「甲子園の決勝」「いわし雲を見たら」夏の終わりを感じる瞬間

海水浴に花火大会、キャンプと楽しいイベントが目白押しの季節。毎年夏休みの最後には「もう夏も終わりか、早いな……」なんて残念に思ってしまいますよね。でも、そもそも「夏の終わり」っていつなんでしょうか? そこで日常生活の中でふと感じる「夏の終わり」の瞬間をみなさんに聞いてみました。
この記事をまとめると
- 虫や空の様子など自然現象が一番夏の終わりを感じやすい
- 夏の風物詩がなくなっていくのを見るのも「夏の終わり」
- 実は「夏」の区切りはどの学問・暦で見るかによって全く異なる
セミの声や雲の形など……自然現象で感じる夏の終わり
わかりやすいのはやはり、毎日目にするものの変化のようです。
・「あんなにうるさかったセミの声がだんだん少なくなってきた瞬間。道端にセミの死骸が落ちているのを見ると切なくなる」(21歳/男性)
・「ヒグラシの鳴く声が聞こえてきたり、トンボが飛ぶのを見かけるようになると夏の終わりを感じる」(20歳/女性)
「・真夏に見えていたモコモコした入道雲がなくなって、いわし雲を見るようになったとき」(19歳/女性)
人間の力ではどうにもできない自然現象だからこそ、もうすぐ秋なんだなと実感させられますよね。ほかにも「お店に並んでいるナシやブドウがおいしそうに見えてきたとき」(24歳/女性)「草木の葉っぱが青々とした色から少し落ち着いてきたのを見て」(20歳/男性)という声もありました。
夏の風物詩を見かけなくなってきたら、もう夏は終わり?
自然現象だけではなく、夏定番のものがなくなっていくと終わりを感じるという声もありました。
・「海水浴場が閉められていくとき。今年も行けなかったなあなんて思ってしまう」(21歳/女性)
・「水着や夏服のバーゲンが始まっているのを見たとき」(22歳/女性)
・「甲子園野球や24時間テレビといったテレビ番組が終わるとき」(21歳/男性)
・「ドラッグストアにある日焼け対策グッズコーナーがなくなったとき。もう必要ない季節なんだなあと実感してしまう」(23歳/女性)
夏らしいものが終わっていくのを目にすると、夏も終わりなんだなと感じてしまいますよね。ほかにも「友達と『夏休みの宿題まだやってない!』という会話になるとき」(17歳/男性)と学生ならではの意見も。やはり、はっきりとした区切りはないものの、誰しも夏の終わりを感じる瞬間はあるようです。
実は「夏の終わり」はもっと早い!
みなさん、だいたい8月の終わりから9月にかけて夏の終わりを感じているようですね。しかし、本当ならそれよりずっと前に「夏」は終わっているのです。
最も一般的なイメージの夏は6月から8月。これは気象学的に決められたものです。しかし、暦の上では立夏から立秋の前日までを「夏」としています。これは二十四節気という太陽の動きに基づく節切りです。それによれば、2016年の立秋はなんと8月7日。つまり、暦上はすでに夏が終わっていることになるのです。
ニュース番組で「暦の上ではもう秋なんですね」と言うのはこのためです。ちなみに、立秋の日以降は「秋」と見なされるので、暑中見舞いではなく残暑見舞いになるのです。
自分の感覚だけでなく、天文学や旧暦によってもまた区切りが異なってきます。現在私達が使っているのは太陽の動きをもとにして作られた「太陽暦」。旧暦と太陽暦の違いなど、季節の区分の違いを調べてみると面白いかもしれませんね。
参考:http://www.benricho.org/koyomi/24sekki.html
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/toki.html
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/faq/24sekki.html
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/yoko/2016/rekiyou162.html
http://www.nao.ac.jp/faq/a0304.html
この記事のテーマ
「文学・歴史・地理」を解説
文学は人々の暮らしや感情の変化などについて、文章表現をもとに考える学問です。文献を読み解きながら比較して、人のあり方や社会について研究します。地理学や歴史学は、地形や気候、歴史的事実や遺物・遺跡などの手がかりをもとに、私たちの生活や文化・経済活動などについて、その成り立ちから考えていきます。
この記事で取り上げた
「歴史学」
はこんな学問です
歴史学とは、対象とする大陸・国・地域などにおいて、過去に起こった物事を取り上げ、当時それがどのような意味を持っていたのかを、残された物や建造物、文書などから研究する学問である。ただ、資料を正確に読み取るだけではなく、事実かどうかを疑い、踏み込んで検証する批判的視点も重要である。歴史学の基本的なラインナップには、日本史、東洋史、西洋史、考古学がある。また、政治制度・経済活動・芸術文化・信仰宗教などに特化した考察も行う。
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