光で「魔法」をかける仕事があるって本当!? 函館の夜景がより美しくなったワケ
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2011年、観光地を星で評価する旅行ガイド『ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン』で三つ星に選ばれた函館の夜景。この背景には、美しい夜の風景をもっと魅力的にしようと、光で「魔法」をかけた人がいたようです。さぁ一体、どんな人でだったのしょうか?
この記事をまとめると
- 函館の夜景が三ツ星を取得したのは、夜景グレードアップ計画のおかげ!?
- 照明デザイナー石井幹子さんに、函館の夜景を魅力的にするためのアドバイスを受けた
- 照明デザイナーには、建築やデザイン、機械工学など幅広い知識が必要
100万ドルの夜景の裏に、グレードアップ計画アリ!
今年3月、北海道新幹線(新青森~新函館北斗)が開業し、観光客たちなどで大にぎわいだった函館。東京~新函館北斗間が最速約4時間とあって、本州と北海道の距離がグッと近づきました。函館を訪れたのなら、ぜひ立ち寄ってほしいのが函館山。標高334メートルの函館山からは、函館湾と津軽海峡に挟まれて細くくびれた市街地が、温かな光をまとって浮かび上がるさまを眺めることができます。
実は函館市は、この函館山からの夜景の魅力をさらに向上させようと、2006年に「函館市夜景グレードアップ基本計画」(以下、グレードアップ計画)を策定。洋風れんが造りの歴史的建築物などのライトアップを増やしたり、街路灯の整備を進めたりしてきたそうです。今見られる幻想的な「100万ドルの夜景」の裏側には、そういった努力があったんですね。
美しい夜景を生み出す「光の芸術家」ってどんな人?
グレードアップ計画は、照明デザイナー石井幹子(いしいもとこ)さんの提案がベースとなっているそうです。照明デザイナーとは、いわば「光の芸術家」。イルミネーションやライトアップなど、光で屋外の空間を美しく演出するほか、住宅や店舗など屋内においても、照明の色や明るさを利用してコンセプトに合う雰囲気を作り出す仕事です。石井さんは、東京タワーや姫路城などの照明デザインも手掛けています。暗闇の中、日本のランドマークを美しく浮かび上がらせることができる仕事って、なんだか素敵だと思いませんか?
資格は不要! 「照明デザイナー」になるには?
照明デザイナーになるために持っていなければならない資格はありません。大手照明器具メーカーや電機メーカー、照明デザイン事務所などで働くことで、仕事にすることができます。キャリアアップのため、一般社団法人照明学会が認定する民間資格「照明コンサルタント」や、その上級となる「照明士」を取得する人もいるとか。
建築設計やデザイン、電気電子など幅広い知識が必要となるため、照明デザインに関する専門の学校や、建築学、機械工学を学んでおくと役に立つかもしれません。光や美術に興味がある人は、照明デザイナーを目指してみてはいかがでしょうか?
●参考URL
http://www.minami-hokkaido.jp/blog/4/1217
http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/citizensvoice/docs/2015112600015/
http://www.iwasaki.co.jp/info_lib/eye/08_hakodate/02.html
この記事のテーマ
「デザイン・芸術・写真」を解説
デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。
この記事で取り上げた
「照明デザイナー・照明コンサルタント」
はこんな仕事です
屋内外の空間を照明の光によって快適、安全に演出する仕事。実際に照明機器を設計することもあれば、空間全体を演出するスケールの大きい仕事もある。照明デザイナーはインテリア照明から大型施設や道路などを照らす業務用の照明まで幅広く対応。例えば、住宅や店舗などで使用するライトやランプといったもの。さらに、ビルや橋、公共施設などの大規模照明は、街の景観と調和させてデザインする。一方、照明コンサルタントは、依頼を受けて店舗や施設に適した照明プランを立案し、提案する職種となる。
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