店員さんに聞く! 帽子屋さんって、どんな仕事?

みなさん、普段帽子を被ることはありますか? 「ファッションは好きだけど、帽子はあまり被らない」という人も多いかもしれません。
今回は、帽子屋さんで働くちひろさんに、帽子の魅力と、そこで働く楽しさを伺ってきました!
この記事をまとめると
- 帽子屋さんはお客様の“はじめて”に携わることができる
- 接客の中でいかに不安を取り除けるかが腕の見せ所
- 組み合わせ方次第で楽しみ方は無限大
“はじめての経験”を与える瞬間に魅力を感じる
——ちひろさんが帽子屋さんで働き出したきっかけを教えてください。
今までいろいろなファッションショップで接客業をしてきましたが、帽子を被ったことがないという人って、意外と多いんですよね。なので、「はじめての経験」をお客さんに与えられるのは魅力的だなと思い、帽子屋さんで働き始めました。
——仕事をする上で帽子屋さんならではの特徴などはありますか?
洋服屋さんなどに来るお客さんは自分のために買いにくる人が多いと思うのですが、帽子はプレゼントなどで買われていく人も多いんです。なので、その場にいない人のことを考えながら商品を選ぶ必要があるので、「実際に手にする人のことを想像しながら商品を提供する」というのが独特かなと思います。
——プレゼントの場合、どのようにして似合う商品を提案するのですか?
買いにきてくださったお客様に、プレゼントする相手の印象を聞いたり、写真を見せてもらったりしています。
実際に雰囲気を掴めた方がご提案しやすいですからね。これは目の前にいるお客様に対しても同様で、見た目の雰囲気から似合うものを探したり、好きなファッション、色などを伺ってそれに似合う商品をすすめたりします。
「帽子を被ったことがないんです」というお客様には、靴やベルトの色に対してどういった組み合わせをすれば全体がまとまって見えるかなどをお話したりもしますね。
——帽子に関する知識はお店に入る前から持っていたのですか?
最初は全然詳しくなかったですね(笑)。なので、お店に入ってから、上司の接客する姿を見て学んでいきました。
カラーコーディネートなどは独学で勉強したりしましたね
——研修のようなものはなかったのでしょうか?
もちろんやっているお店もあると思いますが、私が働いているお店では帽子に対する知識よりもコミュニケーション能力が問われていたので、研修のようなものは行われませんでした。
お客さんが持っている不安を取り除くのが接客の仕事
——仕事のやりがいを教えてください。
提案した商品を買っていただけるのはやはりうれしいですね。あとは、自分が担当した人がもう一度買いに来てくださったり、プレゼントとしてもらった人が「気に入ったのできました!」と足を運んでくれたりすると、接客業のやりがいを感じます。
——大変な点などはありますか?
帽子は洋服や靴と違って絶対に必要なものではないので、「いかにその人の購買意欲を高めるか」というのが接客の中に求められます。
最初にお話したように、帽子屋さんには「被ったことがない人」がたくさん来ます。なので、どうやって最初の一歩を踏み出してもらうかの試行錯誤が大変ですね。
幸い、私が働いているお店の周りにはファッションショップがたくさんあり、そこの店員さんが被りながら働いてくれていたりするんです。なので、「あそこにいる店員さんが被っているのもうちの帽子ですよ!」と、実際におしゃれに被りこなしているところをお見せすることができるので、とても助かっています(笑)。
どんな方法であれ、「どうやってお客さんに帽子という選択肢を取り入れてもらうか」が大事です。それを日々考えるのが大変な点かもしれません。
帽子の魅力は“組み合わせ”と“手軽さ”
——どのような人に向いている仕事なのでしょうか?
接客業なのでしゃべるのが好きというのと、やはり帽子が好きというのが大前提ですね。好きこそものの上手なれじゃないですけど、知識は働いているうちについてくるので、どれだけ商品を愛せるかという思いが大事だと思います。
あとは、人間観察が好きな人は向いていると思います。時計や鞄など、お客さんが身に着けているものに対しての雑談ができると、ぐっと距離を近づけることができます。なので、帽子だけでなく、ファッションや小物などについての知識があるとなおいいかもしれませんね。
——では最後に、帽子屋さんに興味がある人に向けて一言お願いします。
洋服や小物との組み合わせは無限大ですし、「被る」という簡単な動作だけで雰囲気をガラっと変えることができるのが帽子の魅力です。その魅力を熟知し、人の日常を彩ったり、プレゼントとして節目に花を添える役割を担えるのが私たちの仕事です。人に、「自分の新しい魅力」に気付いてもらえる瞬間には、何者にも代えがたい喜びがあります。人を喜ばせたいという思いがある人は、ぜひ帽子屋さんになってみてください!
——ありがとうございました!
帽子屋さんは、お客さんに新しい選択肢を与えることができる仕事だということがわかりました。
帽子だけでなく「モノ」を売る販売の仕事は不安を取り除きながら接客をしたりと、コミュニケーションの難易度は高いかもしれませんが、その分お客さんに喜んでもらえたときのやりがいは大きいようです。
帽子やファッションが好きで、さらに「人の魅力を引き出したい」「自分の好きな物を人に提案したい」という思いがある人は、帽子屋さんで働くという選択肢を考えてみるのもいいかもしれませんね。
この記事のテーマ
「ファッション」を解説
ファッションの専門知識や業界のビジネスノウハウ、感性やセンス、そして技術を駆使し、世の中に新たな流行を生み出すビジネスです。主に、素材づくりや縫製など「つくる仕事」と、PRや販売促進などファッションビジネスに関わる仕事に分かれます。この仕事をめざすには、作品の発表会や学外での職業実習などを通して職業人としての実践力を身につける他、資格取得をめざす場合もあります。
この記事で取り上げた
「ショップスタッフ」
はこんな仕事です
ファッションブティックの店頭で、取り扱うアイテムを、ときには自ら身にまとい販売を行うスタッフ。購買者と直に接することができ、アパレル業務の基本となる仕事。「カリスマ店員」という言葉が流行して以来、ショップスタッフの持つ売上高への影響力が注目されている。勤務場所は路面店など単独の店舗か、百貨店や駅ビルなど施設内の店舗。接客以外に店舗の清掃やバックルームでの在庫管理、陳列、棚卸しといった裏方業務も行う。立場によっては売り上げ管理、ディスプレーなど店舗運営に関与することもある。
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