猛毒はどこにいったの!? 石川県の奇跡の珍味「ふぐの子」

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猛毒はどこにいったの!? 石川県の奇跡の珍味「ふぐの子」

2016.07.22

提供元:マイナビ進学編集部

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猛毒はどこにいったの!? 石川県の奇跡の珍味「ふぐの子」

ふぐといえば美味、そして猛毒を持っていることが頭に浮かびます。
その毒性は青酸カリのおよそ1,000倍とも言われ、有効な解毒法もないことから致死率が非常に高いことで知られます。
ところが、なんと! 石川県にはふぐの部位の中でも特に毒性が強い「卵巣」を食べられるように加工してしまった、奇跡とも言える郷土料理が伝わっています。
それは一体どんな料理なのでしょうか。詳しくご紹介します。

この記事をまとめると

  • ふぐの毒は青酸カリの1,000倍の強さを持つといわれる
  • 石川県の郷土料理ふぐの子は、ふぐの卵巣を糠漬けにしたもの
  • 伝統の製法でのみ、ふぐの卵巣の毒を抜くことができる

ふぐの毒ってどんなもの?

ふぐの持つ毒はテトロドトキシンという神経毒で、中毒をおこすと唇や指先のしびれから始まり、最終的に全身がマヒして、およそ4時間から6時間で死にいたります。解毒薬がないので、体から排出されるまで対処療法で凌ぐしか方法がありません。
さらにふぐの種類によって、毒が含まれている部位が違います。中には筋肉から皮膚、内臓まで全身に毒を含む種類もあるので、調理には正しい知識と技術が必要です。
特に卵巣はほとんどのふぐで毒性が強く、絶対食べてはいけない部位です。
ところが、そんなふぐの卵巣を食べる料理が石川県に伝わっています。それが「ふぐの子」です。

石川県に伝えられてきた珍味「ふぐの子」

石川県の郷土料理「ふぐの子」の正体は、「ふぐの卵巣の糠漬け」です。
日本海で穫れる、ごまふぐの卵巣を約1年間塩漬けにした後、さらに2年間じっくりと糠漬けにします。最後に財団法人石川県予防医学協会の毒性検査を受けて、基準値以下であることを確認して完成です。
卵巣に含まれていたテトロドトキシンは、塩漬けと糠漬けの工程を経て1,000分の1以下にまで減り、食べても害が無くなります。
なぜ毒が抜けるのかについては、いまだにはっきりしたことは分かっていません。
一説には塩漬けや糠漬けによって水分とともに毒が吸い出されると言われています。しかし、確かに毒が吸いだされているのは事実なのですが、塩や糠からは抜けた分に相当するだけの毒量が検出されていないそうです。
そのため、乳酸菌による発酵で消毒されている説やテトロドトキシンの化学的な構造変化による毒量の減少など、様々な可能性が挙げられています。しかし、どれもまだ証明はされていません。
だからこそ、ふぐの子は今も変わらず、昔から伝えられた通りの方法で作られています。なぜならそれが一番確実で安全な製法だからです。

石川県の糠漬け文化が創りだした奇跡

石川県に限らず、日本海側では魚を長期間保存するために糠漬けの文化が発達しました。厳しい荒波で漁ができない冬の間の貴重なタンパク源になったのです。
石川県では卵巣だけでなく、ふぐの肉を糠漬けにした「ふぐのすじ」という郷土料理もあります。
風土に根ざした食文化とふぐという食材が絶妙にからみ合って、「ふぐの子」という他の地域には見当たらない奇跡的な調理法を生み出したといえるでしょう。

このように郷土料理には、その土地独特の食文化に根ざした想像もできない不思議な調理法が伝わっている事があります。
もし文化特有の調理方法に興味が湧いたなら栄養学や調理学を専攻して、地元の郷土料理の調理法を研究してみてはいかがでしょうか。栄養学には食文化の研究も含まれており、郷土料理を勉強のテーマにする先輩方もいらっしゃいます。「ふぐの子」のような伝統の調理法に隠された毒消しの方法などの秘密を解明できれば、まったく新しい料理や食文化を生み出せるかもしれませんよ。


【参考サイト】
・いしかわの発酵文化
http://shofu.pref.ishikawa.jp/shofu/dokunuki/index.html
・危険がいっぱい ふぐの素人料理
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/hugu/
・フグ卵巣ぬか漬けの微生物によるフグ毒分解の検討
http://ci.nii.ac.jp/naid/110003145589/

この記事のテーマ
栄養・食物」を解説

食べることから健康な生活にアプローチすることを目的としています。ただ生きるために食べるのではなく、より良く生きるために食べるという考え方です。栄養学は食物に含まれる栄養素について学び、生理学の知識を踏まえ、適切な栄養指導を行います。そのためには栄養学や病理学などの広範な知識も必要です。食物学では人によっては摂取しにくい食材を食べやすくしたり、よりおいしく食べるための調理方法の研究なども行います。

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この記事で取り上げた
「栄養学」
はこんな学問です

栄養と健康との関わりや調理、加工方法などについて研究する学問。食を通じて人々の健康維持や医療分野に役立てることを主な目的としている。学ぶ分野には、解剖学や病理学を用いて研究を行う「医学・科学分野」、医療現場での栄養指導など臨床的な視点から栄養を学ぶ「臨床栄養学分野」、公衆衛生学など社会と栄養との関わりを学ぶ「社会環境分野」、材料化学や調理学、加工学などを学ぶ「食品品質分野」などがある。

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