山寺宏一さんがオーディションに落ちることも!? 実力主義な声優の世界
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ディズニー映画のドナルドダックやスティッチ、アンパンマンの名犬・チーズ、さらには、"ポケモン"映画全19作品にゲスト出演するなどさまざまな役の声を担当し、「七色の声を持つ男」とまで言われる声優、山寺宏一さん。これだけの人気ベテラン声優ともなると、仕事は選び放題、やりたい役はできる、と思っていませんか? でも実は、声優の仕事は、そのほとんどがオーディションで決まるのだとか。山寺さんほどの経歴を持っていても、例外ではないようです。
この記事をまとめると
- 「この声知ってる!」という声優でも、オーディションで役をつかんでいる。
- 声優になるために、乗り越えなければならないオーディションの数々。
- アニメ、洋画吹き替えの報酬は「ランク」で規定。声で稼ぐ声優という仕事。
人気声優でもオーディションに落ちる現実
2015年7月3日のTwitterで、以前、人気アニメ『ONE PIECE』のオーディションに落ちたことがあると明かした山寺さん。コラソン役で『ONE PIECE』に出演できることについて、「最高に嬉しいです!」とつぶやいていました。
また、昨年実写化されるなど大ヒットしたアニメ『進撃の巨人』のリヴァイ兵長の声を担当し、その年度、最も印象に残った声優や作品を表彰する「声優アワード」で、2011年度から5年連続「最多得票賞」を受賞するなど活躍している神谷浩史さん。彼も、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』劇場版の初日舞台挨拶で、「(同作品の)テレビシリーズのオーディションに落ちているんです」と告白しています。
タフな精神力が必要! オーディションは自分の実力を知る場
実は、声優という職業にとって、「オーディション」は避けては通れない関門なのです。
声優の専門学校で基礎を身につけた後、多くの人が、プロとしての仕事ができる力を養うために養成所・研究所を目指します。希望すれば誰でも入所できる訳ではなく、ここで、まずオーディションがあります。
次は、声優として仕事ができる環境を整えてくれる芸能事務所に入るためのオーディション。事務所に所属すると、作品に出演するためのオーディション情報を得られたり、マネジメントを受けられたりします。芸能事務所が経営している養成所・研究所で在所中に成績が優秀だと、優先的に事務所に所属できるケースもあるようです。
そして最難関は、声優としての仕事を勝ち取るためのオーディションだといえそうです。経験豊富な先輩たちと、同じ土俵で戦わなければなりません。
こういった数々のオーディションを勝ち抜いて初めて、"声優"と名乗ることができるのです。みなさんが声や名前を知っているような有名な声優でもオーディションに落ちるぐらいなのですから、いくつものオーディションに落ちてもへこまないタフなメンタルを持ち、自分の強みと弱みを分析して努力を怠らない人に向いている職業といえるでしょう。
最初は"新人"から。1本いくらの実力世界!
さて、作品に出演するオーディションに合格し、晴れて声優として仕事をしたとき、手にすることができる報酬は一体どれくらいなのでしょうか?
声優業界では、アニメや洋画吹き替えの仕事には報酬の規定があり、キャリアや人気によって異なる「ランク」と呼ばれる基本の出演料が定められています。出演料は、このランクと作品の長さ、作品の利用目的の3つの要素で決まります。新人(協同組合日本俳優連合に新人登録してから3年間)の場合、アニメや洋画の吹き替えだったら1本1万5,000円。ここから、事務所のマネジメント料や税金が引かれた金額を手にすることができます。
アニメや洋画吹き替え以外の仕事には規定がないため、ナレーションやCM、ゲームの仕事は報酬が高くなる傾向があるようです。
アニメブームをきっかけに、20世紀後半から、声優が裏方ではなくラジオのパーソナリティーや歌手、俳優として表に出ることが多くなったため、声優という仕事に憧れる人が増えているようです。しかし、華やかな面だけではなく、自分をアピールする力や作品の世界観を表現する力、演技力を磨く努力を継続する力が求められるといった、地道な面もある仕事です。声優という仕事に興味のある人は、まず、専門の学校で発声法や表現力、演技力を磨いてみてはいかがでしょうか。
●参考URL
http://www.pokemon-movie.jp/news/?p=2034
http://news.mynavi.jp/articles/2016/04/08/seiyuawards/
http://www.nippairen.com/active/jitsumu20110126.pdf
http://style.nikkei.com/article/DGXNASFK0302Y_T00C14A7000000
この記事のテーマ
「マスコミ・芸能・アニメ・声優・漫画」を解説
若い感性やアイデアが常に求められる世界です。番組や作品の企画や脚本づくり、照明や音響などの技術スタッフ、宣伝企画など、職種に応じた専門知識や技術を学び、実習を通して企画力や表現力を磨きます。声優やタレントは在学しながらオーディションを受けるなど、仕事のチャンスを得る努力が必要。学校にはその情報が集められています。
この記事で取り上げた
「声優」
はこんな仕事です
映像に声をのせる職業。海外の映画やドラマの吹き替え、アニメやゲームへのアテレコ、ナレーションなどが仕事となる。せりふは俳優やキャラクターの口の動きに合わせ、作品によって声質も演じ分ける。最近は、アニメやゲームの声優としてブレークし、歌手活動をする人もいる。仕事はオーディションを受けて得るケースがほとんどだが、実力や人気によっては依頼が来る場合も。アニメのイベントに出演することもある。
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