地方によって違う! 英語でも同じ! 「野菜の呼び方」豆知識

みなさんが普段当たり前に使っている野菜の名前ですが、地方や時代によっては違う名前で呼ばれているかもしれないということを、ご存知でしょうか? 今回は、英語にしても呼び方が変わらない野菜も合わせて、色々ご紹介します!
この記事をまとめると
- 地方によって呼び方が変わる野菜について
- 時代によって呼び方が変わった野菜について
- 英語でも呼び方が変わらない野菜について
地方によって呼び方が変わる野菜
同じ野菜でも、地方によって呼び方が変わるものがあるそうです。
●ゴーヤ
「ゴーヤ」といえば沖縄や九州地方でとれるウリ科の野菜。「にがうり」という呼び方を知っていますか? 本来は、ゴーヤがにがうりの沖縄方言だったのですが、それが浸透し、一般的な呼称となったようです。
ちなみに沖縄では「ゴーヤー」と表記することが多いとのこと。
●さつまいも
さつまいもは、16世紀の終わり頃に中国へ伝わりました。さらに17世紀初頭に中国から琉球(沖縄)を経て、薩摩(鹿児島)にやってそこから各地に渡りました。そのため薩摩と距離の近い九州の他県では、唐(中国)からきた芋ということで、「唐芋(からいも)」とも呼ばれているそうです。
時代によって呼び方が変わった野菜
昔と今とでは野菜の呼び方も違います。古くから日本にある野菜も、時代とともに呼称に変化があるようです。
●大根
「春の七草」は知っていますよね。大根はその一つとして、古くから好まれてきました。「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」。さてこの中のどれが、大根の昔の呼称か分かりますか? 正解は「すずしろ」。漢字で書くと「蘿蔔」です。
● レタス
レタスはその昔、「ちしゃ」と呼ばれていました。由来は、レタスのヘタの切り口から白い乳液が出るため、「乳草(ちさ)」から転じているといわれています。ちなみに、学名である「Lactuca sativa」のlacは「乳」という意味。言葉は違えど由来はいっしょなのかもしれませんね。
英語でも呼び方が変わらない野菜
貿易によりさまざまな野菜が手に入るようになりましたが、海外でも同じ呼び方をされている野菜があるそうです。
● オクラ
オクラはエジプトでは紀元前から栽培されていました。そこからアメリカへ18世紀に伝わり、日本へは幕末にアメリカから入ってきました。「オクラ」という名前は現地語からきていて、英語でも「okra」と書きます。
●椎茸
椎茸は英語で「Shiitake mushroom」といいます。これは、オクラとは逆で、日本発祥のきのこである椎茸が、英語圏に流通した際に、そのまま伝わったからです。
このように、言語は土地の風土に合わせて変化しながら広まり、時代に合わせて人々が呼びやすく、そして分かりやすいように進化していきます。また、「オクラ」や「椎茸」のように原産国での呼び方から影響されることもあり、言葉というのは伝わり方などが色濃く反映されるものということが伺い知れます。
こうした言葉・単語の成り立ちについては、言語学で学ぶことができます。興味のある人は、進路選択の一つとして考えてみてはどうでしょうか?
参考:
http://www.yasainavi.com/zukan/
この記事のテーマ
「語学・外国語」を解説
世界中にはさまざまな言語が存在します。言語は思考の原点ですから、それだけ多くの考え方が世界にはあり、言語の数だけさまざまな文化が存在するということです。世界中の人々が幸福に生活するためには、相互理解が欠かせません。その架け橋となるのが語学です。言語の成り立ちや文法、発音などの構造的な特徴を追究し、外国語を習得してコミュニケーション能力を高めることで、国際人としてのグローバルな視野を養います。
この記事で取り上げた
「言語学」
はこんな学問です
世界の言語の特徴や特質を研究する学問。言語を成り立ちや構造、変化・変遷、分布、比較などさまざまな角度から捉えることで理解を深める。学問領域は、主に言語の本質を探るための「意味論」「語彙論(ごいろん)」「文法論」「文字論」「音韻論」などから成っているが、関連するほかの学問と融合した比較言語学や社会言語学などもある。言語障がいに関する研究や、通訳・翻訳分野、日本語教育分野など、学校によってさまざまな研究の深め方がある。