なぜ「水戸といえば納豆」なの? 水戸納豆ブランドは仕組まれていた

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なぜ「水戸といえば納豆」なの? 水戸納豆ブランドは仕組まれていた

2016.08.29

提供元:マイナビ進学編集部

なぜ「水戸といえば納豆」なの? 水戸納豆ブランドは仕組まれていた

水戸と聞けば「黄門様」か「納豆」、と自然と思い浮かぶように、「水戸納豆」は多くの日本人にとっておなじみの名産品です。ではなぜ納豆が、水戸の名産になったのかをご存じですか? 今回は、水戸納豆の歴史、さらには納豆そのものの誕生秘話、はたまた世界の「納豆的フード」などについてもご紹介していきます。

この記事をまとめると

  • 納豆の発祥伝説は秋田と熊本にもあった
  • 古文書をヒントにしたマーケティング戦略
  • 世界の納豆三角地帯とは!?

その出自は謎。納豆発祥には複数の説がある!?

水戸納豆があまりに有名なため、納豆が誕生した場所も水戸だとなんとなく思っていませんか。実はこの納豆、発祥の地がどこかについては、いくつか説があるのです。そのうち一つはもちろん茨城県ですが、他にも東北と九州という正反対の地でも発祥説が伝わっています。

一つ目は「秋田発祥説」です。平安時代の末期に起こった「後三年の役」の最中、源義家から煮大豆を出すよう命を受けた東北の農民達。入れ物がなく煮た大豆を、仕方なく俵に入れ数日経って食べてみたところ発酵した大豆が中々のお味だった……。これが納豆の始まりという説です。

秋田には他にも、義家が、農民から支給された、藁入りの煮大豆を馬に積み込んでおいたところ馬の体温で発酵し、食べてみたところ美味しかったという話も伝わっています。

もう一つが「熊本発祥説」、1500年末期の「文禄の役」の際、加藤清正が豊臣秀吉の命で満州に出征する途中でのこと。清政が食糧に困って煮豆を俵に入れ、馬の背にのせて歩を進めていくうちに独特の匂いがしてきました。これを食べてみたら美味しかった……というのが納豆の始まりであるという説です。

いずれにしても、煮た大豆、馬の体温、藁が納豆誕生のキーポイントのようですね。

水戸納豆デビューには、ある「ベンチャー起業家」が一役

肝心の水戸のある茨城県ではどうでしょうか。伝わっている話は、秋田説とかなり似通っています。

平安時代の末期、東北地方へと兵を進める源義家の兵隊が常陸国(今の茨城)で宿営。その際、家来が馬の飼料用の煮豆の残りを藁で包んでおいたら、発酵し糸を引いていた。食べてみたところ美味しかった、というのが始まりだという説です。これは義家にも喜ばれ、将軍に「納めた豆」という意味で「納豆」と命名されたとか。水戸発祥説では、「納豆」という名称の根拠も示されています。納豆発祥の地としては、かなり有力かもしれません。

では「水戸納豆」がその名を知られるようになったのはいつ頃からでしょうか。それが実は、明治になってからなのです。これには、マーケティングの力がものをいいました。

古文書で、納豆が江戸で好んで食べられていたことを知り「これだ!」と閃いた人物がいました。今で言う「ベンチャー起業家」でしょうか。この人物、笹沼清左右衛門が、納豆を水戸の名物にしようと乗り出したのです。

当初納豆は、水戸駅前の広場で売られていたそうです。その後ホームでおみやげとして販売を開始。すると、多くの乗客が汽車の窓から奪い合うように買い求めるなど、大人気を博すようになりました。

こうした販売戦略の他、小粒大豆の生産を行っていたことも、人気商品の安定供給という好状況につながったようです。水戸納豆はご飯によく絡んで美味しいと好まれる「小粒納豆」。茨城県には那珂川という大きな川が流れていますが、昔はよく氾濫し水害が起きました。この地域で栽培されていたのが台風前に収穫できる、茨城が水戸納豆の原材料の小粒大豆なのです。小粒大豆は豆腐や味噌などには向きませんが、小さい粒でもできる納豆は、うってつけだったというわけです。

納豆と同様の発酵食品が、世界各地に!

ところで、日本以外の国にも「納豆的な食べ物」が存在します。主なものはインドネシア・ジャワ島の「テンペ」、ヒマラヤの「キネマ」、そして日本の「納豆」です。

テンペとは、煮た大豆を「テンペ菌」という菌で発酵させたもの。納豆のようなネバネバやニオイはありません。味にクセがなく、豆そのものの味わいが感じられ、テンペ菌によって増えたビタミンやミネラルなども豊富に含まれている、という優れた栄養食品です。一方キネマのほうは、より納豆に近い食べ物です。納豆と同様の「枯草菌」という細菌で大豆を無塩発酵させてつくります。出来上がったキネマは粘った糸も引き、匂いも納豆そのものだといいます。

さらに驚くべきは、インドネシア、ヒマラヤ、日本を結ぶ三角形の範囲に、ほかにも「納豆のような食べ物」が点在していることです。いずれも、豆を乾燥したシダ類の葉で発生する「枯草菌」(納豆菌)で発酵させているのが共通点です。

東南アジアのラオス、タイ、ミャンマーの「納豆」は、豆をセンベイのように平たくして乾燥させます。焼いて食べると香ばしくて美味しいのだそう。モチ米につけたり麺に入れて食べる、日本と同じようなネバネバ納豆もあるそうです。またインド北東部には干し納豆があり、カレーに混ぜて食べられています。さらに西アフリカにも、現地で栽培されている豆を細菌発酵させてつくる、アフリカ版納豆があるとか。

いかにも「日本ならではの伝統食品」とのイメージが強い納豆ですが、こうして見てくると、ワールドワイドに根付いているのが分かってきます。

「日本古来のモノ・コト」は、実は世界の他の国にも昔からあったり、そもそも発祥が日本以外だったのかも……!?
そんな逆転の発想をもって日本の特徴的な事象に目を向けてみると、国際文化学や社会学などに結びつく発見があるかもしれません。

【参照】
http://www.natto.or.jp/hyakka/ped_natto04.html
http://ot7.jp/archives/364
http://www.ibaraki-meisan.gr.jp
http://www.ibaraki-shokusai.net/season/season_natto2014.php#b1
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/209349.html
http://nh.kanagawa-museum.jp/files/data/pdf/tobira/9-4/tobira35_3degawa.pdf
http://www.nattou.com/topics/history.html

この記事のテーマ
国際・国際関係」を解説

国際問題とひと口に言っても、貧困問題や民族間紛争、資源や食料、環境問題、経済的な競争や協調など、じつにさまざまです。こうした問題を抱えた国際社会で活躍できる人材となるためには、語学力はもちろん、世界各地の文化、経済、政治、法律など、学ばなければならない範囲は多岐にわたります。実際に海外で活動するためには、異文化への理解やデリケートな国際感覚も求められます。留学生との交流や自身の留学も役立つでしょう。

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「国際文化学」
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国際社会で起こる課題を、文化の視点から捉えて解決策を探る学問。対立ではなく共存の道を探るために、諸国の異文化間相互理解をどのように図ればよいかを研究する。世界各地域から言葉の壁を越えて発信される音楽、絵画、映像、ダンスなどの表象文化が、どのように情報伝達され、受け取られるのかなど、文化への理解が国・民族・性別を超えて人と人を結び付ける方法論を研究する。

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