フリーカメラマンの曽我美芽さんに聞く! カメラマンという仕事のやりがい
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カメラマンの活動を取り上げるインタビューシリーズ。
この記事をまとめると
- 仕事のノウハウは“現場”で手に入れる
- ”自分にしかできない仕事”のやりがいと責任
- 仕事を楽しむことで向上心が継続していく
前回に引き続き、カメラマンの曽我美芽(そがみめ)さんにインタビュー!
フリーカメラマンとして活動する上での意識や、仕事のやりがいについて伺いました!
いい仕事をするためのノウハウは、“現場”で培っていく
——撮影をする上で気をつけていることについて教えてください。
カメラマンは撮影だけでなく、その前後に機材の準備や撮影場所の下見、データの処理や納品など、撮影以外にも数多くの作業があります。
いい写真を撮るためには「被写体への気遣い」が重要ですが、撮影仕事には必ず「クライアント」が存在します。そのため、「クライアントのニーズを汲み取る」ということが、被写体への気遣いと同様とても大事なことだと考えています。
撮影したデータはクライアントに納品するので、「このクライアントにとって一番良い納品の形は何か」ということを考え、そこから逆算し、いい写真を撮るための環境を整えることが求められます。この「準備」というフェーズはカメラマンという仕事をする上で非常に重要です。
クライアントがどのような写真を求めているかを把握しなければ、本当の意味での「いい写真」は撮れません。
——現場で仕事をこなすことでしか得られない知見ですね。
そうですね。こうしたノウハウは数をこなして学ぶしか方法がないので、「現場に入ること」がとても大事です。
そして、そこでできなかったことは「なぜできなかったのか」を調べ上げ、それでもわからなければ先輩やわかる人に聞く。そうやってとにかく毎日勉強して、撮れる時間があればどんどん撮るという姿勢にならなければいけません。
“自分にしかできない”という喜び
——曽我さんのお仕事の「やりがい」を教えてください。
以前、「ずっと写真を撮られることが苦手だったけど、曽我さんにだったら任せられる」って言ってくれた子がいました。その言葉を聞いたときに、「私がやりたかったことはこれだ」って思えました。そのときは本当にうれしかったです。
あとは、私が撮った写真を見た人に「この子可愛いな」って思ってもらえるのもうれしいです。それがモデル本人の自信になるということにもやりがいを感じます。
こうした経験から、仕事で撮影するときは「被写体の良さをどう出していくか」ということをより考えるようになりました。
——では逆に、カメラマン独特の大変さなどはありますか?
撮影の準備、撮影、納品という行程をほぼ自分1人でこなさなければならないので、それは大変ですね。
それと、勉強をすればするほど機材の必要性がわかるようになるので、自然と機材の購入費は増えていきます。機材を増やせばその分撮影の選択肢が増えますが、カメラ機材は上を見るときりがないので、お金を稼ぎたいだけの人はカメラマンに向いていないかもしれません……(笑)。
“仕事を楽しめる”というのも1つの才能
——では最後に、カメラマンという仕事に興味がある高校生に向けてメッセージをお願いします!
カメラマンになるには、「写真を撮ることが好き」「撮ることが楽しい」という気持ちが何よりも大事だと思います。私がカメラを始めたきっかけも「ただ写真が好き」という気持ちだけでした。
ただ、好きという気持ちだけでは仕事は続けられません。私は高校生のとき、「好きなことばかりやって生きていけると思うな」と先生に怒られたことがあります。今思い返してみると本当にその通りだと思いますし、「自分が本当に撮りたいもの」を撮れているカメラマンは少ないと思います。なので、みなさんには「自分なりの楽しみ方」を見つけてほしいと思います。
好きという気持ちだけを頼りにしてしまうと理想と離れたときに我慢しなければいけなくなってしまいますが、「楽しむ」という気持ちを常に持っていれば、どんなことに対しても前向きになることができます。
私は、自分の感性を注ぎこむことができるこの仕事に就けて本当に幸せだと思っています。なので、みなさんにも自分が楽しいと思えるようなものを見つけてほしいと思っています。
あと、最後に1つお話ししておきたいことがあります。私が今までお話ししたことは、尊敬できる先輩の仕事に対する姿勢を見て学んだことばかりです。私が今こうやって仕事をすることができているのはそうした先輩や周りの方々のお陰なので、「ご縁の大切さ」を毎日実感しています。
みなさんにも、私が出会った先輩のような存在に出会う日がいつか来ると思います。その人はきっと自分の人生とってかけがえのない存在になってくれるはずです。なので、教わったことを大切にして、感謝を忘れないでください。
私もまだまだ勉強することばかりですので、いろいろな人と出会いながら、日々成長していこうと思っています。高校生のみなさん、お互いに頑張りましょう! 私も負けませんからね!(笑)。
——ありがとうございました!
カメラマンという仕事は、現場で学びながら“自分なりのノウハウ”を掴むことやクライアントのニーズを汲み取ることが大事だとわかりましたね。
自分なりの楽しみ方、自分にしかできない仕事。そうした働き方を通し、曽我さんは多くの方の笑顔を形に残しています。
「人の魅力を引き出したい」「カメラを仕事にしたい」という思いがある人は、カメラの知識が学べる学校を選択肢の1つに加えてみてもいいかもしれませんね。そして、是非その知識を持って現場へ踏み出してみてください。
【メイン画像】
エルフロート
この記事のテーマ
「デザイン・芸術・写真」を解説
デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。
この記事で取り上げた
「フォトグラファー」
はこんな仕事です
フォトグラファーは動画なども撮影するムービーカメラクルーと異なり、静止画像のみを撮る職種。撮影する対象はさまざまで、報道、ファッション、スポーツ、食品、建築物、風景と、それぞれ専門分野を持っている人も。写真が使われる媒体は新聞、雑誌、インターネット、広告など。フリーランスのアシスタントとして仕事を始める場合もあるが、スタジオやマネジメント事務所、写真館、ブライダルサロンに入社することも。そこでしばらく経験を積み、後にフリーランスとなって活躍する人も多い。
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