IT業界で釣りを仕事に!? アプリ『ツリバカメラ』・ウェブメディア『釣報[ツリホウ]』をリリースしたカズワタベさんの自由な働き方
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![IT業界で釣りを仕事に!? アプリ『ツリバカメラ』・ウェブメディア『釣報[ツリホウ]』をリリースしたカズワタベさんの自由な働き方](/img/umi/23535/160719123241/1.jpg)
アプリ『ツリバカメラ』、ニュースサイト『釣報[ツリホウ]』を運営するウミーベ株式会社代表・カズワタベさん。カズさんがIT業界に踏み込んだきっかけや、仕事へのやりがいについてお話を伺ってきました。
この記事をまとめると
- ウミーベ株式会社は「釣り×テクノロジー×デザイン」をコンセプトに、アプリ・メディア事業を行っている
- カズワタベさんが福岡に移住したのは、事業の強みを最大限に活かすためだった
- カズワタベさんの現在の仕事は、学生時代に没頭した趣味の延長線上にあった!?
「釣り×テクノロジー×デザイン」をコンセプトにした新しい働き方
━現在のお仕事内容について、お聞かせください。
カズ:2014年に「釣り×テクノロジー×デザイン」をコンセプトにしたウミーベ株式会社のを創業して、代表取締役をやっています。事業内容は釣り人が釣った魚を共有するのに特化したスマートフォンアプリ「ツリバカメラ」と、釣り関連の情報サイト「釣報(ツリホウ)」です。
今後もテクノロジーとデザインを生かした、釣り関連の事業を展開をしていこうと考えています。
━いわゆる「スタートアップ※1の社長」ですね。個人の仕事はどういったことをされていますか?
カズ:まだ人数が少ないので、社員に任せていること以外は全部やってますね(笑)。
フリーランスの頃にデザインやコーディングの仕事をしていたので、「釣報」のデザインやサイト構築は僕が担当しました。あと、資金調達や採用、広報PR的なこともやっています。
アプリの開発は開発チームに任せているので、プログラムをゴリゴリ書くようなことはないのですが。
※1 スタートアップ=新たに開設されたビジネス
━カズさんと言えば、「Pictathon(ピクタソン)※2」などのイベント等でも活動されていますよね。
カズ:ピクタソンは東京に住んでいた頃に始めたデザイナー向けのイベントなんですが、今は僕と共同運営者の櫻田さん(現在NewsPicksに所属)が忙しくなってしまいなかなか開催できないんです(笑)。 ただ、沖縄版を現地の有志の方が開催していたりと、思わぬ広がりがありました。
あとはゲストとして、色々なイベントに呼んでいただいてますね。スタートアップについてや、地方での起業、地方移住について話すことが多いです。ピクタソンをやっていたこともあり、デザイン関係の登壇やメディア掲載もけっこうありますね。
※2 「Pictathon(ピクタソン)」=デザイナーがピクトグラム(絵文字)を作って競うイベント。不定期で開催される。
━どういったところに現在の仕事のやりがいを感じていますか?
カズ:やりがいしかないですね(笑)。
そもそも、自分が好きな「釣り」というレジャーで、自分が欲しいと思ったものをつくっているので。アプリもメディアも、自分が釣りをしていて「なんでこういうのがないんだろう?」と思うものを作ったので。何をやってても楽しいですよ。
━「作る」ことを細分化すると、サイトの構築やデザインなど色々な工程がありますが、その全てにやりがいを感じるのでしょうか?
カズ:もちろん、そうです。ただ、組織が大きくなっていくとそういった細かな部分は社員に任せるようになります。初めのうちは作ることが、そして途中からは事業や組織が成長していくことが楽しく感じられるようになっていくように思います。
とはいえ、僕は「インターネット」自体が大好きなので、それを生かして何かを解決しようとしている今の仕事は自分にぴったりだと思ってますよ。
福岡に移住して、会社も生活も豊かになった
━「IT」「スタートアップ」といえば最先端は東京に集中しているイメージですが、どうして福岡に移住をされたのでしょうか?
カズ:よく「仕事のためですか?」なんて聞かれますが、単純に住環境が気に入ってるんです。僕の生まれは長野県松本市で、子供の頃、父親が転勤族だったんです。地方都市で生まれ育って、18歳からは東京。
そんなこともあって、東京の街の規模感や人の多さには慣れることがなかなか難しかったんです。「東京はしんどいな〜」って思いつつ、どこか住みやすい場所はないかな?と考えていたタイミングで福岡に出会いました。
今、移住して2年半ほど経つんですが、やっぱり福岡は”バランス”が良いんですよね。
こんなに住みやすい場所は他にないと思っています。
━ちなみに、東京生活ではどこに住まれていたんですか?
カズ:実家が調布にあるんですが、大学卒業してからは代々木八幡・上原あたりに住んでいました。あのエリアはすごく気にいってて、もしまた東京に住むことになれば、あの辺に住みたいなと思いますね。
━話は福岡に戻るのですが、現在海辺付近に住んでいるのには、何か理由があるんですか?
カズ:最初に会社の事業内容とコンセプトが定まっていたので、そこから逆算してオフィスの環境がどうあるべきかを考えました。会社のブランディングや広報を意識した結果が、この海辺のオフィスです。
あと福岡も中心部は栄えているので、都心との差別化が難しいんです。だったらいっそ振り切ってしまおうと。
中心から電車で20分の距離感で、海辺にオフィスが持てるのは街がコンパクトな福岡ならではですよね。
自由な働き方を知り、音大への進学を選択
━カズさんの最終学歴が音大だと伺っていますが、どうしてIT業界に踏み込んだのでしょう? きっかけがあればお聞かせください。
カズ:音楽は中学時代から始めて、部活でもプライベートでもやっていました。ただ、将来起業しようと思っていたので、最初は経営学部とか経済学部に進もうと思ってたんです。
そんなときに、デザインのスキルを軸として独立して事業を行っているクリエイターの方々を知って、こっちの方がしっくりくるなと。ちょうどユニクロのクリエイティブディレクターとして佐藤可士和さんが活躍したタイミングだったんですね。ただ僕は美大に行ける感じじゃなかったので、もともとやっていた音楽で大学にいったという流れです(笑)
なので今こんなことをやっているのは、幼い頃から独立志向があったことも大きな要因ですが、中学時代からインターネットに触れていてたことが一番の理由です。加えて高校時代からデザインが好きになったと。その頃から好きだった「ウェブ」と「デザイン」が今まさにやっていることなんですよ。
ちなみに実際に起業するきっかけ自体は、Twitterでちょっと年上のウェブ業界の人と知り合って一緒にやろうって話になったからです。3人で共同創業して、「Grow!」というクリエイター支援のサービスを作りました。
━ありがとうございます。最後に、漠然とした進路を描く高校生に、何か一言アドバイスをいただけますか。
カズ:これは僕も含めてなんですけど、「大人の言うことは信用するな」ですね。
みんな思いつきや自分の経験から若い子にアドバイスするんですけど、そもそも本人とは環境が違うし、時代も違うわけです。それに、それで失敗したとしても責任を取ってくれるわけじゃありません。
結局周りが何と言っていても、結果的に自分が満足していなければ意味がないんですよね。
何か大きな選択をしなければいけないときは、自分が後悔しない方を選ぶといいんじゃないでしょうか。
あ、でもいい大学に進学して損することはないと思います。僕が言うのもなんですが(笑)
━「いい大学」ですか。それは就職や独立にあたっても、同じことが言えますか?
カズ:僕のように特殊な大学に行ったり、大学に行かずに働き始めたり、そういう道ももちろんあるんです。ただ、今すでに明確にこれがやりたいってことが定まっていないんだったら、とにかく勉強していい大学へ行った方が良いと思います。
後から潰しが効きやすくて、将来の選択肢がグッと広がるので。まぁさっき言ったように、この話を信用するかどうかもみなさん次第です(笑)。
━ありがとうございました!
学生時代の経験が積み重ねたことを上手に仕事へ活かすカズワタベさん。
なんとなくやらされていること・取り組んでいることも、社会人になると案外その経験が活きてくる可能性も!? 将来のビジョンがぼんやりとしている方は、今目の前にあることをしっかりと取り組み、悔いのない学校生活を送ることが最も有意義な時間の使い方なのかもしれません。
プロフィール
カズワタベ / Kazz Watabe
ウミーべ株式会社 代表取締役CEO
Twitter : kazzwatabe
Facebook : kazzwatabe
1986年4月長野県松本市生まれ。
音楽大学卒業後、クラブジャズバンドの活動を経て2011年にGrow株式会社を創業。その後独立し、福岡に移住。フリーランスとして1年半ほどウェブ、デザインに関わる制作、ディレクション、コンサルティング業務を行い、2014年8月にウミーベ株式会社を設立。代表取締役CEOに就任。同社では「釣り×テクノロジー×デザイン」をコンセプトに、釣りが楽しくなる情報&ニュースサイト「釣報 [ツリホウ]」、釣果共有カメラアプリ「ツリバカメラ」の開発、運営を行っている。
外部リンク
・ツリバカメラ公式サイト
・釣報[ツリホウ]
この記事のテーマ
「ビジネス・経営」を解説
法律などの専門知識を学び、文書作成などの技能を磨くほか、資格取得や検定合格を目指すカリキュラムもあります。小売業や不動産売買、経営コンサルタントや税理士など、各ビジネス分野におけるスペシャリストも育成します。国家試験の合格が求められる高度な資格を必要とする仕事もありますが、専門学校の中には受験指導に実績を誇る学校もあります。
この記事で取り上げた
「アントレプレナー(起業家)」
はこんな仕事です
自らビジネスプランを考えて、会社を起こす仕事。これまでにない斬新なアイデアで、ベンチャー企業などをつくる人も増えている。かつて株式会社をつくる場合は1000万円以上、有限会社をつくる場合は300万円以上の資本金が必要だった。しかし、2006年5月に会社法が施行され、1円の資本金で起業が可能になり、税務署に開業届などの書類を提出するだけで容易に会社をつくり、社長になれるようになった。会社を起こした後は、自ら考えた経営ビジョンの下、戦略と計画を立てて会社を経営していく。
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