新しい女性のあり方を生み出したココ・シャネルの「スタイル」とは?

シャネルと聞くと、どんなイメージですか? 憧れの高級ブランドやお金持ちのステイタスという感じかもしれませんね。
このブランドはココ・シャネルという女性が作りました。彼女は「私は流行をつくっているのではない。スタイルをつくっているの」と語り、女性の新しいスタイルを生み出した女性でもあります。
そんな彼女の「スタイル」とは、どのようにつくられていったのでしょうか。
この記事をまとめると
- ココ・シャネルが新しい女性たちのために作り出したスタイルとは。
- シャネルスーツが「永遠のモード」となれた理由はどこにあるか。
- デザイナーとして「スタイル」も作れるようになるために学ぶべきこと。
トレンドのジェンダーレスファッションはシャネルから始まった
女性たちがコルセットでウェストを締め付けてドレスを着ていた時代にココ・シャネルは生まれました。でも彼女は「どうして女は窮屈な服装に耐えなければならないのか」と疑問を持ち続けていました。
1909年にポール・ポワレというデザイナーがコルセットを使わないドレスを発表したのですが、窮屈さに変わりはなかったのです。まだ服のデザインを本格的に始めていなかったシャネルは窮屈さを嫌い、恋人が着ていたシャツやジャケットを好んで自分なりに着こなしていました。そう、現在流行しているジェンダーレスなファッション(男女の境界がないファッション)を確立させていたのです。
現代の女性が当然のように履いているパンツも、当時は男性のファッションであったものをシャネルがスタイルとして好んでいました。女性がメンズウェアを美しく着こなすことは、彼女が提案したと言っても過言ではないでしょう。
シャネルが服のデザインを開始し、店を持ったのは1915年。翌年にコレクションを開催し、男性の下着に使用されていたジャージーを使ったドレスが喝さいを浴びました。彼女が作る服には甘さがないのに、女性らしい魅力があって、当時のモダンで新しい女性たちはシャネルの店に飛び込んでいったのです。
永遠のモード、シャネルスーツもメンズウェアがヒントに
シャネルがデザインしたスタイルの中で最高傑作ともいえる作品がシャネルスーツです。多くの女性が現代でも憧れている服ですよね。実際に原型のシャネルスーツは、現在でもほぼセミオーダーメイドで、価格も学生のみなさんには手が届かないでしょう。それだけ贅沢な服です。
素材はシャネルが好んで使ったジャージーや発表当時はメンズウェアの素材だったツイードになっています。この素材を選んだ理由は、彼女が窮屈さを嫌い続けたからです。身動きが自由でなければ優美ではないという哲学を貫いたから生まれた服だといえます。
シャネルスーツは紳士服の仕立てをヒントにしていて、さらに女性の服に初めてポケットを付けたのです。今は当たり前になっていることは、シャネルが生み出したスタイルだといえます。
着ていて楽であり、さらに活動的でいられるというスタイルはシャネルが完成させたのです。ジェンダーレスな服であり、しかも優雅で女性らしい美しさもアピールできるスタイルを作りだし、それが現代でも生きているということは素晴らしいことではないでしょうか。
デザイナーという仕事に就くためには?
流行は廃れても、スタイルは残っていきます。彼女は流行を作ったのではなく、まさしくスタイルを作ったデザイナーだといえるでしょう。デザイナーとしても女性としても革新的であったシャネルだからこそ、現代でも憧れのブランドとなっているのかもしれません。
こんな風にデザイナーとして活躍していきたいのなら、服飾専門学校で土台から学んでいくのが近道です。服の仕立てから構造までしっかりと学ぶことができますし、どうデザインしていくのかも学んでいけます。
シャネルのように流行を生み出すだけではなく、スタイルも作りたいのであれば、自分の持っている思考や哲学を、洋服に落とし込む知識が必要だといえます。また、彼女がずっと感じていたような疑問を持つことも、新しいデザインを作るヒントになるかもしれませんね。
●参考文献
『全米No.1ファッションアドバイザーが教える 誰でも美しくなれる10の法則』ティム・ガン/ケイト・モロニー
『美女の歴史 美容術と化粧術の5000年史』ドミニク・パケ
●参考URL
http://www.vogue.co.jp/tag/brand/chanel
この記事のテーマ
「生活・服飾・美容」を解説
生活をより豊かで快適なものにするための学問です。例えば生活学では、誰もが安全で快適に暮らせる生活空間づくりをめざして、ユニバーサル・デザインの研究を行います。服飾や美容は、多様化するトレンドや趣向を敏感にとらえ、ファッションやヘアメイクにおいてあらゆる角度から美を追究しています。
この記事で取り上げた
「服飾・被服学」
はこんな学問です
服飾について専門的に学び、より優れた服飾を追究する学問。世界各地の服飾文化について、歴史や存在意義、機能性などを分析し、科学的な視点から服飾文化の向上や創造に役立てるのが主な目的。デザイン、縫製など服飾造形の技能を追究し、習得する「プロダクトデザイン分野」、繊維の性質や加工、管理を学ぶ「テキスタイル化学分野」、商品流通や消費を研究する「消費科学分野」のほか、文化財となる服飾品の保存を学ぶこともあり、領域は幅広い。
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