200万年分の化石が密集! 秩父に眠る日本誕生ヒストリーとは?

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200万年分の化石が密集! 秩父に眠る日本誕生ヒストリーとは?

2016.07.29

提供元:マイナビ進学編集部

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200万年分の化石が密集! 秩父に眠る日本誕生ヒストリーとは?

秩父盆地には200万年分の化石が眠っている……というのをご存知ですか? ちょうど日本が誕生した頃の地層から見えてきた、知られざる歴史をご紹介します。

この記事をまとめると

  • 秩父盆地の地層から、日本列島が出来た当時の環境を調べることが出来る
  • 秩父盆地には、200万年間で環境が変化していった証拠も、キレイに残っている
  • 地層・化石群とそのストーリーが丸ごと国指定天然記念物になったのはレアなケース

秩父盆地はかつて海だった。地層・化石から、日本誕生当時の様子が分かる!

現在の秩父盆地は、太古の昔、海だったことがあります。その名も「古秩父湾(こちちぶわん)」。

約1,700万年前から現れ、約1,500万年前に姿を消した、幻の湾なんです。古秩父湾は海から陸に戻ってしまったものの、その約200万年間の歴史は、化石を含んだ地層として残されています。それが「古秩父湾堆積層(こちちぶわんたいせきそう)」と呼ばれるもので、なんと厚みは5キロメートル! 川沿いなどで上手く層が観察できるスポットも多くあり、地質学の研究で重要視されてきた地域の一つとなっています。

今私たちが住んでいる日本列島の原型が出来たのって、いつ頃か知っていますか? その答えは、約2,000万年前〜1,500万年前にかけてだったと考えられています。そう、古秩父湾が存在していた年代はちょうど、日本列島が誕生したタイミングだったんですね。

つまり、私たちは秩父盆地の地層や化石を調べることで、当時の様子や歴史を推測することができるってこと。当時、日本近辺の海で地層がどのように動いたか、生き物がどんな風に暮らしていたか、環境がどのように変化していったかを示す、全国的に見ても大変貴重な資料が豊富なスポットなのです。

幻の古秩父湾・200万年の歴史

古秩父湾が生まれた約1,700万年前の様子は、皆野町(みなのちょう)の「前原の不整合」や、小鹿野町(おがのちょう)の「犬木の不整合」で観察できます。これらのスポットでには、秩父の山々を形成する古生代〜中生代といった古い地層の上に、新しい地層が積み重なるスタート部分の様子を見ることができます!

この新しい地層こそが、古秩父湾の地層に当たる、新生代のものです。「パレオパラドキシア」と呼ばれる海棲哺乳類(かいせいほにゅうるい)の化石を含んでおり、古秩父湾が生まれた当初からそこに生息していたことが伺えます。

約1,600年前になると、関東山地全体が沈んだ影響で、古秩父湾はなんと「深海」になりました。秩父市にある「取方(とりかた)の大露頭」で、この時代の地層を見ることができます。砂岩と泥岩が交互に重なった地層は深海になっていたために、大型の化石はほとんど発見されていません。

古秩父湾は約1,550年前、また浅海に戻ります。暮らしやすい環境になったことで、多くの海生哺乳類が繁栄しました。そのためこの時代の地層からは、重要化石も発見されやすくなっています。代表的なスポットに、小鹿野町の「ようばけ」、秩父市の「大野原(おおのはら)パレオパラドキシア化石産地」があります。

約1,500万年前、東側の海底が盛り上がることで湾が閉じ、古秩父湾はなんと姿を消してしまいました! 横瀬町の「新田橋(あらたばし)の礫岩(れきがん)露頭」にちゃんと証拠が残っています。「礫岩」とは、角のとがった石のこと。これは周囲の陸地からしか入ってこないものなので、地層に混ざっていれば、その土地が陸地に変わった目印として観察することができます。

地層も化石もその歴史丸ごと、天然記念物に指定されちゃった?

2016年3月、古秩父湾の地層や化石は、国から天然記念物に指定されました。これは、埼玉県にとっては48年ぶり。また、哺乳類の化石が国指定天然記念物になるのは全国初です。

また、「パレオパラドキシアなど『古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群』」、つまり古秩父湾の地層や海に生息していた哺乳類の化石がトータルで天然記念物に指定されるという、スケールもビッグな出来事でした。ここでも紹介した、約200万年分の歴史ストーリーが丸ごと評価されたのも特長の一つで、これも全国初となっています。

普段は何気なく暮らしている地元の土地にも、かつて全然違う地形だった過去があったり、よく見ると日本や世界全体に関わる歴史のヒントが隠されていたりする……と考えると面白いですよね。また他の天然記念物に指定されたものの歴史をそれぞれ研究してみると、表面しか見えていなかった歴史の奥深さが見えてきますよ!

■参考サイト
祝 国指定天然記念物!/埼玉県観光課
http://www.sainokuni-kanko.jp/?page_id=1796
埼玉県庁
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0301/sainokuni-news/sn2015112001.html

この記事のテーマ
文学・歴史・地理」を解説

文学は、長い歴史のなかで変遷してきた人間の生活や社会、人々の考え方や感情の変化などを、文章表現をもとに考える学問です。文献を読み解いて比較検討し、過去から現在、さらには未来に至る人間のあり方や社会について研究します。地理学や歴史学は、今日の私たちの生活や文化、経済活動などについて、基盤となった地形や気候、史実やさまざまな事象、最新の研究結果や歴史的な遺構をもとに、その成り立ちから考える分野です。

「文学・歴史・地理」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「考古学」
はこんな学問です

発掘された遺跡、遺構、遺物などを残された書物、木簡などのあらゆる情報と突き合わせながら、当時の社会の姿を浮き彫りにしていく学問である。歴史学のカテゴリーに入るが、文字で残されている情報が少ないため、物を手掛かりとして事実を明らかにすることが重要になる。研究スタイルは新しい遺跡の発掘が主になるが、科学的な分析法も常に進歩してきているため、これまでに調査された遺跡についても、再調査が行われている。

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