気になる社会人にインタビュー!
第63回:フードコーディネーターに聞いてみた10のコト!
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雑誌やテレビで料理を紹介するとき、盛りつけがきれいだったり、お花やグラスなど小物を使ってコーディネートされていたりすると、より料理がおいしそうに見えますよね。料理をおいしく見せるために盛り付けやテーブルコーディネートを工夫している職業の人たちを、フードコーディネーターといいます。
そこで今回は、フードコーディネーターとは実際にどんなお仕事なのか、実際にフードコーディネーターとして活躍されている佐藤かな子さんに詳しくお話を伺いました。
この記事をまとめると
- フードコーディネータの仕事では、総合的な食の提案を求められる
- 「おいしい!」「家で作ります!」という声が聞けたときはとてもうれしい
- 料理の撮影をするときは、聞き取りや下調べを入念に行う
食に関する様々な知識を持つフードコーディネーター
Q1. フードコーディネーターというお仕事について教えてください。
「フードコーディネーターは、食に関するさまざまな知識を持ち、レシピ開発や、広告やカタログ、雑誌などに掲載する料理写真の盛り付け・スタイリング、メニュー開発、料理教室の講師などをするお仕事です。料理研究家は専門の分野を持つ方が多いですが、フードコーディネーターは総合的な食の提案を求められることが多いとされています。私は料理写真の盛り付け・スタイリングと料理教室の講師の仕事が多いです」
Q2. 現在のお仕事に就くために、どのような勉強や経験を積まれてきたのでしょうか。これまでの道のりを教えてください。
「私の場合は、大学は文系の学科に入り、卒業後に製菓・製パン会社の販売職に就きました。その仕事の中で、新商品の提案や企画などに興味を持つようになりフードコーディネーターへの転職を考えましたが、周りにフードコーディネーターの仕事をしている人や関係者がいなかったので、基礎知識を学ぶために専門学校に通うことにしました。1年コースでできるだけたくさん学びたかったので、毎回授業のノートをワードに起こして復習を頑張りました。担任の先生のお仕事に同行させていただく機会にも恵まれたため、積極的に勉強できた1年でした。卒業してからは、料理家の方のアシスタントや調理器具のデモンストレーターの仕事をしながら、自宅で料理の美味しそうな見せ方を練習してスタイリングの引き出しを増やすように心がけました」
Q3. お仕事の中で、魅力ややりがいを感じるのはどんなときですか?
「自分が料理を作ってスタイリングした写真がお店に飾られたり、商品として出回ったときが一番やりがいを感じます。また、料理教室のメニューやレシピ提案をする際に、どのような料理を作るか考える時間も好きです。自分が好きなものというよりは、相手に気に入ってもらえるかが大切なので、生徒さんから『おいしい!』『家で作ります!』という声が聞けたときはとてもうれしいです」
自分が素敵だと思ったものはすぐに記録
Q4. お仕事に取り組む中で、大切にしていることがあれば教えてください。
「撮影でも教室でも、『おいしそう!』と思ってもらえることが目標です。見た人が買いたい、食べたいという気持ちにさせることが仕事の中で重要なので、そのために自分が素敵だと思った盛り付けやおいしいと思ったものに出会ったらすぐに記録するようにしています」
Q5. お仕事の中で、一番の思い出や達成感のあったエピソードはなんですか?
「とある本で、レシピから撮影まで担当したことです。1冊の本を丸ごと担当するのはとても緊張しましたが、本に関わることが夢だったので一生懸命取り組みました。数十ものレシピを生み出すのは大変な作業でしたが、出版されるのをイメージするとワクワクして、それを原動力にして頑張りました」
Q6. お料理の撮影をするとき、一番気を遣っていること、また難しいと思うことは何ですか?
「撮影では、会社のイメージや商品の特徴などをふまえてスタイリングしていくので、聞き取りや下調べは念入りにします。例えば、同じカレーの撮影でも会社が違えばこだわりのポイントが違うかもしれないので、確認が大事になってきます。きれいに料理を作ること以外に、このようなやり取りも大事な仕事の一つです」
Q7. お料理教室でお料理を教えるときに心がけていることや、難しいと思うことは何ですか?
「どこを重点的に教えたら喜んでもらえるかを考えて臨むように心がけています。私の料理教室には、普段から料理をしている主婦の方から仕事が忙しい一人暮らしの方までさまざまな人が来てくれます。その方たちが同じ時間を楽しく過ごしていただけるように、毎回伝え方を工夫しています」
高校時代からお弁当を作ったり、おいしいパン屋さんを探したりしていた
Q8. お休みの日はどのように過ごしていますか?
「休みの日でもやはり食べ物のことを考えています(笑)。外に出かければおいしい料理が食べられるお店を探しますし、家にいても普段なかなかできないお菓子などを作りたくなります。そのような時に意外といいアイディアが浮かんだりします」
Q9. 高校時代はどのように過ごしていましたか?
「高校生の時から料理に興味を持っていたので、自習のために休日に登校するときは自分でお弁当を作ったことがあります。お弁当の本を買って参考にしたり、母に聞いて作りました。おいしくできないときもあったけれど、自分なりにきれいに詰めたお弁当を休憩時間に開けるのは楽しみでした。また、パンが大好きだったのでどこのお店がおいしいか、いろいろとお店を回っていました。このころから『おいしいもの』への探究心が芽生えたように思います」
Q10. フードコーディネーターを目指している高校生へ向けて、一言メッセージをお願いします。
「フードコーディネーターで活躍している人の経歴はさまざまですが、やはりジャンル問わず幅広い知識が必要になります。高校生のうちから料理を『作って食べる』積み重ねをしていれば、自然と食の世界が広がっていくのではないでしょうか。シチュエーションや四季が変わればコーディネートもガラリと変わりますので、その変化にも敏感になって取り組むと、より実際の仕事で使える知識になります。楽しみながら、好奇心を忘れずに頑張ってください!」
食に関する幅広い知識が求められるという、フードコーディネーターのお仕事。自分でつくるだけでなく、きれいに盛りつけて誰かに見せたり、食べてもらったりすることが好きな人は、きっとやりがいがある職業なのではないでしょうか。フードコーディネーターの仕事に興味が湧いた人は、雑誌やテレビで紹介されている料理の写真や映像に注目してみると、興味が深まるはずですよ。
【取材協力】佐藤かな子さん
http://sato-kanako.com/
http://ameblo.jp/satokanako-77/
https://youtu.be/B35elUMvMTc
この記事のテーマ
「食・栄養・調理・製菓」を解説
料理や菓子などの調理技術や、栄養や衛生などに関する基礎知識を身につけます。職種に応じた実技を段階的に学ぶほか、栄養士などの職種を希望する場合は、資格取得のための学習も必須です。飲食サービスに関わる仕事を目指す場合は、メニュー開発や盛りつけ、店のコーディネートに関するアイデアやセンス、酒や食材に関する幅広い知識も求められます。
この記事で取り上げた
「フードコーディネーター」
はこんな仕事です
フードビジネスのあらゆる分野でプロデューサー的な役割を果たす仕事。主な仕事内容は、テレビや雑誌などのマスコミ媒体で料理のスタイリングを行う職種として、料理の製作とともに食器やテーブルウエアも含めてトータルコーディネートし、撮影内容をどうするか考える。しかし近年ではそれにとどまらず、食品・飲料メーカーで食の商品開発を担当したり、店舗設計やテーブルコーディネートも含めたレストランのプロデュースを行うなど、活躍の場が広がっている。
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