海外の映画を通じて、英語を上手に学ぶ方法って?
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英語をしっかりテキストで勉強していても、「実際に話すときに、どう使えばいいのか?」は理解しづらいものです。本場・海外の英語のニュアンスや生きた表現を学ぶためには、一体どうすればいいのでしょうか?
今回は、オンライン学習塾「アオイゼミ」で英語を教えている信田康平先生に、映画鑑賞を用いた、「生きた英語を学ぶ方法」について教えていただきました!
この記事をまとめると
- 海外の映画のセリフを通じて、さまざまな英語表現を知ることができる
- 新しい知識が身につくだけでなく、文法の確認や文化の違いを知ることも可能
- 『Twitter』や『Urban Dictionary』で英語表現を学ぶのもいい
海外の映画で学べる英語表現とは?
今回、信田先生に紹介していただいた映画は、『セブンティーン・アゲイン』(原題:17 Again)。『ハイスクール・ミュージカル』で有名なザック・エフロン主演のコメディードラマで、30代の男性が、17歳のころの姿に戻って、人生をやり直そうと奮起する物語です。
では、実際に作中のセリフで英語の表現を学んでいきましょう!
【1】
The world’s your oyster, kid.
(バラ色の人生だぞ)
「これは直訳すると、『世界はあなたの牡蠣(かき)だ』です。普通に和訳しまうと、なんのことか分からないと思いますが、実はこれは、かのシェイクスピアの言葉をかけています。シェイクスピアの作品の中に、『この剣を使えば、牡蠣・真珠の貝を自由にこじ開けることができる』という一文があるのですが、それをなぞらえて、ここでは牡蠣という言葉は『世界や自分の人生を思い通りにする』というニュアンスで使われています。これは教科書には載っていない表現なので、生きた英語の面白さを感じられるセリフではないでしょうか。」(信田先生)
【2】
Love you. Nice chatting with you.
(愛してるよ。話せて楽しかったよ)
「これは、文法の勉強になるセリフですね。『Nice to meet you』があるので、『Nice to~』という表現を覚えている人は多いでしょう。でも実は、『Nice~ing』という形もあるんです。動名詞(ing)には、過去の意味合いが含まれるので、これまでに実際に話してきた経験が蓄積されている場合は、『Nice~ing』を使います。『これまでの時間を君と話せて楽しかったよ』といった意味合いですね。」(信田先生)
【3】
Googleable!
(ググったな!)
「この和訳はみなさんもよく使うと思いますが、海外にも似た造語があります。辞書には載っていませんが、『Twitter』などでちょくちょく見かける表現です。『able』は名詞の後ろにつくと、『〜できる』という意味を付け加えて、形容詞化するというのは高校でも勉強したと思います。『グーグルで見つけられるような内容』というニュアンスですね。みなさんも友だちに使ってみると面白いかもしれません。」(信田先生)
【4】
- Are you two going out?
(君の彼女?)
She’d never go out with me.
(僕なんか……)
「主人公の友だちのさえない男の子が恋をしているという場面です。『go out with 〜』は、直訳すると 『人と一緒に出かける』といった意味ですが、相手が好きな人であれば「デートをする」、習慣化されていれば『人と付き合う』という意味にもなります。大学入学共通テストでも出題されたことがあるんですよ。『一緒に出かける仲』であることが、『仲良し、付き合っている』という意味になるわけです。」 (信田先生)
映画を観れば、高校で習った文法の確認ができる。文化の違いが分かることも
【5】
……there’s an insecure little girl banging on the closet door trying to get out.
(内面の女の子を隠そうとしている)
「『girl』の後ろの『banging』は、女の子がどんな状態なのかを説明している後置修飾です。また、その後ろの『trying』は分詞構文的な働きをして、同時に起こっているというニュアンスを付け足している。長いセリフなので聞き取ろうとすると難しいんですけれども、文法事項がしっかり理解できていれば、後で台本を読み返したときに納得がいく表現です。」(信田先生)
【6】
Drinking age is still 21.
(飲酒年齢は21歳だよ)
「意外と知らない人が多いのですが、アメリカはお酒を飲めるのが21歳からなんですよね。そんな日本との文化の違いを知ることができるセリフです。ちなみに、車の免許は州によって取れる年齢が違うんですけど、学園ドラマでは高校生が車で学校に行くようなシーンも多いです。海外の映画を楽しみながら、日本の学生生活と比較してみると、国による違いや発見があっておもしろいですよ。」(信田先生)
【7】
That is exactly what I needed.
(スッキリした)
「教科書でこういった表現が出てくると、『それって、まさに私が求めていたものです』と直訳したく なりますよね。でも、『求めていたものが、人から与えられた』ってどんな状況なのか。よく考えると 『スッキリした』という日本語訳にも納得がいきませんか。こういった表現をさらっと言えると、 ちょっとカッコイイかもしれませんね。」(信田先生)
映画以外にも、『Twitter』などで最新の表現は学べる
「テキストだけで英語を勉強すると、載っている文章が堅苦しかったり、語彙(ごい)が難しかったりして、実際には使いこなせないこともあるかと思います。一方で、自分の関心のあるジャンルの映画であれば、前のめりで楽しみながら鑑賞できるのではないでしょうか。 映画の中には、みなさんの想像以上に中高で学んだ英語表現が実際に使われているので、自分が学んだことの確認にも役立ちます。それに知識の幅を広げられますし、使い方のイメージもつきやすくなります。」と、信田先生は話してくださいました。
映画を観るときは、スクリプト(台本)を手元に置き、日本語字幕と照らし合わせながら鑑賞すると、 便利で、リスニングの勉強にも役立てることができます。スクリプトは、「映画の原題(※英語)」と「Script」で、インターネット検索すれば探すことができますよ。
また、映画以外で、英語の生きた表現を学ぶには、『Twitter』で英語圏の人をフォローしたり、キーワード検索で自分の興味のある話題を見てみたりするのも有効だそうです。また、『Urban Dictionary』というサイトには、スラング(話し言葉)も含めた最新英語表現がふんだんに載っています。ぜひ、利用してみてはいかがでしょうか?
興味を持って勉強をすれば、その分、力は伸びやすくなります。映画で英語の勉強をするのは効果的であるといえるでしょう。みなさんも、ぜひ映画を通して、英語表現を学んでみてくださいね。