将来かかる病気が分かっちゃう!? 遺伝子検査ってどんなもの?
メイン
テーマ

この記事をまとめると
- 遺伝子検査をすると、将来病気にかかるリスクがわかる
- 遺伝子検査は、病気の予防にもつながる
- 未来の健康を守る、遺伝子検査ビジネスの発展が期待される
遺伝子検査で将来かかる病気がわかる!?
もののたとえで、「遺伝子レベル」といった言葉を耳にすることはありませんか? 遺伝子とは、人間の細胞や染色体よりもさらに小さい、親から子どもへ伝わる特徴の最小単位のことです。
昔は、1人の遺伝子を読み取るのに億単位の費用がかかっていたといわれています。ところが最近は、遺伝子に関する研究が進み、インターネットなどで遺伝子検査キットを購入すれば、誰でも簡単に遺伝情報を調べることができるようになりました。
遺伝子検査を受けることで、心臓病・糖尿病・がんなど120種の病気にかかるリスクがわかるといいます。また、体質や薬の感受性、薄毛になる確率などもわかるため、自分の未来の健康状態をのぞき見ることができるのです。
さらに遺伝子検査は、未来の病気のことだけでなく、自分の過去のルーツを知ることもできます。たとえば、父親から縄文系の遺伝子を受け継いでいるとか、約3万年も前に絶滅したネアンデルタール人の遺伝子を受け継いでいるとか、想像もできないほど昔のことまでわかってしまうのだそうです。
遺伝子検査を活用した予防医学とは?
ハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーは、遺伝子検査によって乳がん発症のリスクが高いことを知り、乳腺切除の手術を受けたことが話題になりました。手術を受けたことによって、彼女が乳がんにかかるリスクは87%から5%まで下がったそうです。このように、あらかじめ自分がどんな遺伝子をもっていて、どんな病気にかかりやすいかを知ることで病気を未然に防ぐ、「予防医学」が医療業界で注目されています。
自分がどんな病気にかかるリスクを持っているのか、それがわかれば、どんなふうに生活習慣を見直せばいいのかがわかります。もちろん後天的な要因のせいで病気になることもあるので、遺伝子検査の結果がすべてではありません。ただ、病気は「治療するもの」から「予防するもの」へと変わってきているようです。
「遺伝子検査ビジネス」が未来の健康を守る
遺伝子検査ビジネスをけん引しているのは、意外にもYahooやDeNAといったインターネット企業です。また、DHCは肥満に関連する遺伝子だけを検査することができるダイエット対策キットを販売しています。
さらに、スポーツジムのような場所でも遺伝子検査は取り入れられています。その人の体質がわかることで、スポーツトレーナーがその人に本当に合ったトレーニングやダイエット法を提案できるからです。今後よりいっそう、健康やスポーツの分野で遺伝子検査が注目されることでしょう。
遺伝子検査と予防医学を結びつけたビジネスが発展していくことで、私たちが将来かかる病気を気にすることなく、毎日を健康的に過ごせるようになるかもしれません。
この記事のテーマ
「医療・歯科・看護・リハビリ」を解説
医師とともにチーム医療の一員として、高度な知識と技術をもって患者に医療技術を施すスペシャリストを育成します。医療の高度化に伴い、呼吸器、透析装置、放射線治療などの医療・検査機器の技師が現場で不可欠になってきました。専門的な技術や資格を要する職業のため、授業では基礎知識から医療現場での実践能力にいたるまで、段階的に学びます。
この記事で取り上げた
「遺伝カウンセラー」
はこんな仕事です
がんなどの疾患や先天性の心疾患・障がいなどに悩む患者の相談を受けて、遺伝的な原因の有無を調べる。遺伝子・染色体検査に関する情報を提供したり、心理的、社会的なサポートを行ったりする仕事。主に病院や診療所、大学などに勤務して、臨床遺伝専門医との連携により業務にあたる。医師と連携しながらも、より患者に近い立場に立ち、患者自身の自立的な意思決定を支援することが目的。日本遺伝カウンセリング学会と日本人類遺伝学会により認定される資格を有する専門職で、認定された大学院で養成専門課程が開設されている。