サンマーメンってサンマ入り? 実はこんな歴史があります

ハマッ子ならば、食べたことがなくても聞いたことはあるのが、サンマーメンです。
食生活になじみがあるものの、どんな歴史があるかは知らない方が多いのではないでしょうか? 知られざるサンマーメンの由来や歴史についてご紹介します。
この記事をまとめると
- サンマーメンは漢字だと「生馬麺」と書く
- 基本の5色は、白・黒・赤・黄・青(緑)
- とろみがついているのが、大きな特色
サンマーメンって?
サンマーメンは、サンマがのっているわけではありません。
漢字だと「生馬麺」と書きます。生(サン)=新鮮でしゃきしゃきした、という意味があり、馬(マー)=上に載せるという意味です。この漢字の意味からもわかるように新鮮な野菜や肉を炒めてシャキシャキした具を麺の上に載せることから、サンマーメンと名付けられたのです。寒い冬でも、餡がよく絡んでいるサンマーメンを食べたら体が温まること間違いなし。昔も今もハマッ子に愛されている、人気の一品と言えるでしょう。
サンマーメンの歴史
サンマーメンは、戦後(昭和22~23年頃)横浜市桜木町で3代続く老舗中華料理店・玉泉亭で、2代目・井田辰雄さんが考案したメニューが発祥です。それまでは脂っこい感じだったものを、日本人の舌や好みに合わせてアレンジ。脂っこいのを緩和して餡かけ風にしてみたところ、人気メニューになったそう。およそ60年あまりの歴史がある、伝統あるメニューなのです。当初は醤油味がベースのスープに、具は肉・もやし・白菜・季節のもので、それに餡をかけた簡単なラーメンでした。誰でも気軽に食べられる親しみやすさと利用しやすい値段をモットーにしているので、玉泉亭のサンマーメンはなんと600円! 良心的価格で食べられるのが、うれしいですね。
また、サンマーメンは、中華街の聘珍樓が発祥という説もあります。聘珍樓の西崎総料理長によると、昭和5年に先々代が考案し、海や山など自然の幸を吸収する広東料理の流れを汲んでいるとのこと。とろみがついているのは、広東料理の影響と考えることができます。どちらの説だとしても、今となっては押しも押されぬ人気料理なのは、間違いありません。
現在、横浜の中区だけでなく神奈川県全域、関東の各地でもサンマーメンが食べることができます。最近のサンマーメンは料理の色合いにこだわったものが多く、見た目にも鮮やかで、栄養価を引き出す基本の5色の白・黒・赤・黄・青(緑)を入れています。白は白菜、黒はキクラゲ、赤は豚肉と人参、黄色はたけのこ、緑はニラや葉物です。この中で、サンマーメンの主役といってもいいものが、もやしです。シャキシャキした食感がアクセントになるだけでなく材料費もとっても安いので、もやしがたっぷりのったサンマーメンを提供するお店が多いそう。
個性あふれるサンマーメン
サンマーメンにのせる具は店によってさまざま、スープは塩味の店もあれば醤油味の店もあります。味付けや具は店の特色がありますが、どのお店にも共通することが3つあります。それは、「もやしや白菜を使用・野菜はシャキシャキ感が残るようさっと炒める・必ずとろみをつけること」です。
麺料理でもやしそばというものがありますが、これはサンマーメンとは違います。
もやしそばはとろみがついていませんが、サンマーメンはとろみがついている。これが大きな違いです。とろりとした餡のかかったスープでたっぷりのった野菜もペロリと食べられ、病みつきになってしまうおいしさのサンマーメン。いろんなお店で食べ比べしてみるのも、楽しそうですね。
私たちが何気なく食べているものでも、サンマーメンのように歴史があることがわかります。自分の地域の名産物に興味を持った方は、食物学を学んでみてはいかがでしょうか?
食物学では、栄養学や調理学、食品学など幅広い分野で「食」を学ぶことができます。
「食」は生活と切り離せないものだけあって、将来的に幅広いニーズのある仕事なので、やりがいがあることは間違いありません。学べば学ぶほど面白い「食」は、きっと知的好奇心を刺激するでしょう。
【参考サイト】
発祥グルメ|レストランガイド|横浜市観光情報公式サイト - Yokohama Official Visitors' Guid
http://www.welcome.city.yokohama.jp/ja/tourism/gourmet/original.html
玉泉亭
http://www.yokohama-norenkai.jp/gyokusentei/index.htm
かながわサンマーメンの会
http://www.sannma-men.com/origin.html
この記事のテーマ
「栄養・食物」を解説
食べることから健康な生活にアプローチすることを目的としています。ただ生きるために食べるのではなく、より良く生きるために食べるという考え方です。栄養学は食物に含まれる栄養素について学び、生理学の知識を踏まえ、適切な栄養指導を行います。そのためには栄養学や病理学などの広範な知識も必要です。食物学では人によっては摂取しにくい食材を食べやすくしたり、よりおいしく食べるための調理方法の研究なども行います。
この記事で取り上げた
「食物学」
はこんな学問です
栄養や食品について専門知識を学び、科学的な視点から食の問題を解決するための学問。食品学、栄養学、調理学を総合的に用いて研究を行う。食品学の視点からは、成分や加工についての専門知識を学び、栄養学の視点からは食品が人の身体にもたらす影響について学ぶ。また、調理学からは加熱や冷凍など食品成分の変化や味について学び、総合的な専門性を身に付ける。生活との関連性が強いことから、家政学、生活科学を併せて学ぶことも多い。
-
PICK UP! 「食物学」について学べる学校
-
栄養・食物について学べる学校

