地域活性化のビジネスモデル!? 秋田名物「秋田内陸縦貫鉄道」を盛り上げよう!
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渓谷の絶景からのどかな里山の風景まで、秋田の魅力をギュッと詰め込んだローカル線の旅。実はこれ、秋田の地域活性化プロジェクトの目玉の一つなんです。鉄道に乗って、みなさんのまだ知らない秋田の魅力を発見してみませんか?
この記事をまとめると
- 秋田の名物「秋田内陸縦貫鉄道」のススメ
- 廃線寸前のローカル線から地域再生プロジェクトへ
- 地域再生は将来は日本経済にとって重要な分野になりうること
魅力満載! 観光やグルメを楽しめるローカル線の旅
鉄道ファンから人気のローカル線「秋田内陸縦貫鉄道」は、秋田県内陸部を南北に走っていて、地域の貴重な足であるとともに、近年、観光電車としても注目を集めています。その魅力は何といっても、沿線に広がる四季折々の美しい自然。その風景に魅入られる人は多いようです。
この鉄道の魅力は、車窓からの眺めだけではありません。1日乗り放題のフリー乗車券を使って沿線のグルメや街歩きを楽しむのもいいですし、列車を貸し切ることもできます。季節に合わせて行われている様々なイベントも要チェック! 例えば、定期的に開催される「ごっつお玉手箱列車」では、地元のお袋の味弁当が食べられますし、温泉やお祭りとパックになったツアーも開催されています。掘りごたつや、全面に畳が敷かれていて大きな座卓をみんなで囲める「お座敷車両」なんていうのもあるんですよ。
ローカル線が秋田を救う!? 地域再生プロジェクトとは?
1989年4月、鷹栖から比立内(ひたちない)まで走る秋田内陸北線と角館(かくのだて)から松葉まで走る秋田内陸南線、この両線が結ばれ、全線94.2キロメートル、29駅の秋田内陸線が開通しました。開通当初の利用者数は年間およそ108万人。1990年には全国初の女性運転士が誕生するなど話題を集めましたが、年々利用者は減少し、2014年度の利用者数は年間およそ32万人にまで落ち込んだそうです。利用者が減っている原因として挙げられるのが、沿線の人口の減少と高齢化。過去最高の3億4,000万円の赤字を出した2000年度以降は、赤字額に改善の傾向が見られるものの、経営不振により常に廃線が噂されているようです。
そんな秋田内陸縦貫鉄道を存続させようと、さまざまな取り組みが行われています。軸となっているのは「観光」。年間260万人が訪れるという"みちのくの小京都"角館や豊かな自然、また、今は埋もれている知られざる歴史や地域を県外、県内にアピールし、鉄道を利用してくれる観光客の誘致活動を行っています。また、鉄道模型や手ぬぐい、クリアファイルなどの鉄道オリジナルグッズや秋田のご当地グルメも販売。このような動きは、鉄道の廃線阻止という意味を持っているだけではなく、秋田県に観光客を呼び込み、過疎化や高齢化が進む地域を再生していこうという、現在進行形の大プロジェクトなのです。
地域再生は日本経済の切り札に? 今何を学ぶべきか?
秋田内陸縦貫鉄道の主な株主は、秋田県や北秋田市、仙北市のほか、秋田に本店を置く地方銀行や秋田商工会議所などです。地元みんなで支えている電車だということが分かりますね。現在の社長は、2014年、JTB東北から出向(会社の命令で、他の会社の仕事に就くこと)してきた佐々木琢郎氏。JTBと言えば大手の旅行会社ですから、地域の特徴を生かしたツアーやイベントの企画にも期待ができるというわけです。
今回ご紹介した秋田内陸縦貫鉄道プロジェクトのように、これからの日本は「地域再生・地域活性化」がますます重要になってくると言われています。そのために「経営学」や「観光学」を学び、将来、地域経済を救う、頼られる存在を目指してはどうでしょうか。まずは基本的な学問を身につけ、さらには進むべき道を模索して、もっと専門的な力を身につけてもいいですね。
●参考URL
http://www.akita-nairiku.com/about/linemap/
http://www.city.semboku.akita.jp/file/5035.pdf
http://www.kasseiken.jp/pdf/library/guide/nairikusen_honpen.pdf
この記事のテーマ
「社会学・マスコミ・観光」を解説
この3分野、実は密接な関係があります。観光業界にとってマスコミは広報活動そのもの。そしてマスコミは、社会の動きを探り伝えるために社会学を重視しています。社会が求めるニーズをマスコミが精査し、それを地域活性化のために活用する。社会学・マスコミ・観光の関わりは今後ますます大きくなるでしょう。
この記事で取り上げた
「地域社会」
はこんな学問です
国内外の都市部・農村部を問わず、地域社会の問題にアプローチし、実証的な調査・研究を行う学問。大きく分けると、2つに分けられる。一つは、地域行政のあり方を問い直し、地域住民・地元企業との連携を図って問題を解決する方法を探る地域行政学。もう一つは、グローバル化による急激な変化から地域の文化遺産を意識的に守り継承していく方法について研究する地域文化学である。2つは別々の学問ではなく、同じ問題意識を行政と文化という別の視点から考察している。
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