希少な自然を守れ! 公園を守っている国家公務員って?
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広大な大地に6つの国立公園を抱く北海道。国が指定し、保護・管理する国立公園では、人の立ち入りや建物建築などを規制することで、希少な生態系を守っています。今回は、国立公園の管理などを通じて自然保護のために取り組んでいる国家公務員「レンジャー」の姿に迫ってみましょう。
この記事をまとめると
- 北海道には国立公園が6つ。世界自然遺産に選ばれた知床など、希少な動植物が生息
- かけがえのない自然を守るレンジャー。国立公園の管理などを行う
- レンジャーになるには、まず国家公務員試験で合格する必要がある
北海道の国立公園は東京都より広い!
北海道には、利尻礼文サロベツ、知床、阿寒、釧路湿原、大雪山、支笏洞爺の6つの国立公園があります。
なかでも、北海道の中央部にある大雪山国立公園の面積は22万6,764ヘクタールで国内最大(陸域のみ)。なんと東京都(21万9,090ヘクタール)より広い敷地に、北海道最高峰の旭岳をはじめとする山々がそびえています。雄大な自然が生み出す風景美は、アイヌの人々から「カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)」と呼ばれていたそうです。
また2005年、知床国立公園は日本で3例目の世界自然遺産に登録。海と陸とのつながり、貴重な動植物の生息地となっていること、そしてこれらを守るための管理体制が整っていることなどが評価されました。釧路湿原国立公園では、国の特別天然記念物である大型のツル「タンチョウ」が生息しており、希少な生態系が保たれているなど、北海道の国立公園は、大自然の宝庫と言えるでしょう。
国立公園を支えているのは、法的審査も行う自然保護のプロ
こういった国立公園の管理や野生動植物の保護などを行っているのが、「自然保護官」通称レンジャー。全国で300人ほどいるレンジャーは環境省の職員で、環境省本省(東京・霞ヶ関)のほか、全国7カ所にある地方環境事務所などで働いています。国立公園を訪れる人々に生態系保全の取り組みについて解説したり、タンチョウのような野生生物を保護したり、また、自然公園法に基づいて、国立公園内でのホテル建設や道路整備など、開発に関する許可申請の審査を行っています。現場での仕事はもちろんありますが、みなさんが想像する以上に、書類を扱う事務作業が多いかもしれませんね。
狭き門! だからこそ、やりがいは大きい!
レンジャーになるには、国家公務員試験を受験、合格し、環境省に採用されなければなりません。国家公務員試験受験の際、総合職は「森林・自然環境」「化学・生物・薬学」、一般職なら「林学」「農学」「土木」「農業農村工学」のいずれかに合格する必要があります。総合、一般の両職とも、筆記試験に加え、面接が行われます。
実は、2016年から過去5年間の採用人数は1年に4人から24人。狭き門かもしれませんが「自然のために働きたい!」という気持ちがあるなら挑戦してみてはいかがでしょうか。レンジャーになって生き物を絶滅から救ったり、日本の自然を後世へ受け継ぐ手助けができればいいですね。
●参考URL
http://www.env.go.jp/park/parks/index.html
http://center.shiretoko.or.jp/shiretoko/isan/
http://www.env.go.jp/park/workers/index.html
http://www.env.go.jp/guide/saiyo/info/pamph/ranger_web.pdf
この記事のテーマ
「動物・植物」を解説
生き物を取り扱う仕事には、動物や観賞用の植物に関わり暮らしに潤いを提供する分野や、食の供給や環境保全を担う農業・林業・水産業などの分野があります。また盲導犬や警察犬などの調教・訓練や水族館や動物園で働く選択肢もあります。この仕事をめざすには、動物や植物の生態や生育に関する専門知識を身につけ、希望する職種に必要な技術修得が必要です。