ゴミを出すのは、朝じゃなくて“夜”!? 福岡市で、真夜中にゴミの回収をする理由って?

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ゴミを出すのは、朝じゃなくて“夜”!? 福岡市で、真夜中にゴミの回収をする理由って?

2016.07.13

提供元:マイナビ進学編集部

ゴミを出すのは、朝じゃなくて“夜”!? 福岡市で、真夜中にゴミの回収をする理由って?

みなさんは毎朝学校に行く前に、家族からごみ捨てを頼まれた経験はないでしょうか? 遅刻しそうなときに頼まれるのは嫌かもしれませんが、通勤途中の会社員やエプロンをした主婦がごみ捨て場に立ち寄り、ごみを廃棄する姿は、日本ではごくありふれた当たり前の風景の一つだといえるでしょう。

この記事をまとめると

  • 福岡市では、昼間にごみ収集車を見かけることはまれである
  • 福岡市は、明治時代は農家がごみの回収を行っていたという
  • 多くの福岡市民がごみの深夜回収に賛成している

カラスを避け、衛生面での効果も高い、ごみの回収方法とは?

福岡市は、朝のごみ捨てができない

福岡市は、朝のごみ捨てができない

そんな日本で、朝のごみ捨てができない町があることをご存じですか?

それは、福岡県福岡市。この町では、なんとごみを出す時間が日没から深夜12時までと決められているのです。夜間帯にごみの回収を行うメリットは非常に多くあります。

まず、深夜にごみ収集車が走るので、朝の通勤ラッシュの時間帯とぶつからず、交通渋滞の緩和につながります。確かに、深夜にごみを収集しておけば、朝は一般車両が細い路地などを通行しやすくなりそうですね。

また、カラス対策も挙げられます。現在ほとんどのごみ捨て場にカラス避けのネットが設置されていることはみなさんもご存じでしょう。昼行性のカラスは早朝から人の住む市街地へ繰り出し、辺りに捨てられているごみ袋を片っ端から破りごみを散らかします。ところが福岡市では太陽が昇る前に清掃員がすべて回収してくれるため、カラスによる散乱被害の心配が少ないのです。

さらにごみ収集は、繁華街だけでなく、各家庭の軒先を一軒一軒回るので防犯上のメリットも大きいといえます。さらには生ごみを一晩家に置いておくことがなくなるため、悪臭などの衛生面を考えても一般家庭にとってはうれしい施策といえそうです。

気持ちよく朝を迎えられるための共通意識

実際に福岡市に暮らす人は深夜回収をどう思っているのでしょうか? 福岡から東京の大学に進学したTさんは、ごみ収集についてこう語ります。

「福岡に住んでいたころは、真夜中のごみ回収が当たり前と思っていました。なので、東京に移り住んで、今のアパートの大家さんから『ごみは朝○時までに出すように』と言われたときは、最初は戸惑ったものです。今でも、福岡に住んでいたころの習慣で、ごみは夜のうちに出しそうになります。福岡では、ごみ収集車はいつも夜中に走っているイメージなんです。東京に出てきてからは、朝や昼間に収集車を街中で見かけるので、とても驚きました」

「深夜のごみ回収は、カラスを避ける目的が一番大きいんですが、夜にしてしまうと、今度は人間がごみ袋の中身をあさる問題もありました。そこで、僕の家では門扉の中にダストボックスを置き、そこにごみを入れるように工夫していました。福岡の人たちは朝ごみを出すのは不快に思っている人が多いんです。やはり夜出しておけば気持ちよく朝を迎えられますからね」

福岡市では、Tさんの家のように、各家庭がさまざまな防犯策を取って対応しているようです。

明治時代、農家が兼業で行っていたごみの回収

そんな福岡市の深夜回収の歴史は古く、明治時代の1891年に民間への回収請負制度をスタートしましたが、それ以前から民間の人たちによるごみの回収が行われていたと記録が残っています。

当時の生ごみは畑の肥料や家畜の飼料になっていたので、回収も農家が兼業で行うケースが多く、彼らの仕事が始まる深夜〜早朝にかけてごみの回収を行っていました。さらに馬車から原動機付き三輪車による回収が可能になり、朝方の交通渋滞を避ける目的で、夜間〜早朝の回収が徹底されていきました。

しかし深夜回収となると、当然夜間の仕事になるため、人件費の深夜料金が発生します。その金額だけで年間6億円に上ると試算されており、財政面に負担があのも事実です。また深夜に住宅街を回収車が走ることもあり、エンジン音や誘導時のかけ声がうるさいなどの苦情が寄せられることもあったようです。

それでも2015年に市が行ったアンケートによると、深夜回収の満足度はなんと97.3%という好評価を受けていることがわかり、財政面のマイナス要素を差し引いても深夜回収を行うメリットがあると市は判断したようです。かけ声に関しても、回収車の後部に集音マイクを取り付け運転手とごみを積み込む清掃員がマイク越しに会話ができるよう改善されたそう。

福岡市の取り組みのように、ごみにまつわる課題に取り組むことは、環境について考えることにもつながります。人間と地域環境の結び付きを理解し、自然とうまく共存していくための学問を「環境学」と言います。歴史ある福岡市のごみ収集も、さまざまなメリットや合理性があるからこそ今日まで継続しているのだといえます。

環境にまつわる議論が高まりを見せる今の時代、限りある資源の有効活用と住みよい町づくりを両立していくための環境学は、今後よりいっそう重要な学問になってくるのではないでしょうか。


●参照サイト
http://www.city.fukuoka.lg.jp/kankyo/kateigomi/life/016.html
http://www.city.fukuoka.lg.jp/kankyo/jigyokeigomi/qa/FAQ4094.html
http://toyokeizai.net/articles/-/118440

この記事のテーマ
地球・環境・エネルギー」を解説

私たちの暮らす地球では、火山噴火、地震、台風、干ばつなど、人類にとっては有害な現象がいまも続いています。こうした現象を研究・解明し、うまく折り合いをつけていくことが必要です。また、豊かな生活を求めるあまり、限りある地球資源を枯渇させてしまったり、自然環境を破壊してしまうことは、人類の絶滅を意味します。こうしたことを防ぐためには、技術系の学問だけではなく、政治や行政などに関する幅広い知識も必要な分野です。

「地球・環境・エネルギー」について詳しく見る

この記事で取り上げた
「環境学」
はこんな学問です

人と地球環境の密接な結び付きを理解し、自然科学と人文・社会科学の知識を合わせ、人が自然と共存し、持続可能な発展をめざす学問である。個別の研究テーマは多岐に分かれており、人と自然を一連のシステムと捉えて環境問題の解決策を研究する「環境システム学」、主に都市と自然と人の調和を図る建築・インテリアを研究する「環境デザイン学」、複雑化する地球環境に対応するために地理学・環境生態学・情報科学を駆使する「地理学」などがある。

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