気になる社会人にインタビュー! 第41回:花火師に聞いてみた10のコト!

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気になる社会人にインタビュー!
第41回:花火師に聞いてみた10のコト!

2016.07.11

提供元:マイナビ進学編集部

気になる社会人にインタビュー!
第41回:花火師に聞いてみた10のコト!

夏といえば、お祭り。そして、お祭りといえば、「花火」。みなさんが楽しみにしている、夏の大きなイベントです。花火をつくり、打ち上げている職人さんを「花火師」と呼びます。花火師の人は、普段どんなお仕事をされているんでしょうか?

そこで今回は、大阪府に本社、奈良県に工場を構える「葛城煙火株式会社」にお勤めの花火師、喜田真史(きた・まさふみ)さん(37歳)に、普段のお仕事の内容や魅力について詳しく伺いました。

この記事をまとめると

  • 花火師は、花火の製造からコーディネート、現場作業、営業まで、幅広い業務がある
  • お客さんに「安心・安全」に花火を楽しんでもらうために、さまざまな努力をしている
  • お客さんの歓声や拍手があるから、仕事にやりがいを持って取り組める

花火をつくるだけじゃない! 花火師の仕事内容はさまざま

花火師の喜田真史(きた・まさふみ)さん

花火師の喜田真史(きた・まさふみ)さん

Q1. 普段のお仕事について教えてください。

「私は、花火の製造・販売を行っている『葛城煙火株式会社』で、花火師をしています。仕事内容としては、花火の製造からコーディネート、打ち上げ花火を行う現場での作業(準備、打ち上げ、片付け)、また営業活動までさまざまです。営業活動については、花火大会の主催者さんに対して、打ち上げに参加させてもらえないか交渉を行うのと、同じ業界の仕事をしている他の会社さんへ自社製品を売りに行く、主にこの2パターンになります」

Q2. 1日の大まかな流れを教えてください。

「工場で作業する日と、打ち上げ花火を行う現場で仕事をする日で異なります。大まかにはこのような流れになります」

(工場で作業する日)
08:30 出社
10:00 現場調査
12:00 昼食
13:00 プログラム構成
(花火はコンピューターですべて管理されています。「プログラム構成」は、「●分●秒に、●番の筒を打ち上げる」というように、打ち上げの順番をコンピューターで入力していく作業です)
15:00 火薬庫にて花火の準備
18:00 花火大会で流す音源のチェック
19:00 退社

(打ち上げ花火などを行う現場で仕事をする日)
07:00 出社
07:30 現場
09:00 花火の仕込み
(筒に火薬を詰めたり、使用する花火を運んだりします)
12:00 昼食
13:00 花火の仕込み
17:00 最終チェック
20:00 打ち上げ
20:30 掃除
22:00 撤収作業
23:00 帰社・片付け
24:00 退社

Q3. 現在のお仕事に就くまでに、どのような経験を積まれてきたのでしょうか。

「大学を卒業後、今の会社に就職しました。花火関係の会社を目指すきっかけになったのは、今から15〜16年前の大学の学園祭です。私は、学園祭の実行委員長をやっていて、舞台に上がっていました。舞台の下にいる学生たちはみんな盛り上がって大騒ぎをしていたんですが、花火が打ちあがった瞬間、静まり返って一斉に空を見上げていたんですね。そのシーンがすごく印象的で、『ああ、花火師って、良い仕事かもしれないなあ』と思ったんです。それからこの仕事に興味を持ち始めました」

花火を「安心・安全」に楽しんでもらうために、努力を重ねている

花火を「安心・安全」に楽しんでもらうために、努力を重ねているという喜田さん

花火を「安心・安全」に楽しんでもらうために、努力を重ねているという喜田さん

Q4. お仕事の中で、やりがいを感じるのはどんなときですか?

「その答えは、たった一つです。花火大会が終わった後の、お客さんの歓声を聞いたときですね。歓声を聞いただけで、1日の疲れが一気に取れますよ」

Q5. 良い花火大会にするために大事なことはなんですか?

「良い花火の玉を使うだけでなく、組み合わせや上げる順番といった『演出』を考えるのが大切。例えば、大きいのと小さいのを同時に開かせる上げ方にしても、やっぱり演出によって良し悪しは出ちゃいますね。

花火師の仕事には、マニュアルは存在しません。だから、『体で覚える』ことが大切です。先輩の仕事を見て参考にしたり、ほかの人が関わっている花火大会を見て『良かったな~』と感じたときは、実際にプログラムを見てみたりして、自分の仕事へつなげています」

Q6. お仕事に取り組む中で、大切にしていること、心がけている姿勢があれば教えてください。

「うちはおもちゃの花火も製造しています。お客さんが、おもちゃの花火をするとき、『安心・安全』に遊んでもらえるようにさまざまな取り組みをしています。自社製品のパッケージに注意書きを載せるのはもちろん、幼稚園、小学校、中学校、高校、大学といった教育機関で『花火教室』を開いて、子どもたちに遊び方を知ってもらっています。

『花火教室』の目的は、安全な遊び方を知ってもらう以外に、もう一つあります。最近、少子化や遊び道具が増えたことによって、花火をする子どもが減っているので、楽しさを知ってほしいんですよね。『火を見ると、脳が活性化される』という研究をしている大学の先生もいるんですよ。花火に危険なイメージを持つ方もいますが、遊び方さえ間違えなければ決して悪いものじゃありません」

Q7. お仕事の中で、一番の思い出や達成感のあったエピソードはなんですか? また、今後につながる教訓となったできごともあれば教えてください。

「子どもの頃によく見に行っていた花火大会で、自分の構成で花火を打ち上げたとき、一番達成感を感じました。自分の営業で参加することができた仕事だったのもあって、うれしかったですね。

失敗談ですが、ある舞台でパイロ(舞台演出のための花火)を使う仕事をするとき、完全に日にちの勘違いをしてしまいました。当日、夕方まで家に居たら、5時くらいに、『今日、何時に来ますか?』と電話がかかってきました。それに対して、『いや、今日はリハーサル行かないんですけど』と答えたら、『本番、今日ですよ』と言われて……。スタートは6時。家から工場が近かったのもあって、慌てて準備して、ギリギリ間に合わせました。

教訓としては、『油断大敵』『慣れるな』ですね。その団体さん(パイロを依頼した仕事相手)は、何年も仕事をさせてもらっているところでした。その年の本番の日にちを、去年と同じ日にちだと思い込んでいたんですね。仕事において、確認は怠ってはいけないなと思いました」

「お客さんの歓声、拍手」が仕事のやりがいにつながる

暑さの中、花火を準備する喜田さん

暑さの中、花火を準備する喜田さん

Q8. お休みの日はどのように過ごしていますか?

「花火大会が近くにあるときは、なるべく見に行っています。『どういう上げ方してはるのかな?』『どういう玉を使ってるのかな?』とか、考えながら見てますね。写真が趣味なんで、花火の記録写真を撮ったりもしています。

ちなみに、関西で一番おすすめの花火大会は、三重県の『熊野大花火大会』ですね。30号の巨大な玉を、海上にあるいかだの上に乗せて爆発させるんです。そうすると、半円形のきれいな花火になるんですよ。下の部分は、海の中に入っているから見えない。『東京湾花火大会』では10号の花火が打ち上げられていますよね。10号のサイズは、各地の花火大会でたまに見かけるんですが、30号の花火が見られることはなかなかないんですよ。直径は500mくらいになるんで、すごく大きいです」

Q9. 高校時代はどのように過ごしていましたか?

「高校3年間は、クラブ活動(アーチェリー)に没頭していました。インターハイの個人で18位になったこともあります。花火の玉は、小さい2号玉で50g、大きい10号玉で8kg、これらを人の手で運ばなければいけません。400kgの40号玉であれば、クレーンを操縦して釣り上げます。アーチェリー部で、花火師に必要な『基礎体力』は身につけられたと思います」

Q10.「花火師」を目指している・仕事内容に興味を持っている高校生へ向けて、メッセージをお願いします。

「何か一つに秀でているよりも、いろいろなことに対応できる人が花火師には向いています。現場では、ありとあらゆる仕事をしなければいけないためです。あとは、花火が好きなことも大事ですね。

花火師の仕事は、夏は大変です。炎天下で仕事をしなきゃいけないし、現場での作業が1ヶ月続きますからね。でも、この仕事で得られる充実感は、ほかの仕事にはないくらいのものだと思っています。お金では買えない、お客さんの歓声と拍手を感じ取ることができるので、とてもやりがいがあります。プライスレス(お金では買えない)な部分に価値を感じられるから、大変な仕事も楽しんでできるんです。ぜひこれから夏の花火を通して、花火師の仕事を感じてみてください」


大勢のお客さんの感動を呼び起こすことができる、花火師という仕事。友だちを喜ばせることが好き、サプライズで何かすることが好きという人は、多くの人の心を動かす花火師を目指してみてもいいかもしれませんね。これからのシーズンは花火大会も増えますので、ぜひみなさんも職人さんたちの仕事ぶりを実感しに、花火大会に足を運んでみてはいかがでしょうか。


【取材協力】葛城炎火株式会社
http://www.firebrand.jp/index.html

この記事のテーマ
デザイン・芸術・写真」を解説

デザインは、本や雑誌、広告など印刷物のデザイン、雑貨、玩具、パッケージなどの商品デザイン、伝統工芸や日用品などの装飾デザインといった分野があり、学校では専門知識や道具、機器を使いこなす技術を学びます。アートや写真を仕事にする場合、学校で基礎的な知識や技術を身につけ、学外での実践を通して経験やセンスを磨きます。

「デザイン・芸術・写真」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「花火師」
はこんな仕事です

仕事は「花火をつくる」「花火を打ち上げる」「花火大会の準備と片付け作業」の3種に大別される。花火師になるには、花火会社に就職するのが通常。花火の製造に携わる場合は「火薬取扱保安責任者」の資格も必須になる。今日でも伝統的な製法でつくられている花火が数多く存在し、火薬の配合から和紙を花火玉に貼り付ける作業までを、花火師が一貫して行っている。最終工程の玉貼り作業を表す言葉に「糊付け八年、刷毛八年」とあるように、一人前の花火師になるには長い年月が必要だが、その過程では美しい夜空を見上げる感動の日も多い。

「花火師」について詳しく見る