国立大学卒バンドマンに“生き方としての仕事”について聞いてみた!

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国立大学卒バンドマンに“生き方としての仕事”について聞いてみた!

2016.08.01

提供元:マイナビ進学編集部

国立大学卒バンドマンに“生き方としての仕事”について聞いてみた!

この記事をまとめると

  • 自信のあった勉強で人に負けて挫折し、バンドマンへの道を歩む
  • バンドマンとして活動するる森田さんの仕事論、人生論
  • 勉強したことは必ず教養になる。教養を上手く使えば充実した人生を送れるはず

前回の「バンドマンに聞く──関西のバンドマンに高学歴が多いのはなぜ?」に引き続き、今回は神戸を中心に活動するロックバンド、セックスマシーンの森田剛史(Vo&Key)に、仕事についてお話を伺いました。中学~高校と神戸の有名進学校に通い、神戸の某国立大学に入学。現在はバンドマンとして活躍しながら、塾講師も務める森田さんの“仕事論”、“勉強論”とは?

一番勉強ができた小学校時代~バンド結成に至るまで

現在はバンドマンとして活躍しながら、塾講師も務める森田さん。「小5の時が一番、勉強ができた」と語ります。

「小学校のころはパズルが得意で。言ってしまえば、中学受験ってパズルみたいなものなんですよ。多湖輝先生という人が出した『頭の体操』というパズル本がめちゃくちゃ好きで。勉強もその延長だったんじゃないか? と思うんです。中学受験はパズルを解く頭と計算の馬力の両方を問われている感じで。修行のように計算を繰り返していると、“どうしたらもうちょっと楽に計算できるか?”という柔らかい考え方も必要になってくるんですよね。『あれ? これ、数字が一個ずつ増えてるだけちゃうの?』みたいな。そこに気付けたら、中学受験レベルの問題って意外と簡単なんです。中学受験のテストって“早熟度チェック”みたいな側面もあって。計算する上での理屈を組み立てていく力って、中学・高校で伸びていくものなんですけど、それを小・中学校で試してるんですよね。だからなのか、小学生の進学塾には早熟なマセガキが集まっていた気がします(笑)。」

通っていた進学塾で“眠れる獅子”とまで言われた森田さんが、同級生との差を感じて挫折を味わう話は前回も紹介しましたが、具体的にはどこが違ったのでしょうか?

「そいつらはもう本当に勉強が好きなんですよ。友達で脳外科の先生をやってるヤツがいるんですけど、そいつは大学に入ってからも、自分の学部ではない授業までたくさん受けてたりして。とにかく新しい知識を得ることが好きなんです。そういうヤツに出会うと、『どうやら俺はたかが知れてたな』と。『勉強を極めるヤツは次元が違うところにいるぞ』と思わされますよね。」

その後、「自分が勝てるジャンル」「周りの人とは比較できない分野」を探して、“ロックバンド”という選択肢を選んだ森田さん。1998年、まだ高校生だった森田さんが結成したバンドがセックスマシーンでした。

「学校が6年制やったんで時間もあったし。行ってた学校が割とほったらかしの校風で、バンド活動がやりやすかったんですよね。そのころ、勉強は超低空飛行です。時々、急にやる気を出して一科目ガツッと勉強すると結果が出るので、それで安心する感じで(笑)。バンドはその後、神戸スタークラブというライブハウスに出させてもらうようになって、ガガガSPやメガマサヒデという盟友に出会うんですが。ああいった強烈な個性と出会うことで、『あんな凄い人たちがいるのに、俺は何ができるんだ!?』と考えさせられて、バンド活動も本気になっていくんです。」

バンドマンとしての生き方

その後、某国立大学に進学する森田さん。そのころの悩みは勉強や進学ではなく、やはりバンド活動に関することだったそうです。

「大学に入ったころにはすでに今のバンドで全国ツアーを回っていて。そのころ悩んでいたのは、『僕らはほかのバンドとどんな違うことができるのか?』ということ。身近にすごいバンドがたくさんいるなかで、『自分はインスピレーションで何かを生み出す天才タイプではなく、考えに考え抜いた上で絞り出したことをやるタイプなんだ』ということに気付くんです。そんななかでも、僕はステージに立つということに強く魅せられて。同じ状況が二度とない生の空間で、その場その場で自分を出し切って、正解を叩き出すということに惹かれたんです。」

学校のテストのような答えが用意されたものではなく、誰も答えが分からない生のステージで正解を叩き出すという、ライブの魅力に取り憑かれた森田さん。そんななかでも、学校で学んだ勉強が役に立っているそうです。

「僕が大学で先攻していたのが“経営学部ヒューマン・リソース(人的資源)”みたいなところで。組織論というか、モチベーション管理とか、そういったゼミに通っていたんですが。心理学的アプローチも多くて、そこからのフィードバックも今の自分に大きく影響していると思いますね。僕の好きなリチャード・バックの『イリュージョン』という小説があって。そこには『本当に知りたいことがあれば、電話帳をめくっても書いてある』という台詞があるんです。直接であれ反面であれ、どんな学問でも、たとえ電話帳でも自分の見方次第で何かヒントが見つかる気がするんですよね。」

バンドを結成して18年。現在は生活のために塾の講師も勤めながら、バンドマンとして活動し続けている森田さん。彼なりの仕事論、人生論も語ってくれました。

「同級生には医者、官僚、弁護士、会計士と、すごく立派になった人も多いですけど。そういうヤツらが同級会で、『オマエはいいよな、好きなことやって!』と言うんです。『だったら俺を養え! オマエの家の庭にテント立てて住むぞ! “奥さん、朝飯まだですか?”って毎朝、言ってやろうか?』って言うたったんですけど(笑)。確かに『俺はこうして生きていくんだ!』と決められているだけ、ええ人生やなと、今は思ってますね。友人が言ってたんですが、『仕事と呼ばれるものは、大別して二つある。生き方としての仕事と収入を得るための仕事だ』と。その両方が合致しているのがベストなんですけど、僕は間違いなく前者ですね。ここからいろんなことに興味が向いたり、枝分かれしたり、また戻ってきたりもするんでしょうけど。僕の核となるところはステージであったり、“対人間”というものであり続けるだろうなと思うんです。コミュニケーションを言葉や音楽で紡いだり、ステージで体現しながら、なんとか社会と折り合いを付けていく(笑)。特に僕らの音楽は大衆音楽の側面を持ちながら、ロックだから唯一無二じゃなきゃいけなくて。その相反したところで、“どうあるべきか?”“どう表現すべきか?”を考え続けていて。結局、まだ答えは出ていないんですが。そういう答えや結論が出ないところがやっぱりおもしろいんですよね。日々、勉強です。」

生徒から「今やってることが何の役に立つの?」と聞かれたら

さらに森田さんは、塾講師として現役高校生によく聞かれる『今やってることが何の役に立つの?』という問いに、自身の経験も踏まえた独自の回答を聞かせてくれました。

「最近、作詞にもすごく興味が向いていて。聴いた人それぞれに広がりがある言葉を選んで紡いでいくことがすごくおもしろいんです。『自分の心の奥底にある核の部分を上手いこと切り取れたら、多くの人が思っている気持ちと相似になっていくんじゃないか?』と考えるようになって。僕は最近、古典を勉強しているんですけど、あれは大したもんで。貴族はメシの心配をせずに言葉遊びばっかりしているから、言葉が研ぎ澄まされているんですね。『1000年も昔の先輩がこういうことやってたのか!』と思うと、すごく刺激になるし、勉強になって。よく、高校生に『今やってることが何の役に立つの?』と聞かれるんですけど、僕は『普通に使うよ』と答えています。『どの場面でどう使うかはキミ次第やけど、今学んでいる勉強は必ず教養になるし、その教養を上手く使って生きた方が必ず充実した人生を送れるはずや』と言ってあげたいですね。例えば、僕は昔から『隕石が落ちてきて死ぬのだけは勘弁や!』と思ってビビってたんですけど(笑)。ざっくり計算をしてみたら、『音速超えてるから気付かないうちに死ねる』ってことが分かって安心したんです。形によっては空気抵抗のせいで音速超えなくて“キーン”って音を聞いてしまうかもしれないけど、綺麗な円錐形だったら大丈夫です。だから、今学んでいる勉強は必ずキミの教養になって、いざという時にきっと助けてくれるから。迷わず勉強して下さい!と、高校生には伝えたいですね。」

収入を得るための仕事ではなく、“生き方としての仕事”としてバンドマンを選んだ森田さん。答えのないところで音楽の表現と自分の生き方を追求していく、そんな姿勢には学ぶべきことがたくさんありそうです。

この記事のテーマ
音楽・イベント」を解説

エンターテイメントを作り出すため、職種に応じた専門知識や技術を学び、作品制作や企画立案のスキル、表現力を磨きます。音楽制作では、作詞・作曲・編曲などの楽曲づくりのほか、レコーディングやライブでの音響機器の操作を学びます。舞台制作では、演劇やダンスなどの演出のほか、舞台装置の使い方を学びます。楽器の製作・修理もこの分野です。

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この記事で取り上げた
「ミュージシャン」
はこんな仕事です

作詞・作曲をしたり、楽器を演奏したりして収入を得る職業。単独で演奏するソロかバンドや楽団などのグループがあり、作詞・作曲をすれば後に印税を得られる。テレビなどの番組やコンサート、ライブ会場で演奏をする仕事が一般的。ほかに楽曲のレコーディングに参加するスタジオミュージシャンの仕事や、伴奏をするバックミュージシャンの仕事、楽器メーカーのデモンストレーションを行う仕事などもある。近年は、扱うのが楽器とは限らず、さまざまな音楽電子機器を用いて作曲・演奏するプロもいる。

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