がけておくといいかもしれません。

もともとの性格は、多少お調子者でもそそっかしくてもいいんですよ。仕事にあたるときにビシッと切り替えて対応できるかが大事なんです。逆に言えば、気持ちさえあればどんな人にも鉄道会社を目指せるということ。がんばってくださいね。


鉄道好きなら一度は憧れる車掌や運転士という仕事ですが、実際に仕事に就くには試験や研修などさまざまな難関を突破することが必要なんですね。基礎知識をつけるには、大学の工学部で電車のしくみを勉強してみてはいかがでしょうか。


【プロフィール】
高橋知和
東京地下鉄株式会社
鉄道本部 運転部
千代田線乗務管区代々木 車掌


矢野嘉彦
東京地下鉄株式会社
鉄道本部 運転部
運転課 主任

この記事のテーマ
自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」を解説

陸・海・空の交通や物流に関わるスキルを学びます。自動車、飛行機、船舶、鉄道車両などの整備・保守や設計・開発、製造ラインや安全の管理、乗客サービスなど、身につけるべき知識や技術は職業によってさまざまで、特定の資格が求められる職業も多数あります。宇宙については、気象観測や通信を支える衛星に関わる仕事の技術などを学びます。

「自動車・航空・船舶・鉄道・宇宙」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「電車運転士」
はこんな仕事です

鉄道事業者(公営、民営)において、列車を運転する仕事。鉄道事業者ではほかにも駅係員や電気、保線など多くの従業員が働いているが、運転士がいなければ列車の運転という商品(サービス)は成立しない。出発から到着まで、基本的には一人で運転に関わるすべての機器操作を行わなくてはならず、また運転中の安全確認や、トラブルが発生すれば乗客の安全確保もしなくてはならない。乗客の生命を預かる責任はとても重いが、それだけに目的地まで安全に送り届けたときの達成感を味わえる仕事である。

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